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乳腺外科医が乳がんの最新情報をブログで紹介しています
by aiharatomohiko
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GS3-5 Gepar-Septo 最強の化学療法レジメか


術前化学療法としてweekly PTX80 or nab PTX125mg/m2x12E90C600 x4を比較したGepar-Septo試験の生存期間の結果が報告されました。


対象:1204名のcT2-cT4a-dcT1cでハイリスク。

統計学的仮説:248イベントで両側α5%、80%の検出力、HR0.70

結果:追跡期間49か月の時点でHR0.690.54-0.89 p=0.0044)と有意にDFSを改善した。サブグループ解析では、この効果はホルモン受容体の状況やHER2の状況によらないことがわかった。pCRになった人では明らかな差が認められなかったが、生存率が高いのでイベント数が少なく差が検出できなかった可能性はある。


副作用について今回は報告されていないが、discussionではnabPTXで末梢神経障害の頻度が倍くらいになると言っていたようですが、以前の論文に詳しく記載されているのではないかと思います。

Dose dense AC-PTXTACと並び最強のレジメであるAC-weeklyPTXに対して30%も再発を減らすという有用性に関して画期的な報告。しかしながら、discussionではあまり盛り上がったようすがなく、質問は既報のはずの副作用の事ばかり。末梢冷却などで副作用をコントロールできれば、今後標準レジメになる可能性はあるか。保険適応はどうなるのでしょうか。

いずれにせよ、進行再発ではweeklyPTXに勝てなかった weekly nabPTX が再発抑制では勝ったというのは画期的な結果に思えます。


by aiharatomohiko | 2018-02-26 23:07 | 学会

タモキシフェンの10年投与 ATLASの再検討



タモキシフェンを5年以上使用する時に重要なデータとなるATLAS試験の結果を改めてみてみました。Lancet 2013; 381: 805–16


閉経前と閉経後の違いが気になります。実際に登録された閉経前のケースはわずか10%程度で、ほとんどは閉経後のケースです。この状況で閉経前に結果を適用してよいかどうか(結果の一般化の問題)ですが、再発リスクのサブグループ解析を見ると、ratio of annual event rates (SE)は、閉経前0·81(0·15)に対して、閉経後0·85 (0·05)と大きく変わらないので、結果を適応して問題ないでしょう。


ER陽性での結果を再確認すると、Recurrencerate ratio [RR] 0·90 [95% CI 0·79–1·02] during years 5–9 and 0·75 [0·62–0·90]in later years 全期間では0·85 (SE 0·05); breast cancermortality RR 0·97 [0·79–1·18] during years 5–9 and 0·71 [0·58–0·88] in lateryears.全期間では0·83 (SE 0·07)です。タモキシフェンの延長効果は10年目以降に明らかになります。再発の内訳をみると、Isolated local 0·73 (0·13)Isolated contralateral 0·75 (0·11)Distant 0·90 (0·06)と遠隔転移を押さえる効果は高くないように思えますが、それでも乳がん死亡を17%減少させる効果があるので、リスクの高い人には投与を検討する必要があります。

例えば、T2N1-3ならば5-15年のbreastcancer mortality 20%ほど(N EnglJ Med 2017;377:1836-46.)なので絶対値で3%ほどのメリットが期待できます。T2N0ではその半分ほどのメリット、T2N1-3ではその間になります。以上のメリットと副作用のバランスを考えた上で、10年のタモキシフェンを提示する必要があります。


by aiharatomohiko | 2018-02-18 22:26 | 論文