予防的乳房切除のメリット |
BRCA1/2陽性の健常者の方が予防的乳房切除を受けることによるメリットを検討したオランダのコホート研究からの報告です。Breast Cancer Research and Treatment (2019) 177:723–733 10.3 年のフォローアップ期間に,722 / 1712名のBRCA1 (42%)、 406 /1145名のBRCA2 (35%) 変異を持った方が両側乳房予防切除を受けました。 手術を受けた方により健康状態が良好な方が含まれていた可能性はあるようですが、多変量解析を行うと、BRCA1変異を持った方で全死亡が40%(95%信頼区間20%-80%)、乳癌関連死亡が6%(同1%-46%)に減っていた。BRCA2変異を持った方では、全死亡が45%(同15%-136%)、乳癌関連死亡NA(0であったために推定できず?) との結果でした。 BRCA2変異陽性の方はBRCA1変異陽性の方よりも予後の良い乳がんの発症が多い可能性があるために、統計学的に有意といえない結果でしたが、点推定値からは生存率を改善する可能性が十分ありそうに思えます。今までは検討されていなかった(らしい)、予防的卵巣切除の有無を多変量解析のモデルに組み込んだデータですので、変異のある方へ予防的乳房手術を勧めるための基礎となるデータとなりそうです。 |
by aiharatomohiko
| 2020-02-01 23:00
| 論文
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