aTTom試験 もう一つのタモキシフェン10年 vs 5年 |
先日参加させて頂いた会の中で、ASCOで発表されたタモキシフェン 10年と5年を比較したaTTom試験の中間解析結果のデータを 手に入れることが出来ました。 aTTomはATLASとペアで行われた試験で、今回の解析は8000名 あまりの登録のうち7000名ほどのデータを解析した結果です。 残念ながら再発抑制効果はATLASほどではなく、服薬コンプライアンスが タモキシフェン10年で80%とかなり良いにもかかわらず、 乳がんの再発が10年投与群で5年終了群と比較して5%ほど しか減っておらず、有意差もありませんでした。 安全性については、子宮体がんの発症は2倍ほどになっていました。 ただ、他の二次がんが10年投与群で少なくなっており、二次がん全体では、 どちらの群もほぼ同じという、ちょっと理由がわからないような結果 でした。子宮体がん以外の二次がんのデータはATLASでは発表されて いなかったようですので、理由は不明です。 今まで報告のあった10年 vs 5年の結果をメタ解析した結果の テーブルも見ることが出来、5年と比較して10年で再発のハザード比が 10%ほどの改善と言う事でしたが、追加で5年服用しようという気が 起こるほどのデータではないように感じました。 タモキシフェン5年終了後で再発リスクが高い人に対しては、閉経後の方 にはやはりアロマターゼ阻害薬をお勧めし、閉経前の人には以上の事を ご説明した後に、続けるかどうするか検討することになると思います。 ATLASのデータを見たときには、ちょっと元気が出たものでしたが、 このデータではタモキシフェンの10年をお勧めするのはしんどい 感じです。 ただ、どちらも最終解析結果ではないので、もうしばらくデータが成熟 するのを待つ必要はあります。 |
by aiharatomohiko
| 2008-07-07 22:15
| 論文
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