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by aiharatomohiko
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n0高リスクに対する、術後ハーセプチン投与期間短縮の妥当性

術後治療におけるtrastuzumabの投与は、1年に対して2年の優越性が検証されなかったため、1年投与が標準とされる。短縮期間投与の有用性を検討するために、標準治療である1年投与と短縮期間投与を比較したランダム化比較試験が複数行われた。結果が公表されたものは、いずれも有効性(再発)を主要評価項目とした非劣性試験である。非劣性試験とは、ランダム化比較試験によって試験治療が標準治療と比べて臨床的に劣らないことを検証しようとする臨床試験である。試験で得られた結果の信頼区間の上限が予め設定した値(非劣性マージンという)を下回ることで非劣性を検証するという方法論は確立されているものの、非劣性マージンの値をどれくらいに設定するべきか、非劣性が検証されなかった場合にどのように結果を解釈すべきか、という課題がある。

結果が報告されたtrastuzumabの短縮投与の期間は9週と6月であり、先に述べたように一つの試験のみで非劣性が検証され、残りすべてで非劣性は検証されなかった。しかしながら、短縮期間投与で心血管系の毒性は改善されたため、副作用の観点では短縮期間投与の利益は明らかである。加えて、患者さんの通院や経済的な負担からも短縮期間投与の利益は明らかである。そのため、投与期間の短縮によりどの程度再発率が増悪する恐れがあるのか、そしてそれは臨床的に受け入れられるのか、を検討する必要がある。

各々の臨床試験の結果から短縮期間投与の治療効果を推定し、その結果をn0 高リスクに当てはめることで、1年投与と短縮期間投与の治療効果の絶対的な違いがどの程度かを推定することで、n0 高リスクのHER2陽性乳癌の術後治療でtrastuzumabの短縮期間投与の妥当性を考えてみた。


by aiharatomohiko | 2020-04-12 15:24
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