E1199試験からの考察 |
AC-PTXにDFSで勝ったレジメを挙げましょう。 AC-wPTX, AC-DTX, Dose dense AC-PTX, Canadian CEF (or FEC120) これらのなかで、どのレジメを選択するかというのは、人により異なる とは思いますが、私が日常診療で使用したいと考えるレジメは、 AC-wPTXです。 その理由を以下に挙げます。 ・Canadian CEF:最も強力かもしれないが、最も使いづらいレジメでもある。 その理由は、観察期間2.5年で、急性白血病/MDSを0.7%に認めたこと、 抗生剤予防投与でも発熱性好中球の頻度が約1/4、遅発性心毒性の恐れ などです。観察期間が短いため、最終的にどの程度DFSが改善されるのか を知ることができるのはまだ先ということもあります。 ・Dose dense AC-PTX:G-CSFとエリスロポイエチンを投与しておけば、 早く終わるし副作用も少なく良いのかもしれないが、治療費がバカ高くなるし 日本では現実的でない。効果もAC-wPTXを大きく上回るとは考えがたい。 ・AC-DTX:DTXのdoseが100mg/m2であることが使いづらい最大の 理由です。まず、100mg/m2を使用したことがないし、承認用量よりかなり多い。 発熱性好中球の頻度が約1/6、浮腫のコントロールがやっかい、 といったところでしょうか。 ただ、TACレジメではDTXのdoseが75mg/m2であることから、 75mg/m2でも効果があることが推測されます。 wPTXが使用できないときには、75mg/m2でこのレジメを使用します。 次点ですね。 AC-wPTX:末梢神経障害のリスクはやや高くなるものの、他の副作用 は軽いため、正直使い易い上に効果も高い。コストが高くなり来院回数が 多くなるのはデメリットではありますが、バランスの良いレジメと考えます。 アップデートされたE1199の結果をみて、Canadian CEFを使用する 必要がなくなったので、正直ホッとしています。 さて、皆様のチョイスはどうでしょうか? |
by aiharatomohiko
| 2007-07-04 22:21
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