ASCO2016 TCの実力は、、、 |
TC4サイクルがAC4サイクルと比較して、5年で33%、7年で26%再発リスクを減少させるという、個人的にはにわかには信じがたいほどにTCの治療効果が高かったのですが、それではTCを世界最強レジメのTACと比較してやろうじゃないかという統合解析の結果が報告されました。 注意点としては、TCは6サイクル。TAC群も6サイクル。一つの試験でAC f/bタキサンを許容していますが少数の模様です。症例数は4000例ですが、うちn0が1600例以上含まれています。主要評価項目はinvasive DFSです。中間解析でfutility解析が行われ、ハザード比上限の1.18を超えたため報告に至ったようです。TCのTACに対する4年IDFSのハザード比は1.23(95%信頼区間 1.01-1.50 p=0.04)と、TACに有意に劣っているという結果でした。ただ、ハザード比だけを見ると、TC6はAC4よりも良さそうな結果ではありますな。うーん。 サブセット解析では、ER-ではn0,n1-3,n>3のいずれでもほぼ同様なハザード比を示す(ただし、絶対値ではこの順に治療効果が大きくなる)ものの、ER+ではn0,n1-3ではTCもTACもほぼ変わらず、n>3で効果の差が大きくなるという結果で、実臨床での使い分けに際してヒントになりそうな結果でした。 さて、個人的に注目していたのはTCの急性白血病の発生率です。TACでは5/2000例に対して、TCでは0/2000例でした。TCがACと治療効果が同等以上で、致命的な副作用が低いのであれば、4サイクルレジメで行う人には、ACをやめてTCにするのが是でしょうか。それにしても、いまだにFEC100 6サイクルを使っている人がいるようですが何故か、NSABP B-36の結果がパブリッシュされていないようなのは何故か、など術後化学療法では蛇足な疑問もつきません。 |
by aiharatomohiko
| 2016-07-02 00:22
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