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by aiharatomohiko
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ASCO2016の個人的な目玉:EBCTCG

ホルモン受容体陽性乳がんは、ホルモン受容体陰性乳がんと比較して晩期再発を起こす危険性が高いとされ、5年を超えるホルモン治療の有用性が報告されているため、どのようなケースで晩期再発が起きやすいのかを知ることが重要である。この目的で遺伝子発現プロファイルの有用性が報告されているものの、コストや実用性の点から実臨床で応用されるには至っていない。

EBCTCGでは、4.6万人を超えるホルモン治療を5年行った後に無病かつ生存しているER陽性乳がんについて、予後因子を調べた。

評価項目は、遠隔、局所、対側乳がんを含めた全乳がんイベント(非乳がん死亡は除く)と遠隔再発(局所と対側乳がんは除く)

重要な知見として、5年のホルモン治療後でも再発リスクは術後20年まで着実に上昇しており、T1N0でも5-20年の絶対再発リスクは顕著であることが分かったこととしている。

ステージが高くなるにつれて、再発のリスクが上がる。
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Grade3はgrade1より再発の危険性が倍くらい高い。
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gradeやKi67が低ければ、高い場合と比較して再発リスクが30%ほど減る。意外にも、PRが遠隔期に予後因子とならなかった。
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40才未満で予後が悪い。
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例えば、再発リスクが20%あるとして、LET5年で再発が半分になるとしたら、絶対値で10%のゲインとなる。これを基準に10年のホルモン治療を行うとすると、閉経後乳癌ならば対象はT1N0ならばgrade3、T2N0とT1N1-3ならばgrade2かgrade3となる。もしくは、T1N0のgrade1と2、T2N0とT1N1-3のgrade1を除く全症例が対象と考えてよい。
閉経前はTAMの治療効果がこれより落ちるので、T2N1-3以上が対象となるか。いずれにせよ、患者さんに十分この辺りを理解して頂く事が前提になります。
by aiharatomohiko | 2016-09-11 23:33 | 学会

ASCO2016 TCの実力は、、、

TC4サイクルがAC4サイクルと比較して、5年で33%、7年で26%再発リスクを減少させるという、個人的にはにわかには信じがたいほどにTCの治療効果が高かったのですが、それではTCを世界最強レジメのTACと比較してやろうじゃないかという統合解析の結果が報告されました。

注意点としては、TCは6サイクル。TAC群も6サイクル。一つの試験でAC f/bタキサンを許容していますが少数の模様です。症例数は4000例ですが、うちn0が1600例以上含まれています。主要評価項目はinvasive DFSです。中間解析でfutility解析が行われ、ハザード比上限の1.18を超えたため報告に至ったようです。TCのTACに対する4年IDFSのハザード比は1.23(95%信頼区間 1.01-1.50 p=0.04)と、TACに有意に劣っているという結果でした。ただ、ハザード比だけを見ると、TC6はAC4よりも良さそうな結果ではありますな。うーん。

サブセット解析では、ER-ではn0,n1-3,n>3のいずれでもほぼ同様なハザード比を示す(ただし、絶対値ではこの順に治療効果が大きくなる)ものの、ER+ではn0,n1-3ではTCもTACもほぼ変わらず、n>3で効果の差が大きくなるという結果で、実臨床での使い分けに際してヒントになりそうな結果でした。

さて、個人的に注目していたのはTCの急性白血病の発生率です。TACでは5/2000例に対して、TCでは0/2000例でした。TCがACと治療効果が同等以上で、致命的な副作用が低いのであれば、4サイクルレジメで行う人には、ACをやめてTCにするのが是でしょうか。それにしても、いまだにFEC100 6サイクルを使っている人がいるようですが何故か、NSABP B-36の結果がパブリッシュされていないようなのは何故か、など術後化学療法では蛇足な疑問もつきません。
by aiharatomohiko | 2016-07-02 00:22 | 学会

ASCO2016 対象症例の設定を誤ったMA17.R試験

 4.5〜6年間のレトロゾールによる術後治療を受けたホルモン受容体陽性閉経後早期乳がん患者1,918例を、LET群もしくはプラセボ群に割り付けたランダム化比較試験の結果が報告された。うち約60%が化学療法を受けていた。T1が55%、N0が45%程度と必ずしもごくごく早期のケースが入っていたという訳ではないようだ。また、70%程度が4.5年以上タモキシフェンの治療をLETの前に受けており、都合15年という長い治療を受けていた。

 結果は、主要評価項目の5年DFSはLET群95%、プラセボ群91%(HR=0.66、p=0.01)であり、LET群で34%の再発リスク低下が認められた。二次評価項目のOSは差が無かった。

さて、再発における34%のリスク低下は治療効果として大きいのだが、全イベント数はLET群67例、プラセボ群98例であったものの、対側乳癌はLET群13例、プラセボ群31例とこれに引っ張られているところが大きく、遠隔転移ではLET群42例、プラセボ群53例と大雑把にいって約20%のリスク低下に留まっている。一群1000例で10例の遠隔転移抑制なので、100例治療して1例(1%)の遠隔転移減少効果というのは、骨折が14%vs9%と5%のロスと比べると、そう大きなものとは言えないだろう。

 もっと治療効果の絶対値が大きくなるような対象、例えばn+症例に限って試験を行っていれば、リスク/ベネフィット比が大きなものになったと思われるが、この試験の結果を持って積極的にAIを10年投与しようという人は多くはないのではないか。個人の再発リスク判定が重要なのは言うまでもないが、病理学的因子が5年のホルモン治療後に予後因子となることがEBCTCGにより発表されているので、遺伝子プロファイルではなく、それを参考にすれば良いと思う。個人的には、Tが大きく腋窩リンパ節転移個数が多い方は10年AIもしくは15年ホルモン治療の対象になると考えるが、ホルモン陽性乳がんの方全員にデノスマブを投与してまでもAIを長期間継続したいとは思わない。
by aiharatomohiko | 2016-06-28 23:03 | 学会

ASCO2015:DCISでANAはTAMより良いものの。 

乳房温存術後の薬物療法としてTAM5yとANA5yをダブルブラインド・ダブルダミーで比較したNSABP B-35(n=3000、観察期間中央値9年)の結果が報告された。

DCISは遠隔転移がほとんどないので、局所再発と対側乳がんの発症を抑えることが薬物療法の主な目的になると思われる。この試験では、エンドポイントが局所再発・領域再発・遠隔再発・対側乳がん発症を合算した複合エンドポイント(breast cancer free intervalと称す)が採用されている。

カプランマイヤーをみると、96か月くらいまでは両者変わらないのだが、120か月でガクッと開き、絶対値で93.5%vs89.2%ハザードは0.73(p=0.03)であった。ちなみに120か月でのアトリスクは18%と少ない中での結果である。観察期間中央値が108か月ということだから、もう1-2年くらい辛抱すればもっと精度が高く治療効果が推定できるのではないかと思うけれども、時間も大事ということでしょう。

イベント数はTAM 114 vs ANA 84であった。エンドポイントごとのイベント数は全ては明記されていないが、同側乳房再発は TAM 53 vs ANA 43(HR0.80)、対側乳房再発は TAM 55 vs ANA 37(HR0.67)であった。これらを合算するとTAM 108 vs ANA 80なので、遠隔再発と領域再発はTAM 6 vs ANA 4ということになります。

重篤な副作用は、子宮内膜がんのイベント数がTAM 17 vs ANA 8、骨折がTAM 50 vs ANA 69、血栓症がTAM 41 vs ANA 13であった。

ちなみにOSはTAM 92.1% vs ANA 92.5%とNSであったので、害の部分を含めても真のエンドポイントにおいて両者あまり差が無いとは言える。

60才で分けた時に、年齢と治療効果に質的交互作用があったことが示唆されている(p=0.04)。60才で乳がんやホストに生物学的な変化が起こるのでないだろうから、これを説明する仮説とそれを裏付けるデータが取れているのかが気になる。そうでなければ偶然か。

さて、無治療と比較するとどうなるだろうか。
同側乳房再発の危険性と対側乳房再発の危険性をいずれも年率0.5%と仮定した場合には10年で、
無治療 5% 5%
TAM 3.5% 2.5%(無治療と4%の差 NNT25)
ANA 2.8% 1.7% (無治療と5.5%の差 NNT18)
実際に観察された差よりもかなり小さくなるが、そもそもアトリスクが少なくなる120か月付近で差が大きく開いている事を考えると、この推定もあながち的外れでもないように思える。

実臨床ではどうすべきか。血栓症が気になる欧米人にはANA、骨粗鬆症が気になる日本人にはTAMということになるかもしれないが、治療効果と害のバランスを考えるとDCIS温存術後には無治療という選択肢が、個人的には変わらず一番のお勧めではあります。
by aiharatomohiko | 2015-06-28 10:32 | 学会

ASCO2015 palbociclibはeverolimusよりいい薬っぽい


最近は学会に行かずしてすぐに情報を頂くことが出来るので、わざわざ海外まで足を運ぶだけのモチベーションを保つのが難しいくらいですね。ただ、留守番組には僥倖です。

さて、内分泌感受性転移乳がんの一次療法において、オープンラベルのランダム化PIIでレトロゾールにパルボシクリブ(CDK4/6阻害薬)を併用することで、PFSが2倍に延長したことがPALOMA-1試験で報告されています。同様のセッティングにおいてブラインド下で行われているランダム化PIII試験PALOMA-2試験の結果はまだ出ていないようですが、二次治療以降でフェソロデックスにパルボシクリブを追加することの有用性をブラインド下で検討したPALOMA-3試験(n=521 ランダム化は2:1)の結果が、ASCOの発表と同時にNEJMに掲載されています。

 この試験は、中間解析の結果でHR0.42とPFSが2倍以上に延長したので早期中止になっています。中間解析ではイベント数が少ないためにランダム・ハイ効果により治療効果が過大に見積もられる恐れがあることが知られています。以前はそんなことなんて知ったことかとばかりにこの時点でキーオープンしてクロスオーバーを許容するという暴挙が繰り広げられていたのですが、さすがにFDAが厳しくなったからかこの試験ではOSの改善をみるためにブラインド化が継続されているようです。ただ、早期中止になったけどダブルブラインドが維持されているというのは、どういう状態かすぐにはピンときません。また誰かに聞いてみます。

QLQ-C30 ではGlobalQOLとemotional functioningでパルボシクリブ群が有意に良好だったようです。 

サブグループ解析では有意な交互作用は認めなかったのですが、個人的にはDFI<24か月という予後の悪いケースで効果が低そう(n=65と少数ですが、交互作用のp=0.15)に見えたので、他の試験で再現性があるのか注目したいところです。

なお、死亡のイベントは 5.5% in the palbociclib–fulvestrant group and 5.2% in the placebo– fulvestrant groupと何やらあやしい雰囲気が漂っています。実際に、PALOMA-1試験では、OSのカプランマイヤー曲線はあんまり離れておらず(図)、HRが0.8程度だとするとこの症例数ではeverolimusの二の舞になる恐れも否定できないですね。しかしながら、その場合でもPALOMA-1から3までをメタ解析すれば何とかなるでしょうから、強引にOSでの有意差あり(と言っていいのかどうかわかりませんが)に持ち込めるような気もします。

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さて、パルボシクリブがeverolimusに比べていいところは副作用が軽い(発熱を伴わない好中球減少症)ところで、医療費を度外視すれば使いやすい薬なのかもしれませんが、30%程で減量されているところをみると、それなりの注意は必要ということでしょう。また、パルボシクリブを併用してホルモン治療を引っ張ることでQOLが維持できることが患者さんにとってのメリットであるという観点からすれば、単独でもホルモン療法の効果が期待できる一次治療でいきなり使うというよりは、二次治療以降での出番になるのでしょうか。

最後に、患者さんのためにもOSの差が出なかったのは早期中止が原因だ!本当は差があるのだ!みたいな話にならないことを祈ります。。。
by aiharatomohiko | 2015-06-20 22:41 | 学会

ASCO2014 閉経前でもアロマターゼ阻害薬は有用

参加せずともFBなどで新鮮な情報をどんどん得ることが出来ているのはすごいことだなと思っています。さて、今年のプレナリーでは、閉経前ホルモン受容体乳がんの術後療法での有用性を示すデータが発表され、直ちにNEJMにオンラインで掲載されました。DOI: 10.1056/NEJMoa1404037

まず対象を見てみましょう。TEXTSOFT試験の統合解析です。

TEXT was designed to evaluate 5 years oftherapy consisting of exemestane plus the gonadotropinreleasing-hormone (GnRH)agonist triptorelin versus tamoxifen plus triptorelin in women who receivedovarian-suppression therapy from the start of adjuvant therapy.

SOFT was designed to evaluate 5 years ofexemestane plus ovarian suppression versus tamoxifen plus ovarian suppression versus tamoxifen alone in women who remained premenopausal after the completion ofadjuvant or neoadjuvant chemotherapy or inwomen for whom adjuvant tamoxifen alone wassuitable treatment.

と、二つの試験で対象が異なっていることに留意は必要かもしれません。この二つの試験を統合して、LHRH+EXELHRH+TAMが今回比較されました。TAM単独群は今回の検討から外れています。

統計学的解析に関してです。

プライマリーエンドポイントはDFS

436 DFSイベントがあれば、両側アルファ0.05ならびに84%の検出力で、ハザード比0.75の差を検出可能ということでした。 OSにはアルファが割り当てられていないことがわかります。また、これが本解析であり、中間解析は予定されておらず、従って行われなかったとのことです。

結果です。

追跡期間中央値 68月でEXEの5年DFS 91.1%TAMの5年DFS 87.3% (hazard ratio 0.72; 95% CI, 0.60 to 0.85; P<0.001)と、閉経後乳がんのアロマターゼ阻害薬と比較すると高めの治療効果が報告されています。論文を読んだところでは、対側が9vs27、局所が9vs30HRの推定値はこれらに引っ張られているために少し良く見えているのかもしれません。閉経後乳癌のデータから考えると、個人的な感覚では、治療効果の推定値はHR0.8くらいではないかと思います。副作用は閉経後乳がんから類推できる範囲だったと記載されています。

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なぜ、ABCSG12試験ではDFSの差がなかったのに、この試験では差が検出されたのか、という事ですが、個人的にはABCSG12ではDFSの差がたまたま検出されなかった=βエラーではないかと思っています。その理由として、閉経後乳がんではすべからくアロマターゼ阻害薬の治療効果がDFSで上回っていたこと、STAGE試験でANA群の奏効率が高かったことを挙げたいと思います。

ところで、ASCO時点ではなぜかこんな良いデータにもかかわらず、LHRH+EXEはかなり控えめにオプション扱いに止められているようです。HR0.72ならば、オプションでなくて標準治療にすべきくらいの文句ない治療効果ではないでしょうか。Hudisもビデオで言っていましたが、TAMTAM+LHRHを上回る可能性がまずないので、アメリカの標準がTAM単独だからTAMと比較していないのでオプション扱いだというのはあまり意味がない議論に思えます。PFSとは異なって、DFSは真のエンドポイントになりますので(もちろんOSの方が重要でしょうけど)、OSで差がなかったことがこの時点で重要とは思えません。そんな事を言ってしまったら、閉経後乳がんでアロマターゼ阻害薬は標準治療といえないという結論になってしまいます。

私の考えるオプション扱いの理由は、ABCSG12試験でDFSでは差がなかったこと、何故かOSではLHRH+ANALHRH+TAMよりも悪い傾向にあった(46 vs 27 deaths; HR 1.75, 95% CI 1.08-2.83; p=0.02)こと、本試験でもOSLHRH+EXEでやや悪い傾向にある(102 vs 92 deaths; HR 1.14, 95% CI, 0.861.51; P=0.37)といったところが響いている、といったところでしょうか。OSはいずれの試験でも検出力不足ではありますが。本試験とABCSG12試験との大きな違いを挙げると、治療期間があちらは3年でこちらは5年というところでしょうか。使用しているアロマターゼ阻害薬の違いは、斟酌するような問題とは思えません。

疑問点:Prospectively planned subgroupanalyses did not reveal any striking heterogeneity of treatment effects (Fig.S1 in the Supplementary Appendix)と本文にはありますが、Fig S1をみると、HER2ではheterogeneityが明らかにあるのですね。HER2-ではHR0.63(0.52-0.76)HER2+ではHR 1.25(0.80-1.94) P<0.01。なぜ無視されたのかわかりません。

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それにしてもパテントが切れたこの薬、閉経前乳がんの保険適応の申請をしてくれるでしょうか。開発した会社のHPでの能書きは以下の通りなので、大丈夫だと思いますが。会社から文句が来そうだな。

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by aiharatomohiko | 2014-06-03 23:16 | 学会

ASCO2012 EMILIA試験その3

それでは、副作用はどうでしょうか。

Grade3以上の副作用は、57% vs 40.8%とT-DM1で少なかった。

嘔吐は29.3% vs 19.0%でT-DM1で少なかったのですが、

制吐剤の使用状況は詳細が分かりません。

他の毒性は、肝機能異常が約20%、血小板減少が28%(>G3 約13%)

とあります。血小板減少は気になりますね。

脱毛はあまりないという話ですが、この発表からは良く分かりません。

トラスツズマブから外れたDM1の毒性でもこれですから、全身投与

なんかはとても出来ないのがわかります。

全体としては、嘔気のコントロールをうまく行うことができれば、

比較的使用しやすい薬剤のように思えます。


さて、T-DM1は20年以上前から言われていたいわゆるミサイル療法です。

何だか懐かしいですね。ミサイル療法は、適切な細胞表面上のマーカー

が今までなかったため理論だけのものだったのですが、HER2タンパク

というがん特異的標的が得られたため、現実のものとなったわけです。

がん免疫療法でもよい標的になるはずですが、HER2タンパクの免疫原性

にも左右される訳ですから、そう簡単なものではないのかもしれません。

現状がどうなのか調べてみようと思います。


先に述べたように、T-DM1の治療効果に抗HER2効果がどの程度寄与して

いるか分かりませんので、ペルツズマブを追加する意義があるのかどうか

現時点ではわかりませんが、MARIANNE試験がこれを検証する為に

行われています。

ハ―セプテスト2+/FISH陰性のものに効果があるかどうかも気になる

ところです。


それにしても、アバスチンと違って治療効果の差が大きいので、

きれいな結果ですね。早々の認可が望まれます。
by aiharatomohiko | 2012-08-28 16:58 | 学会

ASCO2012 EMILIA試験その2

試験の結果は明快で、抗腫瘍効果並びに毒性でT-DM1が優れるという

ものでした。

トラスツズマブとタキサンで既治療例での標準治療はT-DM1に

なるのでしょう。


フォローアップの中央値は約12ヶ月。

Median dose intensityは、カペシタビン77.2%、ラパチニブ93.4%、

T-DM1は99.9%でした。

PFS(569イベント)は、6.4ヶ月 vs 9.6ヶ月 

層別化HR=0.650 (95% CI, 0.55, 0.77) P<0.0001で、T-DM1の勝ち。

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OS(223イベント)は、23.3ヶ月 vs 到達せず 

層別化HR=0.621 (95% CI, 0.48, 0.81) P=0.0005で、T-DM1の勝ち。

OSのEfficacy stopping boundaryが、P=0.0003 もしくは

HR=0.617に事前に設定されていたために、わずか数イベントの違い

とは思いますが、試験中止になりませんでした。

ただ、最終解析でもOSでT-DM1が優ることはまず間違いないでしょう。

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きれいな結果です。
by aiharatomohiko | 2012-08-27 18:52 | 学会

ASCO2012 EMILIA試験その1


トラスツズマブとタキサンで既治療のHER2陽性局所進行乳がんもしくは

転移乳がん980例を対象として、トラスツズマブにemtansineという

抗がん剤をリンカーでくっつけたT-DM1という抗体とラパチニブ・

カペシタビンの併用療法を比較したランダム化比較試験の結果が

ASCO2012で発表されました。


T-DM1は細胞表面のHER2タンパクと結合した後に細胞内に取り込まれ、

ライソゾームで分解された時にemtansineが放出されることによって、

微小管の多分子結合を阻害し、細胞死を引き起こします。

同様な対象でのPII試験の結果が二つあり、奏効率: 25.9% (N=112)と

34.5% (N=110)でした。

前治療なしの方を対象としたランダム化PII試験では、T-DM1 (n=67)群

のPFSの中央値がtrastuzumab + docetaxel (n=70)群よりも有意に

改善した14.2 vs. 9.2 months (HR=0.59; P=0.035)という有望な結果

が報告されています。


さて、本試験は、T-DM1(3.6 mg/kg q3w IV)とCapecitabine

1000 mg/m2 orally bid, days 1–14, q3w+Lapatinib 1250 mg/day

orally qdの1:1での比較試験です。

T-DM1の3.6 mg/kg q3w IVという量は、トラスツズマブの6mg/kgよりも

少ない量になります。トラスツズマブがこの量で抗腫瘍効果があるかどうかは

定かではありませんので、T-DM1の抗腫瘍効果に抗HER2効果がどの程度

寄与するのかは分かりません。
by aiharatomohiko | 2012-08-26 22:50 | 学会