人気ブログランキング |
excitemusic

乳腺外科医が乳がんの最新情報をブログで紹介しています
by aiharatomohiko
ICELANDia
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


タグ:ゾメタ ( 10 ) タグの人気記事

ビスフォスフォネートの星取表


術後再発予防の星取表一覧

ABCSG12 (n 1800) ゾレドロン酸 閉経前内分泌感受性 ○
ZOFAST  (n 1000) ゾレドロン酸 閉経後内分泌感受性 ○
AZURE   (n 3300) ゾレドロン酸 閉経前・後 ×
NASBP B34 (n 3300) クロドロン酸 閉経後が2/3 ×
GAIN試験 (n 3000)  イバンドロン酸 閉経前後 ×

こうしてみると、効果がある対象を絞ったうえでランダム化

比較試験を行って、そこでポジティブな結果を出さないと、

やっぱり厳しいかも。
by aiharatomohiko | 2011-12-23 16:52 | 医療

サンアントニオ2011 ABCSG12試験アップデート


閉経前ホルモン受容体陽性乳がん術後療法におけるゾレドロン酸

の有効性を検討したABCSG12試験のアップデートの結果です。

フォローアップの中央値は84か月。

DFS(無病生存期間) HR0.72(0.56-0.94)230イベント

OS(全生存期間) HR0.63(0.40-0.99)82イベント

DFSのイベント数は200を超えて、一定の信頼性はありそうです。


サブセット解析はTAM/AIや腋窩リンパ節転移の有無でゾレドロン

酸の有効性は変わらないのですが、40歳未満では有効性が確認でき

なかったとのことです。

理由はよく考えても不明。

40歳未満では卵巣機能の抑制が不十分ではないかといった議論が

あるようですが、そうであれば40歳未満でのアナストロゾール群

の予後がかなり悪くなっているはず。

そのあたりはどうなっているのでしょうか。


さて、この試験とZO-FASTの結果だけ見れば、閉経後における

ゾレドロン酸の再発抑制効果はポジティブですが、AZURE試験

との相違が気になります。AZUREをおさらいすると、全体では

ゾレドロン酸の効果はみられなかったものの、閉経後のサブセット

解析では再発を抑制している傾向がうかがえたというものです。

もう一度AZUREのサブセット解析の結果を見てみましょう。


Invasive disease free survivalのゾレドロン酸群とコント

ロールでのイベント数は404と403ほぼ同数でした。

閉経前では、288と256とゾレドロン酸群の方が30イベント

ほど多く、一方閉経後では116と147イベントと30イベント

ほどゾレドロン酸の方が多かったという結果でした。閉経前

と閉経後のイベント数は差し引きゼロで、ただ単にばらついて

いるだけのようにも見えます。


もし低エストロゲン状態がゾレドロン酸の有効性の前提条件と

すると、AZUREの閉経前でも化学療法が95%に行われており、

化学閉経になっているケースもそれなりにあるので、ゾレド

ロン酸群で再発が多いというのは結果に再現性がないという

ように思えます(80%がホルモン受容体陽性)。

つまり、懐疑的に見ればAZUREの閉経前でゾレドロン酸投与

群の再発がむしろ多かったこととABCSG12の結果との違い

を明確に説明できるようなものはなく、結果が一定していない

という印象があります。ポジティブなサブセットだけをつまみ

食いして、“AZUREでは閉経後はエストロゲンの低い

サブセット、ABCSG12はLHRHIによりエストロゲン

が低いからゾレドロン酸が効く”というのは、私にはすっきり

しないですね。

ABCSG12ではほとんどのケースで化学療法が行われていない

ので、これが違いになっているのでしょうか。

しかし、その理由付けも難しいような。

色々と考えてみても、ゾレドロン酸に再発抑制効果があるか

どうかについては、個人的には迷宮入りです。
by aiharatomohiko | 2011-12-13 22:49 | お知らせ

サンアントニオ2011 ZO-FAST試験


5年フォローの結果が発表されました。

ホルモン受容体陽性閉経後乳がんでレトロゾールを投与した

症例が対象。n=1,065。

術後すぐにゾレドロン酸を投与するupfront群と骨塩量が低下

してから投与するdelayed群との比較です。

なお、delayed群では27%がゾレドロン酸の投与を受けている。

イベント数
upfront/delayed
DFS    42/62     HR0.66    p=0.0375
OS     26/36     HR0.69    p>0.05

とDFSでは改善が見られていますが、イベント数が少なく確定的と

までは言えないのではないでしょうか。

(p値だけでなくイベント数にも注目して下さい。)

ともあれ、この試験ではゾレドロン酸の再発抑制効果が、

継続して観察されています。
by aiharatomohiko | 2011-12-12 22:33 | 学会

AZURE試験の論文発表


ゾメタの再発抑制効果を検討したAZURE試験の結果が論文発表されました。

(September 25, 2011, at NEJM.org)

内容は2010年サンアントニオの結果と同じでした。

ただ、今まで行われた臨床試験の結果からは、ゾメタが有効なサブセットが

存在する可能性が否定できないため、もう一つか二つサブセットを絞った

追試験が行われることを期待したいです。

しかしながら、現実には転移乳癌でゾメタはデノスマブに負けたため、

会社が資金を出す可能性はほとんど無いのではないかとは思いますが。
by aiharatomohiko | 2011-09-27 12:59 | 論文

SABCS2010 ゾレドロン酸の再発抑制効果 その2


AZURE試験ですが、3,360例のstage II/IIIの乳がん患者さんが登録

された試験で、標準薬物療法±ゾレドロン酸(5年)の比較になって

います。

この試験では、ゾレドロン酸が6 doses (q 3-4 wk)、8 doses (q 3 mo)、

5 doses (q 6 mo)とかなりインテンシブになっていることが特徴です。

主要評価項目はDFSです。


患者背景は、98%が腋窩リンパ節転移陽性で、95%に化学療法が行われ

ており、98%にアンスラサイクリンが、24%にタキサンが使用されて

いました。ER陽性が78%、閉経前が45%でした。観察期間の中央値が

5年でのデータが今回発表されました。


DFSは752イベントと解析には十分なパワーを持っています。

結果はHR = 0.98(95% CI [0.85-1.13])とほぼ同等という結果で、

カプランマイヤーもほぼ重なっていました。今までの二つの試験の結果

と異なり、この試験ではゾレドロン酸を追加することによるDFSの改善

が見られないという、かなり予想外の結果に終わってしまいました。

2008年に演題取り下げがあったときには治療効果が他の試験と比べて

低いのではないかと懸念していましたが、まさかここまでとは思って

いませんでした。なお、この傾向は今後イベント数が増えても変わること

は考えにくいとのコメントがありました。まあ、それはそうでしょう。。。


主要評価項目がネガティブな場合には、もれなく面妖なサブセット解析

の結果が出てくることになります。この試験の場合でも出てきました。

閉経前と閉経後 < 5 年および 閉経状況が不明な <60才をまとめた群

ではむしろゾレドロン酸群で予後が悪く、閉経後5年経過および60才

以上の群ではゾレドロン酸群で予後が良くなっており、治療効果に

heterogeneityがあると言う解析がそれです。

閉経状況によりE2レベルなどが変わることが、骨芽細胞や破骨細胞の

機能に影響するというデータがあり、これが閉経状況によってゾレドロン

酸の効果が違うという結果をサポートするというのですが、

ホントでしょうか。

そもそも95%の患者さんに化学療法が行われているので、例え閉経前

でもこれにより閉経する人が相当の割合で出てくるはずです。

それなのにこんなに差が出るのはおかしいと思いますね。

偶然の偏りだと考えますが、大胆すぎるでしょうか。

発表では化学閉経に関しては触れられていないようでしたが、一流の

ジャーナルに投稿することになるとかならず突っ込まれることでしょう

から、その時にはもう少し詳しいことがわかるかもしれません。


一方注目したいデータとして、OSがあります。イベント数が519あり、

ハザード比が0.85(95% CI [0.72-1.01])とゾレドロン酸による

改善傾向が見られています。再発が改善しないのに、OSが伸びると

いうのは、乳がんに関係ないゾレドロン酸の効果?なんて、

よくわからないですね。閉経状況との関係はOSもDFSと似た傾向でした。


副作用に関しては、ONJの疑いも含めてゾレドロン酸群で1.5%

(コントロール群 0%)と、ゾレドロン酸に不利な状況です。

ONJはQOLを著しく下げる合併症である事を考えると、結構厳しい

データです。


今後に結果が出ると思われるゾレドロン酸の追加効果が検討されている

試験は、654例のNa Tan試験だけのようです。症例数から考えると、

この試験の結果で決着がつくようには思えません。

SUCCESS試験はゾレドロン酸3年と5年の比較。

NSABP B-34はクロドロン酸ありなしの比較。


ゾレドロン酸が再発を抑制するという期待は、このままでは残念ながら

つぼみのまま開花することはなさそうな状況になってしまいました。
by aiharatomohiko | 2011-03-09 22:34 | 学会

サンアントニオ2008 ZO-FAST


アロマターゼ阻害薬を投与することで骨塩量の低下や骨折率が増加

することが知られていますが、これを軽減する目的でゾレドロン酸

(ゾメタ)が使用されたのがZO-FAST試験です。


この試験では、レトロゾール投与開始と同時にゾメタを開始する群

(IMMEDIATE群)と骨塩量が減少してからゾメタを投与する群

(DELAYED群)の比較が行われました。

投与開始一年後の腰椎の骨塩量を一次評価項目としています。

ゾメタの投与は半年毎に5年間です。


投与開始一年後の腰椎の骨塩量はIMMEDIATE群が良好で、

この効果は3年まで持ち越されましたが、3年の骨折率では両群間に

有意な差を認めませんでした(5.0% vs 6.0%)。

驚いたことには、DELAYED群と比較してIMMEDIATE群で再発が

40%も減少したことです。イベント数がまだ少ないので断定的な事は

いえませんが、局所再発が約1/5に、骨転移が半数に、しかし実質臓器

である肺や肝転移では減少なし、という結果でした。


ABCSG12試験と同様に、本試験でもゾメタの投与が再発を抑制する

という結果がでました。しかも40%も。やはりハーセプチンより偉いのか、

ゾメタは。。。


ちまたの噂に上っていたAZURE試験の結果は発表されませんでしたが、

これで有意な結果がでれば、術後の再発予防にゾメタを使用する方向に

一気に傾きそうです。
by aiharatomohiko | 2009-01-31 21:50 | 学会

ゾメタの抗腫瘍効果と顎骨壊死


先日ゾレドロネート(ゾメタ)の勉強会に参加してきました。

基礎から臨床まで幅広い知見が紹介され、大変勉強になりました。

基礎的な所では、ビスフォスフォネートの抗腫瘍効果には直接的なものと

間接的なものがあり、間接的なものとしてγδT細胞の賦活化、血管新生の

抑制、などが紹介されていました。

興味深かったのは、理由はわかりませんが、化学療法との併用では、

同時投与よりも逐次投与の方が効果が高いという話でした。

ビトロの話なので、人には直接応用できませんが、今後の展開が期待

されます。


阪大歯学部の米田先生から、臨床的に意義深いお話がありました。

抜歯が必要な時にとゾメタの休薬と再開の時期をどうすればいいのか

という内容です。

骨のリモデリングの期間から考えると、休薬は3ヵ月で再開は

2ケ月空けた方が良い、と仰っていたと記憶しています。

かなり長い(約半年)休薬期間が必要なようですが、顎骨壊死

への対応の困難さ考えると、仕方がないのかもしれません。

*以上の内容は聞き間違いなどがあるかもしれませんので、臨床応用の

際には個人の責任でご確認下さい。*
by aiharatomohiko | 2008-09-23 21:21 | 医療

閉経前:タモキシフェン vs アナストロゾール


プライマリーエンドポイントである無病生存率は、タモキシフェンと

アナストロゾールのカプランマイヤーカーブがベタベタに引っついて

いて、離れそうにありません。無再発生存率にしても同じことです。

それだけではなく、イベント数では、アナストロゾールの方が多い。

つまり、悪い。(イベント数 TAM:ANA DFS 72:65 RFS 72:64)

これでは、時間が経ってイベント数が増えても、アナストロゾールが

勝つことはなさそうです。


さらに驚いたことには、全生存率では危うく有意差をもってアナストロ

ゾールが負けかけているではありませんか。

イベント数、つまり死亡者数では、アナストロゾールがタモキシフェンの約2倍

に上っているのは、驚きを通り越してちょっと信じられないくらいです。

(イベント数 TAM:ANA 27:15 p=0.065)

死亡については発表で具体的には触れられていないので、詳細は

わかりません。


今ヨーロッパなどで行われている閉経前の人を対象にしたアロマターゼ

阻害薬の臨床試験がこの結果をもって早期に取りやめになると言う事はない

と思いますが、自分の患者さんにはお勧めしたくなくなるようなデータ

ではあります。


かえすがえす惜しいのは、この臨床試験での治療期間が3年であるという

ところですね。もし5年だったなら、かなり確定的なデータになっていた

と思います。


このデータでは製薬メーカーが販促本を作って営業に来ることはないので、

注意しておかないとしばらく経つと目に触れることさえなくなるかも

しれませんね。
by aiharatomohiko | 2008-06-26 22:08 | 論文

ゾレドロン酸(ゾメタ)は再発を予防する その2


閉経前乳がんに対して、化学閉経薬に加えて、タモキシフェン vs

アナストロゾールとゾメタありなしを比較する、ABCSG12試験の

続報です。

本試験は、術前化学療法以外の化学療法が入っていない、

治療期間が3年である、といった弱い点はあるものの、

1999-2006年まで7年掛けて1800名あまりの参加者を得て

やり遂げられた素晴らしい試験であることは間違いありません。

そういえば、ARNO/ABCSGの結果が発表された時のことです。

Jakeszに化学療法の割合は?と聞いたときに”None”と言われた

ことを思い出しました。えーっと思いましたが、オーストリアでは

化学療法をあまりしないのでしょうかね?

対象症例をみて感じたのは、T1が75%とかなり予後が良い

人たちが対象となっていること、術前化学療法が約5%と少ないことです。

n0は約2/3でした。

TAM vs ANAのカプランマイヤーを見て、驚きました。(続く)
by aiharatomohiko | 2008-06-26 00:15 | 論文

ゾレドロン酸(ゾメタ)は再発を予防する


閉経前早期乳がん1800例を対象として、LHRHアゴニスト+タモキシフェン

vs LHRHアゴニスト+アナストロゾール ±ゾメタの投与の効果をみる試験

の結果が、ASCOで発表されました。


アナストロゾールの効果がタモキシフェンを上回らなかったことに驚き

ましたが、ゾメタの投与でイベントが36%減少しており、骨転移だけでなく

局所再発、骨以外の他臓器転移、対側乳がんも減少していたのにも

驚きました。


半年毎に一本ゾメタを使用するだけでハーセプチンに近い再発抑制

効果が得られるというのは、とても費用対効果が高いですね。

副作用はほとんどないでしょうし。

この結果を追試する結果がしばらくうちにいくつか発表されることに

なりそうです。投与間隔・投与期間などにも注意が必要です。


早晩NEJMにでも論文が発表されるのではないかと思いますので、

詳細は改めて。
by aiharatomohiko | 2008-06-03 16:00 | 論文