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by aiharatomohiko
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IMELDA どうしてこんな試験デザインなのか。



あまり興味はなかったのですが、勉強する機会があったので、業務報告的に。

HER2陰性の転移乳がんに対して、一次療法でベバシズマブ+ドセタキセルを使用して、SD,PR,CRとなったケースを対象として、ベバシズマブ単独群vsベバシズマブ+カペシタビン群を比較したランダム化PIII試験。
主要評価項目はPFS。
当初は290名がランダム化される予定であったが、BEVがFDAから認可取り下げになったため、185名登録時点で試験中止となった。そのため、そもそもの統計学的仮説に対しては、パワー不足である。

結果:PFSで有意にカペシタビン群が優れていた。層別化ハザード比0.38 (0.27–0.55)。OSにはαは割り当てられていないものの、同様の傾向が観察された。OSの層別化ハザード比 0.43 (95%CI 0.26–0.69)。

疑問点:第III相とのことですが、標準アームはBEV単独群のようです。BEV単独群の有用性が確立されていないにもかかわらず、なぜこれが標準アームとして許容されたのか理解が困難。

考察:
アバスチンにOS改善効果がない=患者さんにとってのメリットがほとんどないことを考えると、ドセタキセルがSD以上の時にカペシタビンに乗り換えるのか、PDになるまで経過をみるのかを比較した試験なのか。副次評価項目のOSでもカペシタビン群がかなり良い傾向にあるが、なぜこんなにOSで差がつくのかも良くわからない。

感想:
試験治療群が有意に優れていた場合でも、それが標準アームになると言えない試験デザインは倫理的と言えるのか。参加された患者さんが気の毒になる試験。
by aiharatomohiko | 2014-12-04 23:03 | 学会

SABCS2013 血管新生阻害薬


S1-03 BETH試験 何アウト目?

HER2陽性n+とn-高リスク n=3509を対象としたPIII試験。
ケモ+Tras±BEV(1y)
cohort1 TCH-H n=3241
cohort2 TH-FEC-H n =278
primary: IDFS
統計学的事項:296 events @85%power HR 0.70
86%がTCH でdose intensity >90%

結果:IDFS 92% vs 92% @38 months HR 0.99 有意差なし
サブグループでheterogeneityはなかった。
副作用としては高血圧がBEV群で多かった。
発症率(~2%)は少なかったが、心不全や出血などの重篤な副作用も多かった。

短評:バイオマーカーの研究もしてるそうだけど、しんどいでしょうね。
進行再発でもOSの改善がないので、“アバスチンはレスポンスを急ぐ時以外には使用を勧めない”。というのがアメリカでもやっとコンセンサスになって来ているようだ。


S5-04 HER2- MBCに対する抗VEGFR2 抗体のPIII試験。 

デザイン
DTX75±ramucirumab (placebo control) 
n=1,144 で2:1にランダム化していることから、勝ちを相当に意識した試験。

結果
primary:PFS HR0.88(0.75-1.01) 1.3か月の延長
secondary: OS 85% power to detect HR0.8 or 6months improvement
HR1.01

短評:進行再発乳がんで1000例を超える規模の相当気合の入った試験でしたが、結果はペケ。アバスチンといい、抗血管新生阻害薬は乳がん治療ではほとんどお呼びでなさそうです。
by aiharatomohiko | 2013-12-16 13:40 | 学会

第2回長州Breast Cancer Conference


6/1に山口で行われた第2回長州Breast Cancer Conferenceで講演を

行いました。


昨年の第1回に引き続いて座長の山口大学の山本先生に呼んで

頂けたのは、昨年の講演の出来が悪くなかったものと思われます。

お題は“複雑化する臨床試験のデータを単純に理解するために”

というもので、第III相試験の結果をどのように理解すると臨床の役に

立つのか、という観点での講演でした。


内容は、

・ベバシズマブの一次療法における意義

・術前化学療法におけるpCRの意義

を代用エンドポイントと真のエンドポイントの関連性という視点から

解説しました。


お伝えしたかったことを搔い摘んでいうと、代用エンドポイントだけで

結果を考えるととんでもない解釈になることがあるので、RCTの結果は

真のエンドポイントで考えましょう、ということです。


ところで、ベバシズマブの併用がPFSで差が出たのにOSで差が出ない

理由に関して、涙ぐましいへ理屈がこねられる場合があります。

・試験終了後、標準治療群にベバシズマブがクロスオーバーで使用されて

いるので、OSの改善効果が検出し難くなっているのでは?

→クロスオーバーしなくても効果が検出されないかもしれないのに、なんて

楽観的かつ無意味な考え方なのか。ため息がでます。そもそも、

クロスオーバーしたから、みたいな言い訳を許容せずに優越性を示す

試験デザインを組まなければなりません。

最近の臨床試験はほとんどそういうデザインになっているはずです。


・試験終了後、二次治療以降に使用する薬剤の影響で、OSの改善効果

が検出し難いのでは?

→その程度で消える治療効果ならば、そもそも効果が有るとはいえません。


要は、ある治療が有効であると主張するのであれば、有効性が

検出されない言い訳を考えるのではなく、その結果を目に見える形で

出しましょうね、ということです。


この話題に関しては、今年の臨床腫瘍学会のシンポジウムで癌研の

腫瘍内科の先生を相手にしてのディベートが、また、pCRに関しては、

乳癌学会で杏林大学の先生を相手にしてのディベートが予定されて

いますので、もう一段理論武装して臨むことにします。


また、非劣性試験の考え方をトラスツズマブの術後療法のRCTから

説明しましたが、時間が無くて端折りながらだったので少し分かりにくかった

かもしれません。

質疑応答しながらでしたが、いつのまにかノンストップで2時間が

過ぎ、私も大変勉強になりました。


山口は毎回雨なのですが、会の後も楽しいディスカッションが出来た

ので、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。


有難うございました。


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by aiharatomohiko | 2013-06-02 23:50 | 講演

SABCS2012 LEAstudy

ホルモン受容体陽性の進行乳がんで内分泌療法としてレトロゾール

もしくはフルベストラント±ベバシズマブのランダム化比較試験。

n=380とOSを見るにはあまり大きな規模とは言えない試験である。

PFSは、13.8月vs18.4月、p=0.14とBEV群で良い傾向にあった。

OSは41月vs42か月で差はない。


進行再発乳がんでは、アバスチンは化学療法との併用に加えて

ホルモン療法併用でもアウト。

合計で5アウトか6アウトくらいかなあ。もう数えられん。


さすがに、アバスチン大好きの○○先生も、内分泌療法との併用では

使うとはいわないでしょうね。

浜松の先生はこれでも値段が安ければ使うというんだろうか?

まさかね。


今のところ、乳がん患者さんにはほとんどの場合にメリットのない

薬剤のお話でした。
by aiharatomohiko | 2013-01-14 13:54 | 学会

NEJMの論文があまりにつまらなかったので、つられました


術前化学療法でpCR率を比較したって、真のエンドポイントである

全生存率にどれくらい反映するか全くわからないので無意味だという

ことが既にNSABPの試験などからわかっているにもかかわらず、

アバスチンを追加するとpCRが上がるっていうだけのつまらない

以下の二つの論文がNEJMに載っていました。


Neoadjuvant Chemotherapy and Bevacizumab for HER2-Negative Breast Cancer
G. von Minckwitz and Others | N Engl J Med 2012;366:299-309

Bevacizumab Added to Neoadjuvant Chemotherapy for Breast Cancer
H.D. Bear and Others | N Engl J Med 2012;366:310-320


データは、pCR rate 14.9% with epirubicin and cyclophosphamide

followed by docetaxel and 18.4% with epirubicin and

cyclophosphamide followed by docetaxel plus bevacizumab

(odds ratio with addition of bevacizumab, 1.29; 95% CI, 1.02 to 1.65; P=0.04)

と、

pCR rate 28.2% without bevacizumab vs. 34.5% with bevacizumab, P=0.02

です。


あまりにつまらなさそうだったのでabstractしか読んでいないのですが、

内容がとんでもなく素晴しいものだったり、私が勘違いしているよう

でしたらご教授下さい。フルで読んでみます。

個人的には何じゃこれでNEJMか、という感じですが、

そもそも雑誌のレベルが落ちている可能性も否めません。
by aiharatomohiko | 2012-01-26 22:38 | 論文

SABCS2011 4アウトでも、アバスチン祭りは開催中らしい


AVEREL試験

HER2陽性転移乳癌を対象として、ドセタキセル+ハーセプチン±

アバスチン15㎎ q3wの試験。

n=424  中央値26か月フォローのデータが発表されました。

PFS 13.7月vs16.5月 HR0.82 (95%信頼区間 0.65-1.02)

とPFSは改善傾向だったが、

全生存期間は HR1.01(95%信頼区間0.74-1.38)とまるっきり

改善傾向が見られず、HER2陰性での試験を再現しただけでした。

血中VEGFが予測因子となる可能性が指摘されたのが、唯一の収穫か。


HER2陰性の3試験で全生存期間の改善がみられず、HER2陽性でも

ネガティブ、4アウトを献上というのが普通の読み方なんだろうけど、

提灯記事ならば、”アバスチンがHER2陽性乳癌でも無増悪期間を

改善の傾向”という見出しですね、きっと。


そうそう、アバスチン祭りが各地で開催中らしく、処方は

西高東低らしい(未確認)。


これに限らず、”企業スポンサードの研究会”もしくは

”企業スポンサードの学会でのランチョン”で、”名前が知られ

ている先生の講演”が組まれていたら、それは企業による”洗脳”

であると考えてまず間違いないです。

節操の無い講演をする人もいるようなので、話半分に聞くのが

無難です。


企業は売るのが仕事(ノルマの無い会社は無い)。

われわれは患者さんのリスク・(コスト)ベネフィットを考えて

使うか使わないか判断するのが仕事。
by aiharatomohiko | 2012-01-13 22:35 | 学会

サンアントニオ2011概況


今年もサンアントニオに来ています。今年は寒いです。

相変わらず会場は人で一杯です。

大きなRCTの結果がいくつも発表され、特にBOLEROIIやCLEOPATRA

といった分子標的治療の臨床試験結果がNew Englandに併せて掲載される

など、充実した内容となっています。

また、術前化学療法の早期治療効果を元に薬剤や投与サイクルを

変えることにより予後改善が得られるという画期的な試験結果や、アバスチン

の4アウト目(byW先生)の試験結果、NSASBC02の結果も報告されました。

盛り沢山な今年のサンアントニオの概況でした。
by aiharatomohiko | 2011-12-10 06:38 | 学会

アバスチンの乳がんへの適応にみる日米の差


アメリカでは2010年夏に独立委員会の評決により12-1でアバスチンの

転移乳がんへの適応取り下げが勧告され、これを受けて本年6月末にFDAが

2日間に渡る公聴会を開きました。その際に独立委員会の再評決も行われ、

6-0で取り下げを支持するという結果でした。

最終的に11/18に適応承認の取り消しが行われ、その結果が同日にHP

にアップされています。取り消しの理由は、消化管穿孔などの重篤な

副作用がみられる一方で、全生存期間の改善が見られなかったため、

リスクベネフィットを考えて承認すべきでないということのようです。

新しいデータが出たおりには再承認もあり得ると読めました。

首尾一貫した態度であると感じます。

Q&Aには薬価が高いことは考慮しなかった旨も書かれていました。

http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/ucm279485.htm


さて、これに先立つ本年8月1日に日本ではアメリカと逆方向である

アバスチンの乳がんへの適応拡大に向けた審議が行われたようです。

その際の議事録が11/14(アメリカに比べると遅いですね。)

に公開されています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uiuh.html

内容を読むと、機構が適応拡大に賛成、しかしながらその理由が”本剤

の有効性を再現するような試験をデザインするのは、現状では難しい

のではないか(使用したい人が多いため)”であるのには驚きました。

有効性を再確認するような試験ができないから承認ですか。

この理由であれば、たまたま良い結果が出たような薬剤はその効果が

疑問視されたとしても、追試が難しいという理由で全部承認するしかない

ということになりますね。正気でしょうか。

部会長もこの意見にややなびいているようです。

委員の先生方はとても全うな意見を出されていて、まともな議論が

行われていたことは伺い知れます。

委員の先生方はどちらかというと即時の適応拡大に難色を示されて

いたように読めるのですが、結局は8月25日に継続審議となり、

そこで承認されたようです。

ただ、8月25日の審議結果が未だに公開されていません。これでは、

われわれにはどういった理由で承認されたのか、承認に条件が付いた

のか否かといったことは今もってわかりません。

適応拡大の是非はともかくとして、FDAの即日公開とは比べようもなく

遅く、怠慢といわれても仕方がないのではないでしょうか。

残念ですね。


私の個人的な考えを述べると、アバスチンが有効な対象があるよう

には思えるものの、それがどういった患者さんであるかをわかる術

が現状ないために、FDAの決定の方を支持します。
by aiharatomohiko | 2011-11-26 23:42 | 医療

アバスチン:似たような結果と異なった解釈 余談


余談ですが、Referenceを見ていると、数あるアバスチンの試験のうちで、

たまたま良い結果が出た論文がNEJMに掲載され、真の値に近そうなものは

JCOかそれ以下という、何ともなえるような気持ちになる事柄にも気づきま

した。まあ、そんなものだよといわれれば、それまでの話ですが。


以下の論文はまだ読んでいないのですが、関連したものとしてお勧めでき

そうです。
When are "positive" clinical trials in oncology truly positive?
Ocana A, Tannock IF. J Natl Cancer Inst. 2011 Jan 5;103(1):16-20.

また、この著者らは、アロマターゼ阻害薬はタモキシフェンにOSで勝って

いない上に、QOLでも勝っていない。なおかつ副作用でも優れているとは

言えないので、標準治療薬とは言えない。というコメントも出しています。

ATACの論文などでアロマターゼ阻害薬の有用性を刷り込まれている

先生方が読むと、目からうろこが落ちるか、内容が理解できないかの

どちらかでしょう。

Up-front use of aromatase inhibitors as adjuvant therapy for breast
cancer: the emperor has no clothes. Seruga B, Tannock IF. 
J Clin Oncol. 2009 Feb 20;27(6):840-2. 

私はTannockの意見には相当程度同意できます。某先生から良く

“コンサバ“といわれるのですが、アロマターゼ阻害薬の試験結果、

CYP2D6の多型とタモキシフェン効果の関係に関する研究、アバスチンの

試験結果などをじっと見ると、あせって新しい治療に飛び乗るよりも、

それらを横にらみしながらも確立された治療法を行うことが、結局は

患者さんの利益になるという想いを強くした次第です。

まあ、もっと言いたいことはありますが、この辺でやめときます。
by aiharatomohiko | 2011-02-09 00:18 | 論文

アバスチン:似たような結果と異なった解釈


アバスチンを題材にとっていますが、薬物療法の有用性に関する議論の本質

を突いた感のある総説(Comment)が、JCOに載りました。

Ocaña A, Amir E, Vera F, Eisenhauer EA, Tannock IF. 
J Clin Oncol. 2011 Jan 20;29(3):254-6.

原文を読んで頂くと、ナルホドな、と感心されると思うので、ぜひ原文で

読んで頂きたいのですが、以下要約を。

・化学療法±アバスチンの臨床試験の結果は、全てのがん種(乳がん・

卵巣がん・肺がん・胃がん・前立腺がん・大腸がん)で、アバスチン

使用群で無増悪生存期間(PFS)に改善傾向を認める一方で、全生存期間

(OS)に明らかな改善が見られないという傾向が、ほぼ一定して観察

されている。

・にもかかわらず、ある試験ではPFSを一次評価項目としているために

結果が“Positive”と発表され、別の試験ではOSを一次評価項目としている

ために結果が“Negative”と発表されている。

どちらが適切なのであろうか。

・結論を言うと、全生存期間やQOLといった適切な評価項目において、

臨床的に意味のある違いが認められたときに、“Positive Study”とすべき

である。 

・OSの改善が認められたときでさえも、潜在的に伴うQOLの低下とのバランス

を考える必要がある。(注)つまり、OSで有意差を持って勝った時でさえ、

それだけを持って“Positive study”とはするべきではないというスタンス。

統計学的有意差原理主義にとらわれている先生方に読んで欲しい。

目からうろこが落ちるか、内容が理解できないかのどちらかでしょう。

・特記すべきことに、試験が開始されてから、卵巣がんと肺がんの二試験で、

主要評価項目がOSからPFSに変更されていた。(注)OSでは十分なイベント

が得られないため、手っ取り早く結果の出る評価項目に変えたということ。

・Oncology communityは、PFSの改善に関して過剰な解釈をしている。

PFSの改善は、特に無症状の場合に画像での変化だけを追っている場合

には、患者にとっての意味のある成果とは言えない。

・がん種によって、評価項目や結果の解釈の基準が異なるのはおかしい。

すべてのがん種で、OSを主要評価項目として、臨床試験をすべきである。

といったところです。まさに正論ですが、どの程度の臨床試験がこの基準を

満たしているのでしょうか。


アバスチンのランダム化比較試験の結果一覧を見てみると、PFSの改善は

1~3ヶ月程度、OSの改善は-1~2ヶ月程度です。いくつかの試験では

重篤な合併症が増加することが報告されていることを考えると、アバスチン

はとても臨床使用に耐えないという結論になります。やはり。

以下J Clin Oncol. 2011 Jan 20;29(3):254-6 より引用。


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by aiharatomohiko | 2011-02-09 00:10 | 論文