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乳腺外科医が乳がんの最新情報をブログで紹介しています
by aiharatomohiko
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2007年 07月 01日 ( 4 )

Negative or Positive? E1199 trial その2


各群別のDFSの比較をみてみましょう。

PTXの3週毎投与を標準アームとすると、PTX毎週投与のハザード比は、

1.27(95% CI 1.07-1.51 p<0.006 低減の方向でみれば、

HR 0.79)と有意に良好でした。

DTX3週毎投与のハザード比は、1.23(95% CI 1.04-1.46 p=0.02

低減の方向でみれば、HR 0.81) とこちらも有意に良好でした。

DTX毎週投与は、PTXの3週毎投与と有意差はありませんでした。

全生存率は、PTX毎週投与のみがPTXの3週毎投与よりも有意に

優れており、そのハザード比は、1.32(95% CI 1.06-1.63 p=0.01 

低減の方向でみれば、HR 0.76)でした。

この結果を見ればわかるように、“PTXは毎週投与が優れており、DTXは

3週毎投与が優れていた”のです。

2x2ファクトリアルデザインの前提が崩れてしまっているのですね。

この傾向は、2005年のサンアントニオでの発表から見られていたので、

その頃から“ファクトリアルデザインの前提が成り立っていないので、

この試験の結果をどう解釈したら良いのだろう”と漠然と考えてはいました。

しかしながら、その時にはイベント数が少なく、各群間の優劣が今回ほど

はっきりしていなかったため、経過観察としていました。

今回のASCOでの上記の結果をみて、“それでは、4アームの試験と考えて

良いのではないか”という気持ちが強くなってきたので、乳癌学会の

ランチョンでプレゼンをしたスローンのメディカルオンコロジストに

“この試験は4アームと考えてよいか?”と質問をしてみたところ、

彼女からは“良いです。”という返事をもらいました。

しかしながら、医療統計家である大橋先生の御著書に“アメリカの臨床医

の方が日本の臨床医よりも統計を学習していない。”という一文が

あったような気がしたので、疑い深い私は

大橋先生ご本人に伺ってみることにしました。
by aiharatomohiko | 2007-07-01 23:19 | 論文

Negative or Positive? E1199 trial その1


術後薬物療法におけるAC後のタキソール vs タキソテールと

3週投与 vs 1週投与を比較するE1199試験のデータが、

ASCOでアップデートされました。

この試験結果は、“どのタキサンをどのスケジュールで投与すれば

よいのか”という誰もが知りたいリサーチクエスチョンを問うていた

ため、その結果を皆が待ち焦がれていた試験ですが、2005年の

サンアントニオで発表された結果がいま一つパッとしなかったため、

皆に忘れ去られかけていた試験です。

この試験のデザインは、薬剤の比較と投与スケジュールの比較検定を

同時に行う”2x2ファクトリアル・デザイン”です。

このデザインは、2つの仮説を1つの試験で検討できるので、

採用されることも多いのですが、それぞれの治療効果がパラレル

であることが前提です。

例えば、この試験に関していえば、研究仮説が成り立つためには

“どちらの薬剤も同じ投与スケジュールのほうが良いはず”

という前提がなされているのです。

もっと具体的にいうと、”タキソールの1週投与が3週投与より

良ければ、タキソテールでも同様に1週投与が3週投与より良いはず”

という前提がなされているということです。

この試験の主要評価項目は無病生存期間(DFS)で、

タキソール (PTX) vs タキソテール (DTX)、

3 週毎投与vs 毎週投与の比較において、DFS ハザード比の17.5% 減少

を86% の検出力で捉える症例数が設定されています。

結果は、(PTX) vs タキソテール (DTX)、3 週毎投与vs 毎週投与

ともにDFSに有意差がありませんでした。

もともとの研究仮説が証明されない場合には、通常”negative study”という

評価になります。

ASCOの速報にコメントを書いている、国立がんセンター東病院

化学療法科 向井先生も、“本試験はネガティブスタディーであった。”

と結論付けています。

さて、この解釈は正しいのでしょうか?
by aiharatomohiko | 2007-07-01 23:04 | 論文

第15回日本乳癌学会総会


昨日まで乳癌学会総会に行っていました。

自分の発表はまあ何とか終わりましたが、

今回初めての企画であるRapporteur sessionの発表者に指名頂いたり、

関西労災のときに私が主治医になった方が、体験記コンクールに

応募されて第15回日本乳癌学会 学術総会賞を受賞されたりと

(Mさん、本当におめでとうございます。それにしても、イケメンって。。。)、

今年は個人的にハプニングが多い学会でした。


第15回日本乳癌学会総会_f0123083_2226756.jpgあけぼの会のワット隆子さん(8/4の市民フォーラム

に司会でお出でいただく予定になっています)

にお会いして、“乳がん患者に贈る愛と勇気の玉手箱”

という最新の御著書を頂きました。

早速読ませていただいたのですが、乳がんが診断された

ときに読むと、非常にこころが落ち着く本なのではないかと感銘を受けました。

当院に来院された患者さんには、早速お勧めすることにします。

もちろん、このBLOGをお読みになっているあなたにも、お勧めです。


それ以外には、九州大学のT先生から“子供が寝てから読んでます”

とか(汗)、某メディカルオンコロジストの先生から“最近ブログ

更新してないねえ。”とか言われたので(滝汗)、意外と読んでる人が

多いんだなあと気合を入れ直されたのでした。

ちょっと準備していたものがあるので、がんばって再開します。
by aiharatomohiko | 2007-07-01 23:01 | 日常

市民フォーラム開催のお知らせ-第一報-


第1回市民フォーラムが、あけぼの会主催で8/4に開催されることに

なりました。

場所は、阪急箕面駅前の箕面文化交流センターです。

会長のワットさんがわざわざお出でくださる予定になっています。

参加応募の連絡先はまだ決定していませんが、決まり次第アップします。

奮ってご参加下さい。


市民フォーラム開催のお知らせ-第一報-_f0123083_12543862.jpg

by aiharatomohiko | 2007-07-01 21:26 | お知らせ