サンアントニオ2008 ネラチニブ、真打登場か? |
ネラチニブは、HRE-1,2 ,4の細胞質内のチロシンリン酸化領域に共有結合 し、自己リン酸化を妨げることで、下流の細胞増殖パスウェイをブロックする 経口の分子標的治療薬だそうです。 HER2 FISH陽性の転移・進行乳がんが対象の、16週の無増悪期間を 一次評価項目とした単剤の第II相試験の結果が発表されました。 ハーセプチン既使用群(n=61)の奏効率が26%、ハーセプチン未使用群 (n=66)の奏効率はなんと56%でclinical benefit rateが88%と、とてつも ない数字でした。 無増悪期間の中央値もそれぞれ23週と40週と、驚くほど良好な結果でした。 無増悪期間が40週というのは、ホルモン感受性転移性乳がんに対する レトロゾールのそれと同じなので、どれだけすごいかがよく分かると思います。 ちなみに、ハーセプチンとラパチニブの一次療法での奏効率が25-35%くらい、 無増悪期間が16-20週くらいというところを考えると、段違いの効果です。 副作用は消化器症状、特に下痢が中心ですが、十分に対応可能と思われ ました。 PIIの結果しかないので時期尚早なのは百も承知ですが、思いもよらない 副作用が出ない限りハーセプチンとラパチニブは近い将来ネラチニブに 置き換わるのではないか、そう思わせるような結果でした。 |
by aiharatomohiko
| 2009-02-11 23:09
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