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乳腺外科医が乳がんの最新情報をブログで紹介しています
by aiharatomohiko
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2007年 07月 04日 ( 2 )

E1199試験からの考察


AC-PTXにDFSで勝ったレジメを挙げましょう。

AC-wPTX, AC-DTX, Dose dense AC-PTX, Canadian CEF (or FEC120)

これらのなかで、どのレジメを選択するかというのは、人により異なる

とは思いますが、私が日常診療で使用したいと考えるレジメは、

AC-wPTXです。

その理由を以下に挙げます。

・Canadian CEF:最も強力かもしれないが、最も使いづらいレジメでもある。

その理由は、観察期間2.5年で、急性白血病/MDSを0.7%に認めたこと、

抗生剤予防投与でも発熱性好中球の頻度が約1/4、遅発性心毒性の恐れ

などです。観察期間が短いため、最終的にどの程度DFSが改善されるのか

を知ることができるのはまだ先ということもあります。

・Dose dense AC-PTX:G-CSFとエリスロポイエチンを投与しておけば、

早く終わるし副作用も少なく良いのかもしれないが、治療費がバカ高くなるし

日本では現実的でない。効果もAC-wPTXを大きく上回るとは考えがたい。

・AC-DTX:DTXのdoseが100mg/m2であることが使いづらい最大の

理由です。まず、100mg/m2を使用したことがないし、承認用量よりかなり多い。

発熱性好中球の頻度が約1/6、浮腫のコントロールがやっかい、

といったところでしょうか。

ただ、TACレジメではDTXのdoseが75mg/m2であることから、

75mg/m2でも効果があることが推測されます。

wPTXが使用できないときには、75mg/m2でこのレジメを使用します。

次点ですね。

AC-wPTX:末梢神経障害のリスクはやや高くなるものの、他の副作用

は軽いため、正直使い易い上に効果も高い。コストが高くなり来院回数が

多くなるのはデメリットではありますが、バランスの良いレジメと考えます。

アップデートされたE1199の結果をみて、Canadian CEFを使用する

必要がなくなったので、正直ホッとしています。

さて、皆様のチョイスはどうでしょうか?
by aiharatomohiko | 2007-07-04 22:21 | 論文

Negative or Positive? E1199 trial その3


“それはね、インタラクション(相互作用)があったというのです。”

“薬剤と投与方法の間にインタラクションがあったために、

試験全体のパワーが足らなくなったということです。”

と大橋先生はおっしゃった(ように記憶しています)。

それでは、PTX3週投与を標準アームとした4アームの試験と

考えてよいのでしょうかと尋ねると、“いいんじゃないですか。

ただし、パワーが足りないかもしれませんが。”とおっしゃいました

(ように記憶しています)。

ということで、このE1199試験の結果の正しい解釈法は、

“薬剤と投与方法の間に相互作用があったのがわかった”

ということだそうです。

そして、“PTX3週投与を標準アームとした4アームの試験と考えてよい”

ということです。

そうであれば、AC-PTXに比較して、AC-DTXがDFSで、

AC-wPTXがDFSとOSで勝った“positive study”であったという

ことがわかります。

統計学的に有意差が出ており、p値も十分に低いので、試験としての

パワーも足りていると考えてよいはずです。(医療統計家未確認)

これで、すっきりしましたね。

BMSもこの結果をふまえてadjuvantにwPTXをもっと勧めても

良いと思うのですが、毎週投与はまだ当局に申請中とのことです。

それにしても、もう何年も前に申請を出したような気がするのですが。

さて、タキサンを使用したレジメは数あるのですが、それではどのレジメを

使用するのがよいのでしょうか?
by aiharatomohiko | 2007-07-04 07:28 | 論文