RxPonder試験 リンパ節転移陽性へのオンコタイプの利用 |
腋窩リンパ節転移陽性のER陽性、HER2陰性乳がんのうち85%はオンコタイプでRS0-25であるという。そのうち、リンパ節転移が1-3個の人を対象として、ホルモン治療 VS ホルモン治療+ケモを比較したRxPonder試験の結果が、SABCS2020で報告されている。
論文化がまだなのでfigureは上げられないが、結果は以下の通り。
・閉経後の患者さんでは、化学療法の上乗せ効果はなかったので、化学療法を省略する目的でオンコタイプは有用。
・閉経前の患者さんでは、化学療法の上乗せ効果を認めた。つまり、リンパ節転移陽性の場合、閉経前の患者さんではRSの値によらず化学療法の上乗せ効果がある(IDFSを40-50%減少させる)ことから、この対象にRSは化学療法を省略する目的での、効果予測因子としての意義がないという結果だった(標準治療が化学療法ありのため)。
ただ、5年IDFSがホルモン治療で89.0%、化学療法上乗せで94.2%と絶対値で見て5%の違いだったため、その程度の違いならば化学療法は受けたくないという人もいるだろうから、この対象にオンコタイプの意義が全く無いとは言えないかもしれない。すなわち、オンコタイプは予後因子として利用する意義はあるのではないか。(ちなみに化学療法による遠隔転移の改善は5年で2.9%。)
というのは、GnRHアナログを追加することで、2%ほどIDFSの改善が得られるかもしれない。また、GnRHとアロマターゼ阻害薬の併用では、3.5%ほどの改善が期待でき、化学療法との差がかなり小さくなるが、さて、患者さんへの説明と治療法の選択が難しくなりそうだ。 |
by aiharatomohiko
| 2021-05-06 00:29
| 学会
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