術後療法としてのパージェタの追加効果 |
術後療法としてのパージェタの追加効果について、予定されたOSの三回目の検定結果が追跡期間の中央値8.4年時点でおこなわれ、その結果が論文として発表された(Journal ofClinical Oncology Volume 42, Number 31)。
・8年OSは、ペルツズマブ群で92.7%、プラセボ群で92.0%(ハザード比、0.83[95%CI、0.68~1.02];P = 0.078)と有意水準には届かなかった。
・リンパ節転移陽性コホートでは0.80[95%CI 0.63~1.00]と良い傾向にあり、8年iDFSは、4.9%の改善効果を認めた(86.1% vs 81.2%;HR、0.72[95%CI、0.60~0.87])。一方で、リンパ節転移陰性コホートではOSは0.99[95%CI 0.64~1.55]と追加効果は乏しかった。iDFSでも同様の結果。
・iDFSの改善はホルモン受容体陽性と陰性で変わらず認められた。
少なくともpN0でパージェタの追加効果は乏しいようです。 HER2陽性は術前化学療法がなされるケースが多く、cN0の方がpN0かどうかを手術前に知ることは不可能です。pN0の1-2割がpN陽性とすれば、ほとんどのケースでパージェタの投与は過剰医療となります。医療費の増加は膨大ですが、重篤な副作用が増えるわけではないこと、pCRが得られなかったときにTDM1への変更により生存率の改善が期待できる、というところがポイントになるかと思います。 |
by aiharatomohiko
| 2024-11-04 10:23
| 医療
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