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by aiharatomohiko
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タグ:アロマターゼ阻害薬 ( 17 ) タグの人気記事

SABCS2016 AI長期投与の総括

AIが入った後の治療でAIを追加投与する試験は、TAMからAIに切り替える試験に比較すると、治療効果が高くないと思われるため、また差が出るのが遅れて出てくるため、精度よく差を検出するにはイベント数と観察期間が足りないと思われる。

再発リスクが高いケースに限っては、AI10年投与を考慮してよいと思われる。


by aiharatomohiko | 2016-12-12 14:20 | 学会

SABCS2016 NSABP B42

TAM/AIもしくはAI5yで無病だった閉経後ホルモン感受性乳がんをLET5yかプラセボにランダム化した試験。DFSがエンドポイントで、中間解析でアルファを消費したため、p=0.0418が有意水準での解析。 n=3923名。4割がn陽性。

60月フォローで631イベント時点で解析が行われ、HR0.85(0.73-0.999)p=0・048 NSであった。

累積遠隔転移は7年で5.8%と3.9%でHR0.72。7年で2%の差。

At risk の数を見ると、これから差が開いていく可能性が高いと思われ、精度高く治療効果を見るためには、やはり長期観察が必要。気になるのはOSのHRが1.15とLETの方に死亡数がやや多いこと。骨折はHR1.2とLETで多い。


by aiharatomohiko | 2016-12-12 14:18 | 学会

SABCS2016 IDEAL試験

閉経後ER陽性、5TAMAIによるホルモン治療後にレトロゾール(LET2.5y vs LET5yのランダム化比較試験。DFSがエンドポイントでn=1821の規模。スライドが手に入らなかったので、結果の解釈はややあやしい。

ランダム化時点からの5年DFSは、HR0.96(0.76-1.20)p=0.70と変わらず。2.5年後を起点にしたDFSは、HR0.88と、2.5年で十分という結論ではあるが、カプランマイヤーをみるとこれも5年以降から開き始めている印象あり。MA17では、LETを長く投与すればするほど治療効果が高いという研究結果もあったように記憶しているので、これもやはりこの時点で結論付けるのは時期尚早で、治療効果の推定にはもう暫くのフォローアップを待ちたい。


by aiharatomohiko | 2016-12-12 14:16 | 学会

ASCO2014 閉経前でもアロマターゼ阻害薬は有用

参加せずともFBなどで新鮮な情報をどんどん得ることが出来ているのはすごいことだなと思っています。さて、今年のプレナリーでは、閉経前ホルモン受容体乳がんの術後療法での有用性を示すデータが発表され、直ちにNEJMにオンラインで掲載されました。DOI: 10.1056/NEJMoa1404037

まず対象を見てみましょう。TEXTSOFT試験の統合解析です。

TEXT was designed to evaluate 5 years oftherapy consisting of exemestane plus the gonadotropinreleasing-hormone (GnRH)agonist triptorelin versus tamoxifen plus triptorelin in women who receivedovarian-suppression therapy from the start of adjuvant therapy.

SOFT was designed to evaluate 5 years ofexemestane plus ovarian suppression versus tamoxifen plus ovarian suppression versus tamoxifen alone in women who remained premenopausal after the completion ofadjuvant or neoadjuvant chemotherapy or inwomen for whom adjuvant tamoxifen alone wassuitable treatment.

と、二つの試験で対象が異なっていることに留意は必要かもしれません。この二つの試験を統合して、LHRH+EXELHRH+TAMが今回比較されました。TAM単独群は今回の検討から外れています。

統計学的解析に関してです。

プライマリーエンドポイントはDFS

436 DFSイベントがあれば、両側アルファ0.05ならびに84%の検出力で、ハザード比0.75の差を検出可能ということでした。 OSにはアルファが割り当てられていないことがわかります。また、これが本解析であり、中間解析は予定されておらず、従って行われなかったとのことです。

結果です。

追跡期間中央値 68月でEXEの5年DFS 91.1%TAMの5年DFS 87.3% (hazard ratio 0.72; 95% CI, 0.60 to 0.85; P<0.001)と、閉経後乳がんのアロマターゼ阻害薬と比較すると高めの治療効果が報告されています。論文を読んだところでは、対側が9vs27、局所が9vs30HRの推定値はこれらに引っ張られているために少し良く見えているのかもしれません。閉経後乳癌のデータから考えると、個人的な感覚では、治療効果の推定値はHR0.8くらいではないかと思います。副作用は閉経後乳がんから類推できる範囲だったと記載されています。

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なぜ、ABCSG12試験ではDFSの差がなかったのに、この試験では差が検出されたのか、という事ですが、個人的にはABCSG12ではDFSの差がたまたま検出されなかった=βエラーではないかと思っています。その理由として、閉経後乳がんではすべからくアロマターゼ阻害薬の治療効果がDFSで上回っていたこと、STAGE試験でANA群の奏効率が高かったことを挙げたいと思います。

ところで、ASCO時点ではなぜかこんな良いデータにもかかわらず、LHRH+EXEはかなり控えめにオプション扱いに止められているようです。HR0.72ならば、オプションでなくて標準治療にすべきくらいの文句ない治療効果ではないでしょうか。Hudisもビデオで言っていましたが、TAMTAM+LHRHを上回る可能性がまずないので、アメリカの標準がTAM単独だからTAMと比較していないのでオプション扱いだというのはあまり意味がない議論に思えます。PFSとは異なって、DFSは真のエンドポイントになりますので(もちろんOSの方が重要でしょうけど)、OSで差がなかったことがこの時点で重要とは思えません。そんな事を言ってしまったら、閉経後乳がんでアロマターゼ阻害薬は標準治療といえないという結論になってしまいます。

私の考えるオプション扱いの理由は、ABCSG12試験でDFSでは差がなかったこと、何故かOSではLHRH+ANALHRH+TAMよりも悪い傾向にあった(46 vs 27 deaths; HR 1.75, 95% CI 1.08-2.83; p=0.02)こと、本試験でもOSLHRH+EXEでやや悪い傾向にある(102 vs 92 deaths; HR 1.14, 95% CI, 0.861.51; P=0.37)といったところが響いている、といったところでしょうか。OSはいずれの試験でも検出力不足ではありますが。本試験とABCSG12試験との大きな違いを挙げると、治療期間があちらは3年でこちらは5年というところでしょうか。使用しているアロマターゼ阻害薬の違いは、斟酌するような問題とは思えません。

疑問点:Prospectively planned subgroupanalyses did not reveal any striking heterogeneity of treatment effects (Fig.S1 in the Supplementary Appendix)と本文にはありますが、Fig S1をみると、HER2ではheterogeneityが明らかにあるのですね。HER2-ではHR0.63(0.52-0.76)HER2+ではHR 1.25(0.80-1.94) P<0.01。なぜ無視されたのかわかりません。

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それにしてもパテントが切れたこの薬、閉経前乳がんの保険適応の申請をしてくれるでしょうか。開発した会社のHPでの能書きは以下の通りなので、大丈夫だと思いますが。会社から文句が来そうだな。

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by aiharatomohiko | 2014-06-03 23:16 | 学会

SABCS2013 アロマターゼ阻害薬の副作用


S3-02
アロマターゼ阻害薬使用前の患者報告による症状がAIの受容に影響を与えるのではないか
n=503
EXE or LETを開始後に24か月フォローし、CESD HADSA PSQI BCPTを調べた。
結果:31%が一年以内に毒性で治療を中止していた。ベースラインの症状として、不眠、疲労感、忘れやすさがAIの中止と相関していた(HR1.66-1.91)が、関節痛は相関していなかった。ベースラインで訴えがある症状の数が多いほど途中で中止する危険が高くなっていた。

S3-03
少なくとも6か月AIを服用してAIにより引き起こされた121名のホルモン受容体陽性閉経後乳がん患者の関節痛に対して、通常のケアとエクササイズ(週に2.5時間のモデレートエクササイズ)をランダム化して比較した。
年齢中央値65才
エクササイズ群は、フィジカルアクティビティーが改善し、3%体重が減った。
12か月でBrief pain scoreの改善が得られ、 worst pain scoreの改善も得られた。
by aiharatomohiko | 2013-12-22 23:04 | 学会

エキセメスタンの乳がん予防効果


ゲイルモデルにより五年間の乳癌発症リスクが1.66%以上の女性4560名

を対象として、エキセメスタン5年内服の乳癌発症予防効果をプラセボと

比較したランダム化比較試験の結果が発表されました。

結果は、エキセメスタンの5年内服はプラセボと比較して、浸潤がんを

65%減少させるという、一見SERMよりもよさそうなデータで、ASCO

での発表と同時にNEJMに掲載されました。


しかしながら、その研究の内容はいまひとつ感心できないものでした。

イベント数が少ないために95%信頼区間が広いこと、SERMとの直接

比較ではないために、効果・副作用ともに優劣がわからないことが

その理由です。

具体的には、追跡期間が35ヶ月と短いこともあり、イベント数がエキ

セメスタンとプラセボ群あわせてわずか43、エキセメスタンの浸潤がんの

ハザード比が0.35といっても、95%信頼区間は 0.18 - 0.70とかなり

広くなっています。

浸潤がんと非浸潤がんをあわせたハザード比は 0.47、95%信頼区間は

0.27 - 0.79とこちらも広いものでした。


これらのデータをNSABPのP1試験と比べてみましょう。

P1試験では、13000名以上の被験者を登録。浸潤がんのイベント数が

両群合わせて264で、タモキシフェンのプラセボとのハザード比が

0.51(95%信頼区間が 0.39-0.66)。非浸潤がんもハザード比が0.5

ですから、浸潤がんと非浸潤がんをあわせたハザード比はエキセメスタン

と変わらなくなります。


次に行われたSTAR試験では19000名以上の被験者を登録。浸潤がんの

イベント数がタモキシフェンとラロキシフェン両群合わせて330と、

十分なパワーを持っているといえるでしょう。


本試験は通常であればラロキシフェンとの比較試験となるべきだと考えます。

優越性を検証するとなると膨大な症例数が必要だとか、SERMの試験結果

から少ない症例数でプラセボに勝ちそうというのは研究者側や製薬会社の

論理で、現状これで良いとは個人的には思えません。


デザインもいま一つだし、パワーも十分といえないような研究結果が

NEJMに載るというのは、某先生の意見では製薬企業の力ではないかと

いうことですが、私には筆頭著者がハーバードの教授だからだとしか

思えませんでした。なんだかね。
by aiharatomohiko | 2011-07-11 00:39 | 論文

SABCS2010 エキセメスタンとアナストロゾールは同等


7576名のER陽性閉経後乳がんを対象として、術後内分泌療法における

エキセメスタン5年とアナストロゾール5年を比較したMA27試験の結果

が発表されました。 


EFSが一次エンドポイントで、ハザード比は1.02(95%信頼区間 

0.87-1.18、p=0.85)とほぼ同等でした。

n-でもn+でも同じような傾向だったということです。


結果の解釈としては、もともとエキセメスタンの優越性試験として

デザインされているので、エキセメスタンが優れているとはいえない、

というのが厳密な解釈になるのでしょうか。

95%信頼区間から考えると、エキセメスタンが13%優れているかも

しれないし、18%劣っているかもしれない(逆かもしれませんが)、

ということです。

もっとイベント数が増えれば信頼区間が狭まってくるのですが、

追跡調査には経費がかかるのと、現実的には追加解析をしても

エキセメスタンが勝つ可能性が低く、スポンサー企業がその資金を

出さない可能性があるので、追加解析がなされるかどうかは不明です。

その理由をマーケット的に考えます。

エキセメスタンはアメリカではタモキシフェンからの切り換えでない

単剤での術後療法としては認可されていないようです。

現状アナストロゾールのゾロが発売されたため、アナストロゾールに

勝たない限りは、もし認可されたとしても売れる可能性が低いという

わけです。同等性を証明しても企業としては意味ないわけですね。


望みがあるとすれば、今回の解析時点での骨折率は変わらないものの、

骨粗鬆症は4%ほどエキセメスタンが良かった(31%vs35%)など、

副作用のプロファイルがわずかながら異なるということでありますが、

実際にはいかがでしょうか?


厳密な統計学的解釈はさておいて、実臨床ではこれだけの規模の試験で

カプランマイヤー曲線がベタベタにくっついていることから考えると、

両者は同等であるという解釈で良いでしょう。


MA27のスライドが学会のHPにアップされていないのでこれ以上の

検討はできませんが、このこともスポンサー企業やゴスのやる気のなさを

現しているように思えます。
by aiharatomohiko | 2011-01-10 10:59 | 学会

N-SAS BC03が論文になりました


サンアントニオで結果の発表はしていたのですが、やっとN-SAS

BC03が論文になりました。Breast Cancer Res Treat. 2010 Jun;121(2):379-87.

研究の概要を以下に書きます。


海外で行われた複数の臨床試験の結果から、閉経後乳がんの術後療法

として、それまでの標準治療であったタモキシフェン単独投与と比較

してタモキシフェンからアロマターゼ阻害薬への切り換えが、

無病生存期間と無再発生存期間の両方またはいずれか一方を改善する

ことが報告されてきました。


安全性については、アロマターゼ阻害薬による治療は、タモキシフェン

に比べて子宮体がんを含む子宮内膜イベントや静脈血栓症の発現頻度が

少ない一方、関節痛や骨粗鬆症・骨折の発現が多いとされています。

欧米人と日本人では薬物代謝酵素の遺伝子多型が異なるため、その有効性

と副作用が異なる可能性が指摘されています。

しかしながら、我が国を含むアジア人において同種の大規模比較試験が

実施されたことはなく、日本人乳がん患者に対するアロマターゼ阻害薬

の効果と安全性について検討するために唯一行われていたのが、

本研究です。


 手術後再発予防の治療として、1-4年間タモキシフェンが投与

されたホルモン感受性閉経後乳がん患者を対象とし、

そのままタモキシフェンを継続する群とアロマターゼ阻害薬

(アナストロゾール)に切り換えて術後5年まで治療する群に

ランダムに割り付けされました。

2002年11月から2005年12月までの間に706名の国内の乳がん患者

さんの協力が得られ、71医療施設から登録がなされました。

うち割付治療が開始された696名を解析対象としました。


追跡期間42ヶ月(中央値)の解析結果で、無病生存期間(主要評価

項目)のハザード比は0.69(95%CI 0.42-1.14; p=0.14)、

無再発生存期間(副次的評価項目)のハザード比は0.54

(95%CI 0.29-1.02; p=0.06)と、アナストロゾールに切り換えた群が

再発を30%ほど減らすことが示唆され、日本人においてもアロマターゼ

阻害薬の有用性が確認されました。 


安全性については、欧米人と同様にホットフラッシュ(ほてり)

および膣分泌物の発現頻度はタモキシフェン群で、関節痛の頻度は

アナストロゾール群で統計学的に有意に高くみられました。

その一方欧米人での結果と異なり、アロマターゼ阻害薬の重篤な

副作用である骨折と、タモキシフェンの重篤な副作用である血栓症は、

日本人ではどちらの群でも同等と考えられました。

その理由は、おそらく日本人でもともと骨折や血栓症のベースライン

リスクが低いためであると考えられます。

欧米のデータのみを参考にして“タモキシフェンは血栓症のリスクが

上がるから、危険だ!”式の議論をするのではなく、日本人のデータも

きちんととることが重要である事がわかります。

一方、アロマターゼ阻害薬で心配される骨への影響が日本人では低い

可能性が示唆されました。これは鹿児島の相良病院からも同様な結果の

発表があるのですが、BC04の研究からアロマターゼ阻害薬の服用は、

タモキシフェンと比較して骨代謝や骨密度の面からは不利である事が

わかっているので(論文投稿中)、過度な安心は危険かもしれません。


最後になりましたが、この場をお借りして研究にご協力頂いた乳がん

患者の皆様と医療施設の皆様に御礼申し上げます。
by aiharatomohiko | 2010-09-20 22:07 | 論文

サンアントニオ2008 TEAM試験 追加


TEAM試験で治療を開始しなかった人を抜いた解析のハザード比が

0.83と書きましたが、この解析では途中で治療を中止もしくは変更

した人を“打ち切り”にしていると、TEAMの日本での研究代表者である

自治医大の穂積先生と話をしている際に教えて頂きました。

このことは、発表のスライドには、書かれてはいませんでしたが。


ということはこの数字はお化粧がされていると考えて良いので、

実際のハザード比は0.83-0.89の間くらいにあるのでしょうね。

ただ、他のアロマターゼ阻害薬とは大きくは変わらないということに

変わりはありません。
by aiharatomohiko | 2009-01-30 22:12 | 学会

サンアントニオ2008 N-SAS BC03


ひとりひとりに合わせたテーラーメード医療の時代といいますが、

現実には日本人と欧米人といった民族間差があるのかないのか

といった検証すらなされず、欧米で行われたランダム化比較試験の

データをそのまま日本人に適応している場合がいまだに良く見られます。

アロマターゼ阻害薬はまさにその典型といえましょう。


例えば、タモキシフェンを活性化する体内の酵素CYP2D6の遺伝子型

の違いが治療効果に影響を与える可能性が指摘されており、

欧米人と日本人で遺伝子型の分布が異なることが知られています。

タモキシフェンの効果がもし欧米人と日本人で異なるのであれば、

ひいてはタモキシフェンとアロマターゼ阻害薬との効果の差が異なります。

また、エストロゲン受容体やアロマターゼ自体にも遺伝子型に民族間差

があり、現在ではわかっていない治療効果や副作用の民族間差が

存在する可能性がないとは誰も言えないのです。

実際タモキシフェン5年終了後のレトロゾールの追加効果を見た

MA17試験では、白人以外のminorityではレトロゾールの追加効果が

確認されなかった旨の報告がなされています。

こういった議論は、ほとんどの人が知らないのか知らないふりをしている

のかは置いておいて、日常臨床の場でも学会の場でもほとんど聞く事は

ありません。


もちろん、日本人のデータがない場合は欧米人でのデータを適応する

以外ないのですが、今回のサンアントニオでN-SAS BC03の代表として、

やっと日本人でのアロマターゼ阻害薬の有用性のデータを報告すること

が出来ました。

N-SAS BC03は、2002年から 2005年までの間に登録された706名の

1-4年タモキシフェンを服用されている閉経後乳がんの方をそのまま

タモキシフェンを服用するかアナストロゾールに切り換えるかという試験です。

アナストロゾールのハザード比は無病再発率で0.69 (95 %信頼区間、

0.42 - 1.14; P=0.14)、無再発生存率で0.54 (95 %信頼区間、0.29 - 1.02;

P=0.06)と有意差こそつかなかったものの、他の試験とほぼ同等の再発

抑制効果を認めました。全生存率はイベントがわずかであったこともあり、

差を認めませんでした。

副作用に関しては、ほてりなどはタモキシフェンで多く、関節痛がアナスト

ロゾールで多かったものの、骨折は欧米のデータとは反対にタモキシフェン

に多く見られました。この原因は分かりませんが、欧米人ほど骨折が見られ

ないということは、アナストロゾールにとって悪いことではありません。

また、血栓症の発症がほとんど見られないといった、欧米人と日本人の

副作用に差があることが確認されました。

結果が出たのは遅かったとはいえ、また結果だけを見れば欧米での試験と

ほぼ同一ではありますが、単一の試験で物が言えるアジア人で唯一の

アロマターゼ阻害薬のデータです。

試験に参加された方々に、厚く御礼申し上げますとともに、

ご報告申し上げます。
by aiharatomohiko | 2009-01-29 22:07 | 学会