乳がん治療にプラチナは出番なしか |
トリプルネガティブ乳がんの術前化学療法後に1cm以上の残存腫瘍があった症例を対象として、プラチナ製剤の3週毎4サイクルとカペシタビンの3週毎6サイクルを比較したEA1131試験の結果が発表されました。J Clin Oncol. 2021 Aug 10;39(23):2539-2551. 結果は以下の通りで、プラチナがカペシタビンを上回る可能性がなく、副作用も強いことから、試験が早期に中止になりました。 After median follow-up of 20 months and 120iDFS events (61% of full information) in the 308 (78%) patients with basalsubtype TNBC, the 3-year iDFS for platinum was 42% (95% CI, 30 to 53) versus49% (95% CI, 39 to 59) for capecitabine.
この他に、 ・TNBCの転移乳がんの一次治療で、カルボプラチンはドセタキセルに対する優越性を示せていない。 ・TNBCの術前化学療法のpCRの割合で、シスプラチンはパクリタキセルを上回れなかった。
という事から、現時点では乳がん治療でプラチナが有用であると思われるシチュエーションは見当たらないといえそうです。 |
by aiharatomohiko
| 2021-09-11 22:19
| 論文
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