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乳腺外科医が乳がんの最新情報をブログで紹介しています
by aiharatomohiko
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ブレストサージャリークリニック・岩平佳子先生


昨日は東京のブレストサージャリークリニックの岩平佳子先生にお出で

頂いて当院1例目と2例目の乳房再建手術をして頂きました。

なぜお忙しい岩平先生にわざわざ大阪にお越し頂いてまで、

当院で乳房再建術をするかというと、せっかく再建術までお受けになられる

ことを決心された方には、最高の乳房を作ってもらいたいからです。

それだけです。

岩平先生のクリニックには2度ほどお邪魔して、私が自分の目で見て、

最高の仕事を適正な価格で提供しておられるのを知っているから

お勧めできるのです。

”ひとりひとりに最良の治療効果を実現する”という当院の理念に

欠かすことができないパートナーと考えています。

当院には、既にブレストサージャリークリニックで研修を済ませた

看護師がおりますが、他の看護師にも研修に行って貰いたいと

思っていました。

こちらから指名する前に、自発的に希望したナースが二人もいたのは、

とても嬉しかったです。

モチベーションを高く持ち、専門に特化することで、

大病院では実現できない、トータルとしてとても質の高い専門病院に

することができるのではないかと思い、ワクワクしています。

今回はインプラント挿入だったので、仕上がりは8ヵ月後になるのですが、

出来上がるのが楽しみです。

手術は入院で行いましたが、術後はやはりかなり痛いようです。

これからも、当院では入院して行おうと思います。

ところで、記念に岩平先生と一緒に写真を撮るはずでしたが、

忘れてしまいました。また次回。。。
by aiharatomohiko | 2007-04-19 23:00 | 医療

日本外科学会シンポジウムでの発表


4/12は、外科学会総会のシンポジウム”乳癌におけるセンチネルリンパ節

生検の現状と展望”で、発表を行いました。

演題名は、”乳癌センチネルリンパ節転移診断法の検討”です。

主な内容は、術中診断法として凍結切片と細胞診のどちらが優れているか

を検討した内容で、適切な検査法を用いれば同等であるという結論です。

既に論文化した内容ですが検討症例数を増やしたおかげで、凍結切片と

細胞診を組合せば、感度が改善されることがわかりました。

術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検に対する関心が高かったの

ですが、化学療法前に転移が疑われた場合にはセンチネルを回避する

方がほとんどでした。私も同様です。

検査方法については、RIと色素法の併用を行っている施設が多い

ようでした。私は色素法だけで行っているのですが、同定率は99%を

超えています。関西労災病院では、今はレジデントの医師が主に

行っていますが、それでも同定率は変わらないと思います。

きちんとトレーニングをすれば色素法でも併用法以上の結果が出せる

ことは、明らかです。

また、腋窩の再発も500例以上行った結果0.6%ほどなので、

これも併用法と遜色ありません。

それはそうと、シンポジウムで発表すると”おまけ”がもらえるのですが、

その写真がこれです。

緒方洪庵のことばが書かれているもので、さすが門田教授らしいと思い

ましたが、写真立てに使ったら怒られるでしょうか。。。

f0123083_2332164.jpg
by aiharatomohiko | 2007-04-13 22:52 | 日常

ザンクトガレン・コンセンサス会議2007総括


細かい記事を書こうと思っているうちに時間が経ってしまったので、

自分なりに総括しました。

・リスクカテゴリーは不変

今回リスクカテゴリーは変わりそうにありません。

Gene signatureによるluminal A(HR+ HER2-)、 luminal B(HR+ HER2-)、

HER2+ER-、 Basal type(ER- PR- HER2-)といった分類やOncotypeDxが

いくつかのセッションで取り上げられはしましたが、採用されるには至らず。

臨床試験のデータが出るまでは、お預けになる模様です。

・ホルモン療法

閉経後にはアロマターゼ阻害薬が中心となるも、再発リスクや併存疾患に

よっては、タモキシフェン単剤もオプションとして完全に残りました。

実際に、タモキシフェンから使用すると答えたパネルが多数を占めました。

TAM is still aliveですね。

・化学療法
 
タキサンのポジショニングが難しい結果となりました。サンアントニオで

Canadian CEF>AC-PTXの結果発表があったことが影響しているようです。

どのレジメをどういったセッティングで使用するかについては、

まとまった意見がありませんでした。CMFについてもセッティングによっては

30%が使用するという意見あり。ヨーロッパではCMF強しといった

印象でした。

◎ハーセプチンについては、前述の通りです。

・術前化学療法

術前化学療法のメリットは温存率が増えることだけであるという

冷静な意見が目立ちました。予後因子としてpCRが得られるかどうかを調べる

ことを目的とした術前化学療法には否定的でした。

化学療法だけでなく、場合によってはホルモン治療も選択肢の一つに

挙げられていました。

・放射線治療

温存術後のPartial breast irradiationは、未だ臨床試験の対象。

乳房切除後のPMRTは、n>=4以上の症例には当然と言った印象。

n<=3の場合は、臨床試験を進めましょうということでしょうか。

乳房切除後にRTを行うと、再建手術がしにくくなるのが、困りものです。

f0123083_2385989.jpg

コンセンサス会議の時の写真を九州大学の久保先生に頂きました
ので掲載します。有難うございました。
by aiharatomohiko | 2007-04-08 23:44 | 医療

箕面市薬剤師会の勉強会


今日は新人歓迎会があり、その後箕面市薬剤師会の勉強会で

講師として乳癌の話をさせていただく機会がありました。

歓迎会の話は後日するとして、薬剤師会の勉強会はpm8:30開始

と、遅い時間からの開始にもかかわらず、多数の薬剤師の先生方が

参加されていて、その意識の高さを感じました。

会長・理事の先生方といろいろなお話もでき、乳癌検診の重要性も

良くご理解いただけたようで、大変充実した時間を過ごせました。

関係の先生方、有難うございました。
by aiharatomohiko | 2007-04-05 23:15 | 日常

ザンクトガレン・コンセンサス会議:ハーセプチンの術後療法


日本では進行・再発にしか使用できないハーセプチンですが、

今日欧米では当たり前のように術後再発抑制に使用しています。

コンセンサス会議では、腫瘍径1cm以下、ホルモン陽性、

リンパ節転移陰性といった場合によってはホルモン療法さえ行わない

ような場合にも、ハーセプチンを使用するという意見が3割もあり、

少々というか、かなり驚きました。

これはやりすぎでしょうという印象をもったDRも多かったようです。

化学療法との併用については、同時併用・逐次併用があります。

術後化学療法と併用した方が、再発抑制効果が少し高いような

データがありますが、確定的ではありません。

心毒性から考えると、化学療法後にハーセプチンを開始した方が

良いのですが、悩ましいところです。

気になる日本の状況ですが、中外製薬からのインフォメーションによると、

昨年11月に厚労省に申請済み。迅速審査の対象になっているため、

遅くとも本年11月には認可される見込みとの事でした。

詳細は未確定ですが、認可はHERAタイプで、化学療法後に

3週ごとの使用となる見込みらしいです。
by aiharatomohiko | 2007-04-01 12:08 | 医療

ザンクトガレン・コンセンサス会議:卵巣機能抑制療法


Scientific programのなかで、印象に残るプレゼンテーションを紹介します。

まずは、Johns HopkinsのDr. Davidsonが行った発表のうち、

卵巣機能抑制療法についてのアップデートを挙げます。

中でも、化学療法を行った後に卵巣機能抑制療法を追加することの

意義について論じた部分は、非常に興味深いものでした。

いままでは、化学療法の後に閉経になった人は、ならなかった人よりも

予後がいいというような断片的なデータがありました。

そして、化学療法後に卵巣機能抑制療法を追加することの意義を検討した

複数の臨床試験が行われています。

しかしながら、単一の試験ではその有効性を示せたものはなく、複数の

臨床試験を統合したメタ解析でも同様でした。

閉経前乳癌12,000例を対象としてEBCTCGにより2006年に行われた

メタ解析では、卵巣機能抑制療法により、20年で4.2%の絶対値での

無再発生存率の改善が報告されましたが、化学療法を併用した場合には

無再発生存率の改善が見られませんでした。

このメタ解析の大きな欠点は、今日ではホルモン治療の対象とされない

ホルモン受容体陰性症例が相当の割合で含まれることです。

2006年のSan Antonio Breast Cancer Symposiumで

Dr.Cuzickが発表した、ER陽性症例に限ったLH-RHアゴニストの

メタ解析のデータ(n=9,000)には、この欠点はありません。

この報告では、無再発生存率が化学療法併用時にハザード比が0.88と

統計学的に有意に改善されていたことが特筆されます。

EBCTCGのメタ解析で証明されなかった、化学療法の後に

卵巣機能抑制を追加することの意義が証明されたわけです。

いままでは、単一試験ではその有効性が証明されなかったものの、

40才未満のサブグループ解析では、どの試験も同様に

卵巣機能抑制を追加することの有用性が示唆されていました。

サブグループ解析の限界はよく言われることですが、複数の試験で同じ

結果が報告されているときには、裏に何かが隠れていることが期待されます。

そのような理解の下で、ヨーロッパ中心に化学療法後の卵巣機能抑制

療法の有用性を検討する臨床試験が組まれています。

しかし、その結果を待たなくても、化学療法後に卵巣機能抑制を

行う根拠になるような発表でした。

個人的には、40歳未満の人には勧めたいように思います。

40代後半の人には、おそらくお勧めはしないでしょう。

40代前半の人は、悩ましいところ。月経の戻りをみて、ご本人と

相談することになるでしょう。

論文発表の時には、このあたりが少しでもわかるデータが含まれていれば

良いのですが。

それにしても、サンアントニオに出席してこの発表を聞いていたにも

かかわらず、四国がんのO先生に教えられるまでその重要性を認識できて

いなかったことは、とても大きな反省点です。
by aiharatomohiko | 2007-03-27 00:30 | 論文

ザンクトガレン・コンセンサス会議その1


ザンクトガレンから帰ってきて一週間近くになりますが、

研究会や出張で忙しくて内容がアップできませんので、さわりだけ。

これは、主にヨーロッパの乳癌専門医が集まって、薬物療法を中心に

どのような治療法が適切かを討議しあう会議です。

近年は、米国の専門医も多数招かれるようになり、2年に一度開かれます。

最初3日間は、いろいろなエビデンスのレビューを行うscientific

programが組まれます。

そして、最後の日の半日+アルファをかけて、エキスパートが

治療のコンセンサスを話し合うコンセンサス会議が開かれます。

この結果が日本ではとても重視されているのですが、

実際にはエキスパートの間でも意見が割れることも多く、

リスクカテゴリー別のコンセンサスとされる治療方針にも

複数の治療法が含まれます。

とても、金科玉条のようなものではない様に思います。

場所はスイスの東の端で、とてもいいところという話ですが、

チューリッヒと会議場の往復だけなので、周りの山や湖には

行った事がないのが、残念です。

ヨーロッパも今年は暖冬らしく、スキー場に雪が少ないようです。

コートも必要ありませんでした。
by aiharatomohiko | 2007-03-25 21:36 | 医療

セカンドオピニオンについて


セカンドオピニオンとは、今かかっている医師の治療方針を

別の医師が評価するという印象があるかもしれません。

本来はそうではなくて、今の患者さんの状態を別の医師が客観的に

判断して、妥当と考える診断や治療方針を示すことです。

きちんとした専門医にかかっている場合、

きちんとした別の専門医にセカンドオピニオンを聞きに行っても、

治療方針はだいたい同じになることが多いのですが、

要はご本人が納得されることが一番です。

当院に来られた方でも治療方針を迷っておられる場合には、

セカンドオピニオンをこちらからお勧めすることがあります。

たまに専門医以外にセカンドオピニオンを希望される方もおられます。

こういう場合、時間の無駄になるか、変な意見を言われて

返ってややこしくなることが懸念されたりします。

しかし、ご本人の希望なので、あまりそういうことには触れずに紹介状を

お渡しすることにしています。

また、当院にセカンドオピニオンに来られる方もいます。

一番困るのは、「今見てもらっている先生に悪いから」ということで、

紹介状も資料もなしに来院される場合です。

この場合には、ご本人がおっしゃっている事だけが頼りになります。

しかしながら、それが本当に正しいのかどうかが判断できません。

なので、基本的にこういう場合セカンドオピニオンはお断りしています。

また、「セカンドオピニオンに行きたいので、資料を下さい」といわれて

機嫌が悪くなるような医師はいくら良く見積もっても2流以下です。

そんなことで機嫌が悪くなるようなら、その時点で担当医を

変えたほうが良いですね。
by aiharatomohiko | 2007-03-13 06:01 | 医療

ジェネリックに伴う医療事情


医療の現場で今後同等性に確信が持てないままでも、

ジェネリックが広がっていく素地は、なにでしょうか?

それは、DPCの対象になっているような大きな公的病院では、

価格が安いというだけでジェネリック医薬品が採用される可能性がある、と

いうことです。つまり、保険から払い込まれる医療費は一定なので、

安い薬を使えば利益が上がる、という構図です。

飲み薬であれば、何が使われているかはわかります。

ところが、注射薬になるとジェネリックが使われているかどうかは、

おそらく患者さんにはわからないし、もちろん選択権はないでしょう。

現場の医師に裁量権があれば、無条件にすべてジェネリックに移行することは

ないと思いますが、現実のところはどうなっているんでしょうか。

以上の懸念が杞憂であれば良いと思います。

また、同等性に確信が持てた場合には、今後ジェネリックの使用を

進めていくことになるでしょう。

注1)私はジェネリックの効果が落ちると主張しているのではなく、あくまで”PKが調べられていないのであれば、同等性が証明されているとはいえない”→”なので、個人的には使えない”ということです。
注2)今まで述べたことに、勘違いや間違いがあれば、ご指摘頂ければ経緯を開示した上で訂正します。
by aiharatomohiko | 2007-03-01 22:28 | 医療

ジェネリックを積極的に使用しない理由 その2


私が”個人的に”ジェネリックが信用できない落とし穴と思っているのは、

ジェネリックの薬物動態(PK)、平たく言えば経時的に測定したお薬の

血液中の濃度が、先発品と同等かどうかが調べられていないらしい、

ということなのです。

つまり、同じくすりと思って使用していても、例えば飲み薬であれば

吸収が悪くて体内で利用されない→効果が悪い、といったことがおこる

可能性が危惧されるのです。

巷では、特定の微生物に効果がある抗生剤のジェネリックを使用しても

血中濃度があがらないとか、ジェネリックの抗がん剤が効かなかった

のが、先発品に変えたら効いたとかいう、お話も掃いて捨てるほどあります。

先日もパクリタキセルの後発品を作っているメーカーの方が当院においでに

なられました。”ところで、PKは測っているのですか?”と伺うと、

やはり”PKは測っていません。厚生労働省の認可の要件に

入っていませんから。”というようなやり取りがあったように記憶しています。

ひょっとしてこの会社儲かっていないからPKを測るお金が無いんじゃないか

と考えましたが、会社のIRによると年間160億円も経常利益を上げています。

それなのに、薬剤の生命線ともいえるPKを測るなんていうことにかかる、

わずかなお金を惜しむなんて、どういうことなんでしょうね。

私は、”PKを測っていないのであれば、同等性に確信が持てないので、

当院では使用できません。”といって、お引取り願いました。

医療の現場では今後同等性に確信が持てないままでも、

ジェネリックが広がっていく素地があるのです。

しかも患者さんがわからないままに。。。(続く)
by aiharatomohiko | 2007-03-01 22:05 | 医療