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by aiharatomohiko
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SABCS2012 pCRは代用エンドポイントとして失格その2

CTNeoBCを更に続けます。


CTNeoBCでは、pCRがどの程度改善されたらEFSやOSがどの程度

改善されるのかについて、RCTをメタ解析することにより調べており、

具体的には、各試験で新規治療によって改善されたpCR率(説明変数)と

改善されたEFSやOSの程度(目的変数)との関係を統計学的に調べた

というところまでいきました。


うまく説明できるかどうかはわからないのですが、肝心のデータを

見てみましょう。


サブタイプ別に分けないで全症例で検討した場合には、pCRの改善と

予後の改善の関係は以下の通りでした。

EFS:R2=0.01

OS:R2=0.18 

ちょっと意訳になりますが、pCR の改善によってEFSが改善されて

いるということを説明できるのは、全体の1%でしかなく、OSでは18%

でしかなかったということです。

pCRの改善で予後の改善は説明できない=代用エンドポイントとしては失格
という訳です。


サブタイプ別に見ても同様です。

予後因子としての意義が低いHR+G1/2をのぞいても、

EFS R2=0.07

OS R2=0.21

と全く相関は見られず。


Triple negativeは予後因子としての意義は大きかったのですが、それでも、

EFS R2=0.01

OS R2=0.003

と全く相関は見られず。


Her2+ subgroupではかろうじて、

EFS R2=0.33

OS R2=0.03

とEFSのみ弱い相関が見られましたが、これはNOAH試験で新規治療群

のみにトラズツズマブが入っていたためで、これが無いと相関はもっと

弱まっていると思います。

ちなみにR2は相関係数Rの自乗なので、EFSの場合には0.5-0.6の間となり、

中等度か弱い相関という事になります。

(Rが±1に近くなると相関が強いという判断。)

OSに至っては、これも全く相関がなしです。


NSABP B27試験の結果をみて、pCRの改善をエンドポイントにした

臨床試験は意味ないよ、というようなことを2006年くらいから

個人的には言い続けてきた訳ですが、残念ながら現状も変わらないですね。


サブタイプ別にみてもその代用エンドポイントとしての意義が否定された

pCR。


まだ、これにこだわって臨床的意義の低い臨床試験を継続するのでしょうかね。

患者さんのためになりそうにないことは、ここらできっぱりと止めるべきだと

思います。
by aiharatomohiko | 2013-01-18 15:25 | 学会

SABCS2012 CTNeoBC pCRは代用エンドポイントとして失格

CTNeoBCを更に続けます。


今まではおまけのようなもので、ここからが本題なのですが、

内容がおかしいと思われた方は、統計学に詳しい先生に確認を取って

おかしければ連絡ください。


さて、何が本題にはいる前に、話が長くなりますが、しばらくお付き合い

下さい。


pCRが代用エンドポイントとして臨床試験で使用されるということは、

すなわち新規治療でpCRが改善されたら真のアウトカムである再発や

死亡が減りますよ、ということを前提としていることを意味します。


これが担保されていないのであれば、代用エンドポイント

として成り立たず、新規治療でpCRを改善することの意義がなくなります。


つまり、新規治療でpCRになる人が増えてよかったよかったということは、

その結果として再発や死亡が減るということが前提になっている訳で、

再発や死亡が減らなければpCRが増えても意味がないということなのです。


pCRが増えることがダイレクトに患者さんにとって意味があるというので

あれば、その根拠を示すことが必要です。


さて、CTNeoBCでは、pCRがどの程度改善されたらEFSやOSがどの程度

改善されるのかについて、RCTをメタ解析することにより調べています。

具体的には、各試験で新規治療によって改善されたpCR率(説明変数)と

改善されたEFSやOSの程度(目的変数)との関係を統計学的に調べた

ということです。


この方法が代用エンドポイントが真のエンドポンとをどの程度反映して

いるのかを調べる上で最も優れた方法なのではないかと思いますが、

RCTが複数(それもかなりたくさん)必要なので、そう簡単にはできない

手法であるといえます。
by aiharatomohiko | 2013-01-17 14:58 | 学会

SABCS2012 CTNeoBC サブタイプ別のpCRの意義

CTNeoBCを進めます。

サブタイプとNeoadjuvantによるpCRの関係は以下の通りで、

いままでわかっている知見を確認するものとなりました。

HR+(ホルモン受容体陽性) : Grade 1-2 7%, Grade 3 16%
HER2+ HR+ : No Tras18%, Yes Tras30%
HER2+ HR- : No Tras 31%, Yes Tras 50%
TRIPLE NEG: 34%


さて、HR+HER2-での、pCRの予後因子としての強さをグレード別に見た結果は、

全体:HR=0.49, P* < 0.001
G1/2:HR=0.63, P* = 0.07
G3:HR=0.27, P* < 0.001

と、G1/2では予後因子としてあまり強くないことが示されました。

GBGの解析では予後因子にならなかったという結果だったと思いますが、

今回は症例数が増えたために、弱い相関が検出できたのでしょう。


HER2+では、

全体:HR=0.39, P* < 0.001
HR+:HR=0.58, P* = 0.001
HR-:HR=0.25, P* < 0.001

と、本研究ではHR+でも相関がみられましたが、強い相関が

みられたのはやはりHR-でした。また、HRの状況によらず

トラスツズマブを使用した方がより予後因子としての意義は強い

という結果も報告されています。


Triple Negativeでは、HR=0.24, P* < 0.001と予後因子としては

強いという結果ですが、5年EFSが80%とpCRになっても治癒したと

いえるほどのデータではありません。CTNeoBCでは5年以上の追跡症例数が

まだ少ないために確実なことはいえませんが、5年を超しても再発が増えている

ことが気になりました。以前のデータでは5年を超したらあまり再発が

なかったように思えましたので。
by aiharatomohiko | 2013-01-16 14:54 | 学会

SABCS2012CTNeoBC pCRは予後因子としては良いものの

pCRの改善は予後の改善に結びつかないので、pCRをエンドポイント

にした意味のない術前化学療法のPII試験はいい加減やめるべきだと

いい続けてはや何年も経ちました。


この考え方を強力にサポートするメタ解析の結果が今回のサンアントニオで

発表されましたので、ご紹介します。


この発表は私的には今年一番の発表でした。


研究名は、”Meta-analysis Results from the Collaborative Trials in

Neoadjuvant Breast Cancer (CTNeoBC)”といいます。


術前化学療法で得られたpCRと臨床的に意義のあるアウトカムであるEFSやOS

との関係をNeoadjuvantのランダム化比較試験のメタ解析で検討した研究です。

12RCT の12993という大規模なデータです。

うちGBGが半分も占めるのですね。


TRIALS  Patients (n)
GBG/AGO: 7  6377
NSABP: 2  3171
EORTC/BIG: 1   1856
ITA: 2   1589
Total # patients   12993


pCRが予後因子になるかどうかですが、pCR=ypT0/is ypN0とした時に、

EFSがHR=0.48, P* < 0.001

OSがHR=0.36, P* < 0.001

といずれのアウトカムとも相関することが確認されました。


まあ、これはもともとn0がpCR 群に含まれてしまう、別の言い方をすると

n0は絶対にnonPCRには含まれない、つまりpCR群の方がステージが早い

ケースが多く含まれているに違いないので、当然といえば当然の結果ですかね。


さて、この種のデータを見ると、EFSよりもOSのハザード比がいつも小さく

なっている様に思います。


その理由を考察すると、例え再発してもpCRになった症例は化学療法が

良く効くために予後が良いと言うことなのかと思いますが、実際には

どうなのでしょうか。
by aiharatomohiko | 2013-01-15 14:00 | 学会

SABCS2012 LEAstudy

ホルモン受容体陽性の進行乳がんで内分泌療法としてレトロゾール

もしくはフルベストラント±ベバシズマブのランダム化比較試験。

n=380とOSを見るにはあまり大きな規模とは言えない試験である。

PFSは、13.8月vs18.4月、p=0.14とBEV群で良い傾向にあった。

OSは41月vs42か月で差はない。


進行再発乳がんでは、アバスチンは化学療法との併用に加えて

ホルモン療法併用でもアウト。

合計で5アウトか6アウトくらいかなあ。もう数えられん。


さすがに、アバスチン大好きの○○先生も、内分泌療法との併用では

使うとはいわないでしょうね。

浜松の先生はこれでも値段が安ければ使うというんだろうか?

まさかね。


今のところ、乳がん患者さんにはほとんどの場合にメリットのない

薬剤のお話でした。
by aiharatomohiko | 2013-01-14 13:54 | 学会

SABCS2012 その5

LET±選択的CDK4/6阻害薬のランダム化PII試験の結果が発表された。

ホルモン受容体陽性かつHER2陰性のn=165例が対象である。

奏効率が34%vs26%、PFSが 26.1月 vs 7.5か月と、この時点では

かなり有望な結果である。

主な副作用は、neutropenia,leukopenia, anemia, fatigueで、

マネージメントが難しそうなものは無さそう。日本でもPI試験が進められて

いるが、世界では今年PIIIが開始予定とのこと。

この手の薬剤は、内分泌治療単独の副作用があまり強くないだけに、効果の

増強と副作用の増悪のバランスをどう考えるかが、ポイント。


エベロリムスはOSが改善しそうではあるものの、副作用が強そうなので、

バランスをどう考えるかが難しい。
by aiharatomohiko | 2013-01-13 13:53 | 学会

SABCS2012その4

TEAMstudyの検体を使用して、 6 遺伝子の25変異を (PIK3CAx10, Akt1x1, KRASx5, HRASx3, NRASx2 &BRAFx4)検討した研究の発表。
Sequenom法というMultiplexPCRと98%~以上の一致率を示す方法で変異を調べた。
この一致率が十分であるのかどうか、ちょっと個人的に判断は難しい。

結果:PI3KAの遺伝子変異を1700/4500=40%に認めた。
ほとんど(35%)がE9かE20の変異であった。PgRの発現が高い方が、NG1>3,HER2->+で変異が多い傾向にあった。
PI3KAに変異のあったものの方が転移をきたす危険性が低かったが、多変量解析では独立した因子ではなかった。

以下遺伝子変異の見つかった割合。
AKT 13.2%
BRAF 0.2%
HRAS 0%
KRAS 0.4%
NRAS 0%

ほとんどの症例でRAS/RAFの変異を認めなかった。

この研究から分かったことは、ホルモン受容体陽性乳がんで、PI3KAの遺伝子変異を約40%と高頻度に認めたことと、変異のあった症例はPgR、核異型度、HER2といった予後因子と相関を認めたが、独立した因子ではなかったことです。

つまり、現時点では変異には臨床的な意義はありません。

今後、もし変異の有無がPIK3CA/mTORパスウェイにおける標的治療の効果予測因子として有用であれば、利用価値が出て来るのだと思います。
by aiharatomohiko | 2013-01-02 23:58 | 学会

SABCS2012 その3

Faslodex 500mg と250mgを比較したCONFIRM試験のOSの

アップデートの結果。n=736。

(PFS HR0.80。中央値で一か月の違いのみ。)

前回は全体の50%でイベントが起こった時にOSは0.84(NS)であった。

今回は、75%のイベントでの解析。解析の多重性は無視している。

HR0.81(95%CI 0.69-0.96)。中央値で4か月の改善があった。

500㎎を使用した方が良さそうな気がするデータではありました。
by aiharatomohiko | 2012-12-10 16:07 | 学会

SABCS2012 その2

TAM5yvs10yを比較したATLASの結果。8yのフォローアップ。

当初の5年間はTAMのcarryover効果により差を認めなかったが、

5年を過ぎたところから効果に差が表れた。DFSで4%、OSで3%。

5年でのコンプライアンスが60%、全体では80%くらいだったため、

実際の差はもっと大きいと思われ、10年のTAMは無治療と比べると

30%ほど乳癌死亡を減らすことができる。リンパ節転移陽性や腫瘍径

が大きいとか再発リスクの高いケースは、10年の治療を検討する

必要がある。
by aiharatomohiko | 2012-12-10 15:47 | 学会

SABCS2012 その1

S1-1BIG1-98でのILC(invasive lobular carcinoma)での

治療効果を検討した研究の発表。遺伝子発現プロファイルでは、

ILCの77%がルミナルAに分類される。切り替え群を含まない4922例

での解析。4922例中3200例が解析対象。324例がILCで、2599例が

IDC。

サブタイプは、Ki67 14%をカットオフとしてルミナルAとBを分類したところ、

IDCよりもILCでルミナルAの割合が高かった。DFS OS IPCWを

エンドポイントとして検討した。

LET群はTAM群と比較すると、IDCのHR0.8に対してILCではHR0.48

と差が大きくなっている。その理由は、LET群のILCのDFSはIDCと変わら

ないが、TAM群での予後が不良なためのように思われた。

ルミナルAでは、IDCでTAMとAIでDFSに差がなく、これらはILCのLET群

とDFSがほぼ同等であった一方、ILCではTAM群の予後が不良であった。

ルミナルBでは、IDCもILCもLETが良好。OSも同様の傾向であった。

この結果はその理由があまり明確ではなく、他の試験でも同様であるか

どうかの検討が望まれた。
by aiharatomohiko | 2012-12-09 15:45 | 学会