BLOG形式変更のお知らせ |
BLOGの目的を乳がんの最新情報のアップデートに絞ることにしましたので、 コメントの受付ができないことになりました。あしからず、ご了承下さい。 その分、BLOGの更新に力を注ぎますので、よろしくお願いします。 |
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by aiharatomohiko
| 2007-05-24 20:08
| お知らせ
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ZENITH MEETING-アロマターゼ阻害薬と骨- |
ビスフォスフォネートに関する会議に行ってきました。 プラハの町は20年前と比べると、こちらの気の持ち様が違ったためか、 社会体制が変わったためか、かなり明るく感じました。 観光客も多く、カレル橋もごったがえしていました。 さて、本題の会議ですが、Novartis社がゾメタというビスフォスフォネート を販売しているために、各地から専門医を集めて行われたものです。 いわばプロモーションですが、スピーカーとして招かれた医師は、 かなりこの問題に関して造詣の深い方ばかりで、ヘタな学会に参加する よりもよほど有意義なものになりました。 (ヘタな学会?いちいち挙げるのが面倒くさいほどありますね。) いくつか重要なトピックが有りましたが、なかでもアロマターゼ阻害薬による 骨塩量の減少に関してのプレゼンテーションは、非常に印象的でした。 アロマターゼ阻害薬による骨塩量の減少は、通常の閉経によるものに 比べて非常に速くおこること、経口のビスフォスフォネート・カルシウム・ ビタミンD製剤は、ドイツのデータでは服薬コンプライアンスが悪く、 1年後には半数以上の人が服薬をやめてしまっているというデータは、 自分でも心配していたことでもあり、日本でのコンプライアンスを 調べるようにしたいと思います。 また、日本人と欧米人では乳がんの発症年齢・平均寿命・骨塩量の違い があるので、日本人でのデータを良く見てみる必要があることを 痛感しました。 リクエストがYoshimiさんとNさんからありましたので、写真の解説です。 場所は旧市街の一番にぎやかな広場です。 左の塔はシンボルの時計台ですが、見えにくくなっています。 真正面には有名な教会が見えるのですが、名前は、うーん、知りません。 雰囲気を楽しんで頂ければ幸いです。 |
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by aiharatomohiko
| 2007-04-30 15:58
| 医療
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ブレストサージャリークリニック・岩平佳子先生 |
昨日は東京のブレストサージャリークリニックの岩平佳子先生にお出で 頂いて当院1例目と2例目の乳房再建手術をして頂きました。 なぜお忙しい岩平先生にわざわざ大阪にお越し頂いてまで、 当院で乳房再建術をするかというと、せっかく再建術までお受けになられる ことを決心された方には、最高の乳房を作ってもらいたいからです。 それだけです。 岩平先生のクリニックには2度ほどお邪魔して、私が自分の目で見て、 最高の仕事を適正な価格で提供しておられるのを知っているから お勧めできるのです。 ”ひとりひとりに最良の治療効果を実現する”という当院の理念に 欠かすことができないパートナーと考えています。 当院には、既にブレストサージャリークリニックで研修を済ませた 看護師がおりますが、他の看護師にも研修に行って貰いたいと 思っていました。 こちらから指名する前に、自発的に希望したナースが二人もいたのは、 とても嬉しかったです。 モチベーションを高く持ち、専門に特化することで、 大病院では実現できない、トータルとしてとても質の高い専門病院に することができるのではないかと思い、ワクワクしています。 今回はインプラント挿入だったので、仕上がりは8ヵ月後になるのですが、 出来上がるのが楽しみです。 手術は入院で行いましたが、術後はやはりかなり痛いようです。 これからも、当院では入院して行おうと思います。 ところで、記念に岩平先生と一緒に写真を撮るはずでしたが、 忘れてしまいました。また次回。。。 |
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by aiharatomohiko
| 2007-04-19 23:00
| 医療
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日本外科学会シンポジウムでの発表 |
4/12は、外科学会総会のシンポジウム”乳癌におけるセンチネルリンパ節 生検の現状と展望”で、発表を行いました。 演題名は、”乳癌センチネルリンパ節転移診断法の検討”です。 主な内容は、術中診断法として凍結切片と細胞診のどちらが優れているか を検討した内容で、適切な検査法を用いれば同等であるという結論です。 既に論文化した内容ですが検討症例数を増やしたおかげで、凍結切片と 細胞診を組合せば、感度が改善されることがわかりました。 術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検に対する関心が高かったの ですが、化学療法前に転移が疑われた場合にはセンチネルを回避する 方がほとんどでした。私も同様です。 検査方法については、RIと色素法の併用を行っている施設が多い ようでした。私は色素法だけで行っているのですが、同定率は99%を 超えています。関西労災病院では、今はレジデントの医師が主に 行っていますが、それでも同定率は変わらないと思います。 きちんとトレーニングをすれば色素法でも併用法以上の結果が出せる ことは、明らかです。 また、腋窩の再発も500例以上行った結果0.6%ほどなので、 これも併用法と遜色ありません。 それはそうと、シンポジウムで発表すると”おまけ”がもらえるのですが、 その写真がこれです。 緒方洪庵のことばが書かれているもので、さすが門田教授らしいと思い ましたが、写真立てに使ったら怒られるでしょうか。。。 |
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by aiharatomohiko
| 2007-04-13 22:52
| 日常
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ザンクトガレン・コンセンサス会議2007総括 |
細かい記事を書こうと思っているうちに時間が経ってしまったので、 自分なりに総括しました。 ・リスクカテゴリーは不変 今回リスクカテゴリーは変わりそうにありません。 Gene signatureによるluminal A(HR+ HER2-)、 luminal B(HR+ HER2-)、 HER2+ER-、 Basal type(ER- PR- HER2-)といった分類やOncotypeDxが いくつかのセッションで取り上げられはしましたが、採用されるには至らず。 臨床試験のデータが出るまでは、お預けになる模様です。 ・ホルモン療法 閉経後にはアロマターゼ阻害薬が中心となるも、再発リスクや併存疾患に よっては、タモキシフェン単剤もオプションとして完全に残りました。 実際に、タモキシフェンから使用すると答えたパネルが多数を占めました。 TAM is still aliveですね。 ・化学療法 タキサンのポジショニングが難しい結果となりました。サンアントニオで Canadian CEF>AC-PTXの結果発表があったことが影響しているようです。 どのレジメをどういったセッティングで使用するかについては、 まとまった意見がありませんでした。CMFについてもセッティングによっては 30%が使用するという意見あり。ヨーロッパではCMF強しといった 印象でした。 ◎ハーセプチンについては、前述の通りです。 ・術前化学療法 術前化学療法のメリットは温存率が増えることだけであるという 冷静な意見が目立ちました。予後因子としてpCRが得られるかどうかを調べる ことを目的とした術前化学療法には否定的でした。 化学療法だけでなく、場合によってはホルモン治療も選択肢の一つに 挙げられていました。 ・放射線治療 温存術後のPartial breast irradiationは、未だ臨床試験の対象。 乳房切除後のPMRTは、n>=4以上の症例には当然と言った印象。 n<=3の場合は、臨床試験を進めましょうということでしょうか。 乳房切除後にRTを行うと、再建手術がしにくくなるのが、困りものです。 コンセンサス会議の時の写真を九州大学の久保先生に頂きました ので掲載します。有難うございました。 |
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by aiharatomohiko
| 2007-04-08 23:44
| 医療
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