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乳腺外科医が乳がんの最新情報をブログで紹介しています
by aiharatomohiko
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タグ:ビスフォスフォネート ( 2 ) タグの人気記事

ビスフォスフォネートとGTB


術後にビスフォスフォネートを使用したグループで予後が改善しているかどうかというのは乳がん治療における大きなトピックの一つですが、これもGTBがその結果に大きな影響を与えている事例として挙げられています。

BIG1-98試験が例に挙げられています。この試験では、約12%の被験者が試験開始時点かそれ以降にビスフォスフォネートを使用しており、なおかつその半数以上がランダム化の3年以降にビスフォスフォネートを開始していました。つまり、半数以上が3年以上のDFSの下駄を履いているという事になるようです。さて、GTBを考慮しないナイーブな解析結果では、ビスフォスフォネートの使用によりDFSのハザード比が0.50(95%CI 0.43-0.60)と著しく再発を抑制するという結果が出ています。ところが、GTBの影響を打ち消すような解析方法が3種類あるようなのですが、何と3種類全ての解析方法でビスフォスフォネートの効果が確認できなくなっていたということです。

ビスフォスフォネートとGTB_f0123083_2374759.jpg


ランダム化比較試験の結果でも、ビスフォスフォネートの再発抑制効果は厳しい結果なのですが、近々行われるEBCTCGのミーティングではどのような扱いになるのでしょうか。

ところで、GTBの影響はメトホルミンとかの再発抑制効果の知見にも関わっているかもしれませんので、ランダム化比較試験の結果が楽しみです。
by aiharatomohiko | 2013-10-07 09:58 | 論文

アロマターゼ阻害薬とビスフォスフォネート


タモキシフェンと比較して、アロマターゼ阻害薬を服用することにより

骨塩量が減少し、骨折が増えることが良く知られています。

ビスフォスフォネートは、破骨細胞を傷害することにより、骨吸収を妨げます。

その結果骨塩量が増加し、閉経後女性における骨粗鬆症による骨折を減少

させることが分かっています。そのため、アロマターゼ阻害薬を処方する

場合に骨粗鬆症があればビスフォスフォネートを同時に処方することは、

ガイドラインにもあるように正しいことだと思います。


一方で、ビスフォスフォネートには、服用方法が面倒である、食道潰瘍など

の副作用がある、といった問題点があります。また、非常にまれですが、

抜歯などをした場合に下顎骨の壊死を引き起こすことも知られています。


ビスフォスフォネートの最適な投与期間は決まっていないようですが、

臨床試験では3年や5年の投与期間が設定されているようです。

アレンドロネート5年と10年の比較試験(JAMA Vol. 296 No. 24,

December 27, 2006)では、5年でプラセボに変更した群で骨塩量の

減少が見られるものの、非椎体骨折骨折には差がありませんでした(19%)。

臨床的な椎体骨折はアレンドロネートを継続した群の方が少なかった

(5.3% vs 2.4%)のですが、形態的な椎体骨折はアレンドロネートで

やや少なかったものの有意差はありませんでした(11.3% vs 9.8%)。

骨折が特に心配される場合には、ビスフォスフォネートの治療を5年間を

超えて継続するが、それ以外は5年間で良いということでしょうか。


ただ、長期間のビスフォスフォネート投与により骨の正常な代謝を妨げる

ことが、骨自体に悪い影響が無いかという懸念があります。

実際、最近気になるデータも出てきています。ビスフォスフォネートの長期間

投与により、非典型的な小さな衝撃による大腿骨骨折が引き起こされる

危険性があるというのです(n engl j med 358;12:1304 march 20, 2008)。

前向きの臨床試験で検討されたデータではなく、JAMAのデータから

考えると現時点で心配する程ではないとは思いますが、注意を払う必要は

ありそうです。


最近閉経前女性に対して、術後療法としてLHRHIとアロマターゼ阻害薬を

投与する臨床試験が行われており、その際にビスフォスフォネートを併用

している試験もあります。閉経前の人は乳がん治療終了後の期間がかなり

長くなるので、ビスフォスフォネートが骨に与える長期的な影響がより

重要視されるようになるでしょう。
by aiharatomohiko | 2008-05-04 10:28 | 医療