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乳腺外科医が乳がんの最新情報をブログで紹介しています
by aiharatomohiko
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CDK4/6阻害薬で全生存期間が延長 アベマサイクリブ


術後ホルモン治療終了12か月以内もしくは一次治療に抵抗性であったホルモン陽性・HER2陰性の進行乳がんに対して、フルベストラント±アベマサイクリブを比較したMONARCH2試験でも、統計学的に有意な差を持って(HR, 0.757; 95%CI, 0.606-0.945; P =.01)、全生存期間の改善(生存期間中央値は46.7months vs 37.3 monthsと推定値で9.4か月の改善)が報告されました(JAMA Oncol. 2019 Sep 29. doi:10.1001)。


治療効果は、閉経前と閉経後のいずれでも確認され、またprimaryresistancesecondary resistanceを問わずに確認されています。サブグループ解析で顕著なheterogeneityはありませんでした。


副作用は既知のものだけであったと報告されています。国内では肺障害による死亡症例が報告されているため十分な注意が必要なことは言うまでもありませんが、二次治療では積極的に使用していくことになりそうです。


CDK4/6阻害薬で全生存期間が延長 アベマサイクリブ_f0123083_00190365.jpg


# by aiharatomohiko | 2019-10-28 00:19 | 論文

CDK4/6阻害薬でOSが延長 ribociclib

ホルモン受容体陽性HER2陰性の進行乳がんで、化学療法が1レジメン以下で進行乳がんに対するホルモン治療を受けていない672名の方を対象にして、ゴセレリン+ノンステロイダルのアロマターゼ阻害薬かタモキシフェン+リボサイクリブかプラセボを比較したMONALEESA-7試験の結果が報告されました(N Engl J Med. 2019 Jul 25;381(4):307-316.)。

ハザード比0.712 (95% CI: 0.535-0.948); P= .00973と全生存期間が30%も改善されていました。イベント数が少ないので、推定値の精度は低いものの、かなり良いデータです。生存期間の中央値はプラセボで40.9月、リボサイクリブでは到達していませんでした。この図にあるように、42か月時点での生存率は70%vs46%と圧倒的にリボサイクリブで勝っています。PFSの中央値が 23.8 vs 13.0 mos (ハザード比: 0.55; 95% CI: 0.44-0.69; P < .0001)でしたが、OSの差はちょうどこの24月くらいから開き始めています。

CDK4/6阻害薬でOSが延長 ribociclib_f0123083_22483635.jpg

気になる重篤な副作用は肺毒性で、肺塞栓が2.7%vs0.9%と比で3倍、差で2%ほど多くなっています。他に注意すべき毒性はQT延長で12.5 vs 6.2%でした。

決定的な結果ではありますが、日本ではリボサイクリブは販売されません。他のCDK4/6阻害薬も少なくともPFSについては同等の結果なので、OS延長も十分期待できます。なので、読み替えて使用する方向で検討することになりそうです。


CDK4/6阻害薬でOSが延長 ribociclib_f0123083_22485228.jpg


# by aiharatomohiko | 2019-10-06 22:50 | 論文

SABCS2018 Triple negativeに対するカペシタビン

876名のTriple negative乳がん患者さんを対象として、標準的術後化学療法を行った後に、カペシタビンの有用性を検討した臨床試験の結果が報告されました。
投与期間は24週間と同じものの、カペシタビンの用量が1000㎎/m2x2と、CREATEXの1250よりも低いことに留意する必要があります。
結果は、有意ではなかったものの、カペシタビンでハザード比の推定値が0.82と再発の抑制が示唆されています。
SABCS2018 Triple negativeに対するカペシタビン_f0123083_23024047.jpg
残念なことに、OSに差は認めませんでした。
SABCS2018 Triple negativeに対するカペシタビン_f0123083_23030139.jpg
DFSの差はCREATEXの結果を反映しているように思えたのですが、OSはそうではなかったようです。サブタイプにより効果の差が見られた、という興味深い結果が付記されていました。
SABCS2018 Triple negativeに対するカペシタビン_f0123083_23050524.jpg


# by aiharatomohiko | 2019-03-02 23:05 | 学会

SABCS2018 IMPASSION PDL1-

IMPASSIONのPDL1-のサブセットの結果がサンアントニオで発表されています。
大方の予想通り、ネガティブな結果でした。
年末位に保険適応になるとのうわさもありますが、例えPDL1の状況によらず認可されたとしても、使用するのはPDL1陽性症例だけになるでしょうね。
SABCS2018 IMPASSION PDL1-_f0123083_22362605.jpg


# by aiharatomohiko | 2019-03-02 22:37 | 学会

術前化学療法でnon pCRのHER2乳がんにはカドサイラ

サンアントニオでの発表と同時にNEJMに発表された、KATHERINE試験の結果です。

HER2陽性乳がんで術前化学療法の後に手術で浸潤がんが残っていた人が対象で、ハーセプチンとカドサイラの術後14サイクルの比較がなされています。

中間解析での結果がよかったため、データがリリースされています。

IDFSが50%改善、DDFSが40%改善、OSも30%改善する可能性がある(まだイベントは少ないため、確定値ではない)という、素晴らしいデータです。中間解析とはいえ、イベント数が250あるので、推定値の精度も十分そうです。

問題は保険に通ってないことで、さすがにこのご時世は使えません。
学会からの要望などお願いしたいです。

術前化学療法でnon pCRのHER2乳がんにはカドサイラ_f0123083_10010266.jpg









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乳がんの最新情報を考察して、備忘録的に記録しています。
言うまでもないですが、あくまで個人の見解です。
相原病院ブレストセンター(乳腺外科)
相原智彦
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# by aiharatomohiko | 2018-12-07 10:01 | 論文