乳癌学会近畿地方会 |
昨日乳癌学会の近畿地方会が、大阪大学の野口先生が会長をされ 行われました。当日化学療法のセッションでの座長とスポンサードシンポ ジウムでのスピーカーとしての役回りがありました。 座長をしたセッションでは、目にした事がないような症例報告などがあり、 かなり勉強になりました。 スポンサードシンポジウムでは、アロマターゼ阻害薬の術後療法での 位置づけについて発表しました。 私が言いたかったことは、”アロマターゼ阻害薬はタモキシフェンよりも 有効性が高いことは確かで、第一選択薬である。ただし、再発リスクの低い 人に対しては両者の差はきわめて小さくなるため、患者の併存症 (特に骨粗鬆症の有無)によって使い分けることが重要である。” また、”非乳がん死亡がアロマターゼ阻害薬で高くなる恐れがあるため、 今後データを注視しなければならない”ということでした。 他の先生のやり取りを聞くと、あまり骨塩量を測ることもなく、アロマターゼ 阻害薬を処方することが多いようだったので、やや残念でした。 ”アロマターゼ阻害薬で骨折が多いという実感が無い”という意見もあった ようでしたが、そりゃそうでしょう。わずか3%ほどの差を実感できるはずが ありません。 それなのに、アロマターゼ阻害薬とタモキシフェンの3%に満たないDFS の差が実感できるのであれば、それは製薬会社の刷り込みでしょう。 (ため息)
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by aiharatomohiko
| 2007-12-02 21:22
| 日常
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