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乳腺外科医が乳がんの最新情報をブログで紹介しています
by aiharatomohiko
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タグ:サンアントニオ ( 73 ) タグの人気記事

GS4-1  GnRHアナログの卵巣機能保護効果のメタ解析



GnRH
アナログを化学療法時に使用することによる卵巣機能保護効果を調べた5つのRCTのメタ解析の結果です。n=873

1年時に閉経していた割合は40%前後とほとんど差を認めなかったが、2年時の閉経割合は18% vs 30%GnRHアナログを用いた群で低かった。

出産数は37 vs 20GnRHアナログを用いた群で多かった。

DFS
は全体でも、ER陽性でもER陰性でも差を認めなかった。

OS
でも明らかな差はなかったという結果でした。


化学閉経による更年期障害でQOLが下がる可能性を考えると、ルーティンで卵巣機能保護を目的としてGnRHを使用することを考慮しても良いかもしれません。


by aiharatomohiko | 2018-05-11 20:21 | 学会

サンアントニオ GS1-02 NSABPB47 素晴らしいが、negative


なかなか結果が発表されなかったので芳しい結果ではなかったのかな、と心配していたら、残念ながらその通りだったようです。

ハーセプチンの術後療法での有効性が報告されたNSABPB31でのエントリー基準は参加施設で検査したHER2FISH>2.0もしくはIHC3+でしたが、セントラルで調べると174/1795 9.7%はHER2陰性でした。そのHER2陰性のサブセットでも、再発の相対比は0.5以下とハーセプチンの効果をHER2陽性と同等に認めた。またN9831でも同様な傾向を認めたため、ハーセプチンはHER2陰性でも効くんじゃないか、という仮説が提示されました。それを検証するために行われたのがこの試験です。



対象:HER2 1+もしくは、2+かつHER2 FISH陰性(ratio<2かつ<4)のhigh risk node negativen+

腫瘍評価項目:IDFS

統計学的仮説:ハーセプチン追加による33%のリスク低減を90%のパワーで検出する。片側α2.5%の有意水準。264イベントで解析。

3270名をランダム化、中央値46か月のフォローアップ。

5IDFS89.2%vs89.6%、イベント数は264で、ハザード比は0.98(0.77-1.26)であった。フォレストプロットでもinteractionはなし。IHC1+2+で違いはなし。心毒性は高く、OSはむしろ悪い傾向(HR1.33(0.91-1.94))。

二つの試験の後ろ向きの解析で同様な結果が出たにもかかわらず、前向きに試験をするとnegativeとは。。。結果がnegativeな試験を覚えるのは難しいが、この試験は個人的に特別なものとして忘れがたいですね。中央で集中して行った検査より、各施設で行った検査の方が試験の結果を反映している=正確であることを示唆したともいえるのではないでしょうか。


by aiharatomohiko | 2017-12-21 22:54 | 学会

SABCS2017 EBCTCG dose dense



EBCTCG 2週毎と3週毎の術後化学療法のメタ解析による比較の結果がサンアントニオで発表されました。

結果です。


再発:相対比 0.83 乳癌死亡:相対比0.86


再発;ER陰性:相対比0.82 ER陽性:相対比0.86


結果再発を認めない死亡数の増加はなく、OSの相対比は0.87で絶対値の差は3%であった。



Dose denseはメーカーの強力なプッシュにより広がってきているようにも見えますが、3週毎投与との効果の差はそう大きくはなく、3週毎PTXweekplyPTXに変えた効果と同じくらいです。


無治療と比較すると、ACHR0.75)xPTXHR0.83)xdose dense(HR0.83)もしくはweeklyPTX(HR0.80)を掛け合わせると再発を半分くらい抑えることになります。まあ、これはこのメタ解析の結果を待つまでもなく計算できたわけですが。


学会発表で時間が限られていたために、特にsequentialconcurrentでのレジメなど細かいところがわからないので何とも言えないものの、dosedensityを上げることの有用性がERが陽性・陰性によらずにほぼ同程度にあると示されたのは、良かったと思います。


論文化したら詳しく読み込みたい研究です。





by aiharatomohiko | 2017-12-16 21:24 | 学会

SABCS2016 AI長期投与の総括

AIが入った後の治療でAIを追加投与する試験は、TAMからAIに切り替える試験に比較すると、治療効果が高くないと思われるため、また差が出るのが遅れて出てくるため、精度よく差を検出するにはイベント数と観察期間が足りないと思われる。

再発リスクが高いケースに限っては、AI10年投与を考慮してよいと思われる。


by aiharatomohiko | 2016-12-12 14:20 | 学会

SABCS2016 NSABP B42

TAM/AIもしくはAI5yで無病だった閉経後ホルモン感受性乳がんをLET5yかプラセボにランダム化した試験。DFSがエンドポイントで、中間解析でアルファを消費したため、p=0.0418が有意水準での解析。 n=3923名。4割がn陽性。

60月フォローで631イベント時点で解析が行われ、HR0.85(0.73-0.999)p=0・048 NSであった。

累積遠隔転移は7年で5.8%と3.9%でHR0.72。7年で2%の差。

At risk の数を見ると、これから差が開いていく可能性が高いと思われ、精度高く治療効果を見るためには、やはり長期観察が必要。気になるのはOSのHRが1.15とLETの方に死亡数がやや多いこと。骨折はHR1.2とLETで多い。


by aiharatomohiko | 2016-12-12 14:18 | 学会

SABCS2016 IDEAL試験

閉経後ER陽性、5TAMAIによるホルモン治療後にレトロゾール(LET2.5y vs LET5yのランダム化比較試験。DFSがエンドポイントでn=1821の規模。スライドが手に入らなかったので、結果の解釈はややあやしい。

ランダム化時点からの5年DFSは、HR0.96(0.76-1.20)p=0.70と変わらず。2.5年後を起点にしたDFSは、HR0.88と、2.5年で十分という結論ではあるが、カプランマイヤーをみるとこれも5年以降から開き始めている印象あり。MA17では、LETを長く投与すればするほど治療効果が高いという研究結果もあったように記憶しているので、これもやはりこの時点で結論付けるのは時期尚早で、治療効果の推定にはもう暫くのフォローアップを待ちたい。


by aiharatomohiko | 2016-12-12 14:16 | 学会

SABCS2016 DATA試験

DATA試験はTAM-ANAへスイッチして5年治療ののちにランダム化して、3年のアナストロゾール(ANA)と6年のANAを比較する試験。ただ、解析はランダム化して3年時点を起点とした3DFSadapted DFSと記載)を検定するというデザインで、これではITTによる検定とはならず、せっかくRCTをしたにもかかわらず、研究の質が観察研究レベルになってしまうとのこと。

α5%、β20%HR0.60の研究仮説で、n=1860がランダム化されたものの、両群ともに同じ治療が行われている3年のうちに、3年群で91のイベント発生と5件のフォローアップロスト、6年群で103のイベント発生と1件のフォローアップロストが生じたため、解析からは除外された。解析は1660例で、2/3n陽性とリスクの高いポピュレーションが対象となっている。

Adaptedフォローアップ4.1年、261イベント発生時でaDFSの解析がなされた。HR0.79(0.62-1.02)p=0.07 OSHR1くらいであり、ネガティブな結果ということになった。しかしながら、カプランマイヤーは3年から開いてきており、イベント数も6年群で少ない。長期の観察をすることでより精度の高い知見が得られるように思えた。いつものことながら、筋骨格系の副作用が問題となる。


by aiharatomohiko | 2016-12-11 12:18 | 学会

SABCS2015 Denosumabの再発抑制効果

閉経後ホルモン受容体陽性乳がんでアロマターゼ阻害薬による術後療法を受けている3000名余りの患者さんにデノスマブもしくはプラセボを投与したABCSG-18試験で、二次評価項目である無再発生存期間に関する発表が行われた。

なお、主要評価項目の骨折率は、デノスマブ投与群で半分に減っていたことが報告されたため、IDMCより盲検解除とクロスオーバーの許容を勧告されたため、クロスオーバーが発生する前に解析がなされた模様。

明記されていなかったが、DFSにはαが割り当てられて無さそうなので、この結果は仮説提示に留まる。

結果は、ハザード比0.82(0.66-1.00)であり、発表者自身も触れたように、EBCTCGによるメタ解析で示されたビスフォスフォネートの閉経後乳がんにおける再発抑制効果とほぼ同等でした。

ONJなど重篤な副作用もなかったので、日常臨床での使用も検討にあがるが、試験の対象症例では絶対値の改善が5年で2%(NNT50)なので、再発予防目的でルーティンに使うにはちょっとという印象。骨折予防効果も含めて考えたいので、もう一度元のLancetの論文を読みなおさないと。

無骨転移生存(BMFS)を主要評価項目としたD-CARE試験は、中間解析が二回予定されているものの結果が発表されていないので、おそらく転移抑制効果は似たようなものだろうと予想。

おまけ。ABCSG12の結果は、たまたま再発抑制効果が大きく出た(30%のハザード比改善)のではないかと推測。
by aiharatomohiko | 2016-03-09 22:32 | 学会

SABCS2015 CREATE-X


今年のサンアントニオの一番の発表はJBCRGからのCREATE-Xでしょう。

本研究は、術前化学療法でpCRにならなかったHER2陰性乳がんを対象に、ゼローダ2500mg/m2を8サイクル追加投与する意義を検討した研究です。
日韓の共同研究で、日本から600名、韓国から300名ほどの登録がありました。

もともとの仮説はDFSのHR0.74を352イベントで検出するというものでした。(両側α 5%、検出率80%)が、最終登録二年後に予定されていた中間解析でOBrien Flemming boundaryを超えたために、早期終了となり発表されたものです。

ゼローダのコンプライアンスは、8サイクル完遂は40%ほどでしたが、RDIは80%と良好でした。
この点について欧米人ではもっと悪いようで、フロアから質問が飛んでいました。

一時評価項目のDFSは3年で82.8%vs74.0%、HR0.70(95%CI 0.53-0.93)、OSはHR0.60(95%CI 0.40-0.92)と有意にゼローダ群で良好でした。

今までのPIII試験ではゼローダは芳しくない成績だったため、いささか驚きをもって受け止められたようで、会場からは多くの質問が飛んでいましたが、戸井先生の受け答えは横綱相撲でした。

今までのPIIIでは、標準治療に上乗せの形が多かったのに対し、本試験は無治療vsゼローダの比較なので、DFSがある程度改善されることは納得いくと思います。特筆すべきはOSの改善でしょう。

保険承認の問題はありますが、再発リスクが高いケースでは選択肢の一つとなるのではないでしょうか。
by aiharatomohiko | 2016-01-20 23:38 | 学会

SABCS2014 さよならFEC100(by山下年成先生)

長年待ち続けていたNSABPB36の結果が発表されました。
対象はn0の術後乳がん n=2688
治療法は、FEC100x6 vs AC60/600x4
primaryは DFS
対立仮説はFEC100でHR0.75の改善。 385eventsで検出力 80%、2sided αが0.05の設定。

400eventsでデータロック。
8yDFSはいずれの群も82%。HR1.03 (0.85-1.26) NSでした。
OSも192イベントでNS。
サブセットではER陰性ではFEC100のHR0.82(0.62-1.09)と予後の悪いようなポピュレーションではFEC100の出番があるのではないかという向きには、抗がん剤の効果に差が出にくいER陽性でHR1.29(0.98-1.71)とACにぼろ負け(HR1.29はほぼ無治療と変わりません)している理由も同時に説明して頂く必要があります。交互作用に関しては検定していませんでしたが、仮に交互作用が見られたとしても偶然でしょう。

つまりFEC100x6=ACx4。

化学療法の効果は本当に限られています。残念ですが。
もしこれがACのFEC100への非劣性を証明するようなスキームならば、HR上限を1.2とかに設定したならば非劣性が証明されないという結果になった訳で、臨床試験のデザインは奥が深いというかなんというか。。。
個人的には、こうなることを信じてというかFEC100の有用性に確信が持てなかったのでACを使っていたのですが、間違っていなかった事がわかって安心です。
もちろん、予後の良いポピュレーションなので優越性が証明されなかっただけで、n+ではFEC100の効果の方が高いのではないかと言い募ることも不可能ではありませんが、それだって証明されている訳ではないのです。

FEC100の使用を正当化するためには、n+でACに対する優越性試験を行う必要が出てきたのではないかと思えます。
by aiharatomohiko | 2014-12-18 14:55 | 学会