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乳腺外科医が乳がんの最新情報をブログで紹介しています
by aiharatomohiko
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<   2017年 12月 ( 4 )   > この月の画像一覧

GS3-1 ABCSG16 延長期間2年で良いのならば朗報ですが


TAMAITAMからAIに切り替えて4-6年ホルモン治療を行っている3484名の閉経後乳がんを対象として、アナストロゾール2年 vs 5年を比較したABCSG16試験の追跡期間中央値106か月の結果が発表されました。

主要評価項目はDFSで、ランダム化された時点とランダム化2年後を起点とした2種類の解析がなされたと書いてありました。どっちがメインとかαエラーがどうなっているか詳細は書いてなかったですが、他の記述と発表された結果からは前者のようです。

統計学的仮説は、HR0.74を両側α5%で85%の検出力で検出するために433イベントが必要で、全患者を10年フォローすることが決まっていたようです。ということから、これは優越性試験という事が分かります。

3469名を対象として、762イベントが起こった時点で解析されたようです。なぜこんなにイベント数がオーバーランした時点まで解析を待ったのかはわかりません。

対象は2/3n0で、化学療法がおこなわれていたのは30%でした。TAM50%。TAM-AI40%、AIのみは10%以下でした。なので、この試験の対象のほとんどはTAMからスタートした人であるという点は重要です。

結果:ランダム化した時点からのDFSHR1.00795CI0.87-1.16NSでした。サブグループで、heterogeneityはありませんでした。TAM単独でも、AIが入っていても変わらない。OSも変わらず。骨折は5年投与群で多かった4.7%vs6.3%。つまり、5年のAI2年のAIに対する優越性を示せなかった。

結論:予後を改善せず、骨折が多いために、AI2年で十分ということでした。MA17の後解析で、LETは経時的にハザード比が下がる=再発を抑える効果が高くなる=長く服用すればするほど良い(Breast Cancer Res Treat. 2006 Oct;99(3):295-300.)という結果が出ていたので、5年完了するまで継続していました。探索的な結果ではありますが、今回の結果とは齟齬があります。SOLE試験もその背景によりデザインされていたのだろうと思います。今後どうするべきかよく考えないといけないですね。


by aiharatomohiko | 2017-12-25 15:24 | 学会

GS1-06 SUCCESS A study これも覚えておくべきnegative studyか

化学療法の後にゾレドロン酸を2年vs5年を比較したRCTの結果が報告されました。対象が明確に記載されていないが、試験に登録されたのは3754名の化学療法の適応がある患者さんのようで、うち2987名が解析対象となっています。

評価項目は、ゾレドロン酸を開始して2年目を起点とした、adapted DFSadapted OS

予め最長観察期間が4年と規定されているようです。観察期間中央値約3年時点での結果は、いずれも差を認めなかった(HR0.97 95CI 0.75-1.25イベント数aDFS n=250)OSも同様の傾向。副作用は5年の方が多かった。


結果:実臨床で術後に再発予防を目的としてゾレドロン酸を使用するときには、2年を超えて投与するメリットを証明できなかった。


問題点:良くあることだけど、学会ではそもそもの統計学的仮説がきっちり発表されていない。adaptedDFSITT解析でない。どうせなら2年の時点でランダム化すればいいのにと思う。一般的にゾレドロン酸の適応にならないと思われる閉経前が4割以上含まれていることで検出力が落ちている。閉経後に限定して、ゾレドロン酸無しの群があればそもそもゾレドロン酸が必要かどうかを検証できたかもしれないが、スタート前にわからなかったことも多いと思います。結局この試験の結果では、まず2年必要かどうかわからないし、2年でよいかどうかもはわからないけど、5年行くと副作用が増えることは確実というすっきりしない幕切れに。。。


by aiharatomohiko | 2017-12-23 17:27

サンアントニオ GS1-02 NSABPB47 素晴らしいが、negative


なかなか結果が発表されなかったので芳しい結果ではなかったのかな、と心配していたら、残念ながらその通りだったようです。

ハーセプチンの術後療法での有効性が報告されたNSABPB31でのエントリー基準は参加施設で検査したHER2FISH>2.0もしくはIHC3+でしたが、セントラルで調べると174/1795 9.7%はHER2陰性でした。そのHER2陰性のサブセットでも、再発の相対比は0.5以下とハーセプチンの効果をHER2陽性と同等に認めた。またN9831でも同様な傾向を認めたため、ハーセプチンはHER2陰性でも効くんじゃないか、という仮説が提示されました。それを検証するために行われたのがこの試験です。



対象:HER2 1+もしくは、2+かつHER2 FISH陰性(ratio<2かつ<4)のhigh risk node negativen+

腫瘍評価項目:IDFS

統計学的仮説:ハーセプチン追加による33%のリスク低減を90%のパワーで検出する。片側α2.5%の有意水準。264イベントで解析。

3270名をランダム化、中央値46か月のフォローアップ。

5IDFS89.2%vs89.6%、イベント数は264で、ハザード比は0.98(0.77-1.26)であった。フォレストプロットでもinteractionはなし。IHC1+2+で違いはなし。心毒性は高く、OSはむしろ悪い傾向(HR1.33(0.91-1.94))。

二つの試験の後ろ向きの解析で同様な結果が出たにもかかわらず、前向きに試験をするとnegativeとは。。。結果がnegativeな試験を覚えるのは難しいが、この試験は個人的に特別なものとして忘れがたいですね。中央で集中して行った検査より、各施設で行った検査の方が試験の結果を反映している=正確であることを示唆したともいえるのではないでしょうか。


by aiharatomohiko | 2017-12-21 22:54 | 学会

SABCS2017 EBCTCG dose dense



EBCTCG 2週毎と3週毎の術後化学療法のメタ解析による比較の結果がサンアントニオで発表されました。

結果です。


再発:相対比 0.83 乳癌死亡:相対比0.86


再発;ER陰性:相対比0.82 ER陽性:相対比0.86


結果再発を認めない死亡数の増加はなく、OSの相対比は0.87で絶対値の差は3%であった。



Dose denseはメーカーの強力なプッシュにより広がってきているようにも見えますが、3週毎投与との効果の差はそう大きくはなく、3週毎PTXweekplyPTXに変えた効果と同じくらいです。


無治療と比較すると、ACHR0.75)xPTXHR0.83)xdose dense(HR0.83)もしくはweeklyPTX(HR0.80)を掛け合わせると再発を半分くらい抑えることになります。まあ、これはこのメタ解析の結果を待つまでもなく計算できたわけですが。


学会発表で時間が限られていたために、特にsequentialconcurrentでのレジメなど細かいところがわからないので何とも言えないものの、dosedensityを上げることの有用性がERが陽性・陰性によらずにほぼ同程度にあると示されたのは、良かったと思います。


論文化したら詳しく読み込みたい研究です。





by aiharatomohiko | 2017-12-16 21:24 | 学会