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by aiharatomohiko
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SABCS2012 その1

S1-1BIG1-98でのILC(invasive lobular carcinoma)での

治療効果を検討した研究の発表。遺伝子発現プロファイルでは、

ILCの77%がルミナルAに分類される。切り替え群を含まない4922例

での解析。4922例中3200例が解析対象。324例がILCで、2599例が

IDC。

サブタイプは、Ki67 14%をカットオフとしてルミナルAとBを分類したところ、

IDCよりもILCでルミナルAの割合が高かった。DFS OS IPCWを

エンドポイントとして検討した。

LET群はTAM群と比較すると、IDCのHR0.8に対してILCではHR0.48

と差が大きくなっている。その理由は、LET群のILCのDFSはIDCと変わら

ないが、TAM群での予後が不良なためのように思われた。

ルミナルAでは、IDCでTAMとAIでDFSに差がなく、これらはILCのLET群

とDFSがほぼ同等であった一方、ILCではTAM群の予後が不良であった。

ルミナルBでは、IDCもILCもLETが良好。OSも同様の傾向であった。

この結果はその理由があまり明確ではなく、他の試験でも同様であるか

どうかの検討が望まれた。
# by aiharatomohiko | 2012-12-09 15:45 | 学会

SABCS2012 概要

今年のサンアントニオは、例年になく暖かく最高温度は25℃を超える日

もありましたが、朝夕は涼しく、会場の冷房は効き過ぎるくらいでした。

時差ボケは例年のごとくで、特に午後昼食をとってからひどくなります。

今回もPIIIの試験結果がいくつも発表されています。また、N-SAS BC03

の長期フォローアップのデータを愛知県がんの岩田先生と杏林大学の

井本先生にご発表頂き、意義深い学会となりました。
# by aiharatomohiko | 2012-12-08 07:11 | 学会

第10回 兵庫乳癌薬物療法研究会で講演しました

11/9に行われた第10回 兵庫乳癌薬物療法研究会で講演を

行ってきました。


題は、”真のエンドポイントでエビデンスを洗い直す”という

もので、本年2月の東京と山口の研究会から始まって、

乳癌学会のサテライトを経ての流れを汲んだものでした。

いずれの研究会でも聴衆の先生方の反応に手ごたえがあった

内容でしたが、今回が最も練られた内容になったためもあり、

それなりに好評だったと思います。


それは良かったのですが、最後にフロアの先生とのやり取りで

チョイ熱になってしまったところを今回ご一緒させて頂いた

渡辺亨先生に止めて頂いたのには感謝しています。

が、渡辺先生も大人になられたなと。まあ、冗談ですけど。

師匠の高塚先生もお出でになられていたので、久しぶりにお話が

出来てよかったです。懇親会でもお世話になっている

兵庫の先生方ともお話ができ、いろいろと勉強になりました。


主催者の小西先生によると10回の開催で私は今回で4回目の出演

だったとのことで、いつもご贔屓に有難うございます(笑)。


ところで、この次の週の11/15に行われた第13回ホルモンと癌研究会

のランチョンで講演をさせて頂く機会を頂いたのですが、焦点の

定まらない話になってしまい、ちょっと申し訳なかったです。


後はサンアントニオが待っていますが、 いずれにせよ、これで今年の

講演関係は終了しました。

今年はサテライト準備も入れると6回と例年になく多かったのですが、

上手く行ったことも上手く行かなかったこともいろいろと勉強に

なりました。


それはそうと、ガイドラインの改訂を頑張らなければ年が越せない

のでした。
# by aiharatomohiko | 2012-11-25 22:55 | 講演

EBCTCG その他

化学療法の比較

AC4=6CMF

乳癌死亡:4ACはHR0.80くらい 

治療効果はER、分化度や年齢で変わらない。


TransOX Hayes

バイオマーカーの研究を行うという話

ICH4の問題はKi67の測定方法だけでなく、ERの測定も

標準化が難しい

カットオフをどうするか とにかく標準化が問題

をHayesがしていた。

Ki67は測定誤差が大きすぎて話にならん。

SABCSで人によってばらばらというデータを出すから、

というような話だった。

OncotypeDxでなくてIHC4で良いのではないか、という質問

が出た。

Dowsettに振られていたが、実際にはあれはあれで再現性が難しい。

実臨床で使うには問題があるような話をしていた。


高齢者

欧州では、乳癌の半数が65才以上

70以上はタキサン試験の1.5% 効果は同様にある

他の化学療法や内分泌療法の試験でも70才以上で効果は変わらない

可能性が高い

臨床試験のinclusion criteriaに年齢のみを考慮する必要はない




ビスフォスフォネート

2012.6にEBCTCGでワーキンググループを持った

10Septにテレカンファレンスを持った

Sept2013に解析結果が出る予定。

DFS IDFS OS DDFS などを評価項目とする予定。

標準群で経口のビスが入っている可能性をどうするのかという

Qあり。NSABPでも10%前後のコントロール群で骨塩量減少のため

にBis服用がなされていたと指摘あり。

皆がかなり興味を持っていると思われた。


Sensible guidelines for RCT

2007 2009 2012に国際的な会合が持たれた

承認:複雑高価時間がかかる

試験開始前に複数の機関から承認を得寝ければならないので、

試験開始までに時間がかかる

複数の国で行うとなると、より大変

ICH GCP 試験参加者の権利や安全性のために重要であるが、

柔軟でない しばしば中断される 重要でない事柄に煩わされる

モニタリングも大変

そのためリスクベースのアプローチをとるようになった。

有害事象全て報告ではなく、薬剤の副作用であるという合理的な

理由があるときに報告するようにした。

臨床試験が速やかに進むような方向で検討が進んでいると感じた。
# by aiharatomohiko | 2012-11-24 22:41 | 学会

EBCTCG 2日目

AIOG2012

TAMからAIの選択的切りかえは、ITTは効果を低く打ち切りは効果を

高く見積もってしまう。

DFSはHR0.8(絶対値で3%くらい) 

BC死亡は0.85(絶対値で2%くらい)

OSは2-3%くらい

AIがTAMよりも優れる。

5年過ぎてからは、AIとTAMは変わらないので、同程度のキャリーオーバー

効果があると思われる。

選択的切り替えの問題点に関して、IPCW関連の発表があった。


RTの合併症について

76試験 1951^2000年に開始した試験。

RTvsnoRT

20年で非乳癌死亡が3%増加する。

その理由は、主に心疾患(IHD,心不全、弁膜疾患いすれも L 1.48 

R1.19特に若年で左右差が大きい)、ほかにPE肺がん、食道がん

心疾患による死亡は、心臓への線量に比例する。4.7%/Gy。


MMGスクリーニングの研究

新しい研究がUKで行われることの紹介

通常は、50-70才の3年間隔でのスクリーニング

①47-50才に一回MMGスクリーニングをすることの意義 200万人

②70才以上でスクリーニングすることの意義 100万人

UKでは50-64才のRCTを行うことを70/80年代に失敗した。

65-70才のRCTを2000年代に失敗した。

結果が出るのは2020年代以降になると思われるが、新しいスクリーニング

方法や現代の機器を使用するので、無いよりも遅い方が良い

もし25%の乳癌死亡の低下が得られるのであれば、0.6%の絶対値の

ゲインとなり、他の原因の死亡がなければUKでは費用対効果がある

とされる。


タキサンの試験

2012年Lancet

ERやHER2で効果の違いはない

タキサンvsノンタキサンの研究を次回2013年に行う



アンスラサイクリンの心毒性

どの程度の危険性があるのか

心疾患による死亡は、1.5倍になる。

どの程度の期間危険性が残るのか

白血病は?SEERでは過大評価しているという話あり。
# by aiharatomohiko | 2012-11-23 22:41 | 学会

ESMO2012 PHARE試験 ハーセプチン6m vs 1y

ハーセプチン術後療法の六ヶ月と一年の比較を行っていた

Phare試験の結果も報告されたようです。


3000名以上を登録した、非劣性のHRを1.15と設定した試験です。

42.5 ヶ月のフォローで395のDFSイベントが観察され、6ヶ月の

HR=1.28 (95%CI: 1.04 – 1.56, p=0.29)で非劣性が証明されなかった

という結論ですが、むしろ1年の方が優れているという結果にも

とれますので、HERAの結果とあわせるとハーセプチンの標準投与期間は

一年でほぼ決定と言えそうです。
# by aiharatomohiko | 2012-10-02 00:01 | 学会

ESMO2012 HERA試験 1y vs 2y

RocheのHPからの引用ですが、ハーセプチンの一年と二年で成績は

変わらなかったようです。


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# by aiharatomohiko | 2012-10-01 23:41 | 学会

EMILIA試験:二回目の中間解析がNEJMで論文化

T-DM1のOSでの有効性が二回目の中間解析で確認されたので、

本日付のNEJMで論文発表となりました。

結果は、全生存期間の中央値 (331 イベント)で、 T-DM1 が

ラパチニブ+カペシタビンを統計学的に有意に凌駕しました。

データは、30.9 months, vs. 25.1 months、 

ハザード比 0.68; 95% CI, 0.55 to 0.85;P<0.001。

2年OSで13%の差が有り、重篤な副作用もTDM1の方が少なかった

ことを考えると、この結果にコメントは不要です。

論文でもディスカッションがとても短い。

すぐにでも承認してもらいたいものです。
# by aiharatomohiko | 2012-10-01 22:58 | 論文

EBCTCG 1日目その3

内分泌治療

タモキシフェンの投与期間の検討

5年以上投与の試験は以前に3試験あり、有効性が証明されなかった

ために推奨されていなかった。

90年代により大きなATLAS、 Attomが行われた。


5年vs無投与

子宮内膜癌は2.5倍になっているものの、死亡はわずかで、閉経前では

増えていない。55-69才では、2.7%増えている。


5年対10年

ATLAS ER陽性での解析

中間解析では、再発抑制効果が報告@2007SABCS

アップデートした結果を今年のサンアントニオで発表予定。

aTTomは2008ASCOでは、negativeであったが、近々アップデート

される予定。

いずれもポジティブであれば、10年が標準になる可能性がある。
# by aiharatomohiko | 2012-09-30 22:52 | 学会

EBCTCG 1日目その2

EBCTCG の次のセッションでは、局所治療がテーマとなった。

PMRTのデータが提示された。

・RT CW、 Sc、 ±Ax、±IMC

・24試験を選択。これ以外にCWへのRTがない5試験を除外、

術前RTの2試験を除外。

1964-1986に試験開始。フォローは2006年まで。

反対側は再発でなく、新規発生と判断。再発前の死亡は、乳癌非関連

とされた(2011年の論文から定義が変更)。

以下のデータはコンフィデンシャルであるが、かいつまんで内容に触れると、

現状pN≧4の時に推奨されているPMRTが、pN1-3でも推奨されるように

なるかもしれない。

ただ対象となった試験では、ALNDをきちんとされていないものが

目立ったので、データが出てから解釈を慎重に行う必要があろう。
# by aiharatomohiko | 2012-09-25 23:34 | 学会

EBCTCG2012 1日目


EBCTCGの本会議はPetoのintroductionから始まった。

彼の話では、フォローアップは5年では短すぎる。

10年のフォローは当たり前で、EBCTCGでは15年や20年の

フォローを念頭に入れているように思えた。


Materials and methodsのセッション

EBCTCG 2012/15サイクルでは、2005年以前に開始された、生存を

一次評価項目とする治療法の比較を目的とした試験を解析対象とした。

試験の拾い上げは、電子的なデータベースサーチ。ジャーナルの

ハンドサーチ。引用文献のチェック。プロトコルデータベースや試験

レジストリのサーチ。個人的なコンタクト、によった。


EBCTCGの今回のサイクルでは、局所治療、内分泌治療(タモキシフェンの治療

期間、AI)、化学療法(タキサン、アンスラ)、ビスフォスフォネート、

卵巣機能抑制、抗HER2療法について検討する。


バイオマーカーや遺伝子発現プロファイルを要求するというように、

ベースラインデータが膨大になっている。

フォローアップデータも項目が増えた。

今後の臨床試験ではこんなに膨大なデータを入力しておく必要がある

のか、とちょっと気が遠くなった。

204グループの455試験のデータリクエストを行った。

現状EBCTCG には、36グループからの73試験の90,000名のデータが

集まっているとのこと。
# by aiharatomohiko | 2012-09-24 00:41 | 学会

EBCTCG2012 How to do long term follow-up


EBCTCGのミーティングがOxfordで行われています。

今回初めて参加したので、その様子を速報します。

ただ、英語がかなり聞き取りにくいので、内容はご確認の上で

お願いします。


9/19 にinformal meeting on Long-term follow-upという

セッションから始まりました。


EBCTCGのデータのサマリーからスタート。

PMRTの乳癌死亡減少効果は、5年で3.6%、15年で6.2%、

20年で更に大きい。

一方、非乳癌死亡は5年で0%、15年で2.1%、20年で更にPMRT群で多い。

TAMの乳癌死亡抑制効果も5年よりも15年の方が大きい。

以上のことから、5年のフォローアップでは不十分で、より長期のフォローが

重要であることは今までのEBCTCGの解析から既にわかった。

今後どうするべきか、どのようにすれば長期フォローが可能であるか、

という議論。


ヨーロッパの例 EPIC

Caner epidemiology unit

1993-99までヨーロッパ中で健常人50万人をフォロー。60000人ががんを発症。

国によって、cancer registryがある国とない国があり、一国でも地域によって

あるところとないところがあるのでフォローの方法が異なる。

registryがあればそこからデータをとれるが、ないところでは本人に

郵便や電話、場合によっては自治体、医師や病院にクエリーを送る場合も

ある。



USAの場合

WHI DM HRT CaDの三つの試験がある。

参加者によって複数入っている人もいる。

CT=68132人

WHI=161809人

93-98年にリクルート。2005年までの計画でフォローアップ。

Extention study I 77%、Study II 87%が再同意を得た。

郵送で毎年送り、反応がなかった場合には電話を行った。

反応率は、一年目で92%、5年目で85%であった。

イベントが確認(confirm)された割合は、PE CABG BCなどで80%超え、

BCはセルフリポートでほぼ100%確認された。

ほかの方法として、メディケアからのデータ購入、費用1年で15000ドル。

HMOからのデータ入手も可能であるが、未だ方法は確立されていない。


どのように長期間のフォローをしたらよいのかという議論。

各国によってデータを取れるシステムに違いがある。

コストに関しても意見はでるが、結論が出ない。

何年フォローしたらよいのかという点に関してのコンセンサスはないが、

今までの研究からすると、20年というところか。


データをヘルスケアシステムから取れることにするのがベターであるが、

これに関してもプライバシーなどいろいろな問題がある。

長期間のフォローを政治などに働きかけるために、EBCTCGとして

position paperを書く必要があるのではないかという意見がでていた。
# by aiharatomohiko | 2012-09-21 07:59 | 学会

無症状の乳がんにCT・PET・骨シンチはすべきでない


患者さんやご家族から、”術後定期的にPETは受けた方がよいのでしょうか?”

と聞かれることが良くあります。


一般の方の常識では検査する方が安心ということだと思います。

これは、無理ないことでしょう。


ただ、乳癌学会のガイドラインでも、どの国のガイドラインでも、

検査をすることで生存率が改善されるというデータが無いので、

検査は推奨されていないとお話しすると、納得される方がほとんどです。

ASCOの会員向けの雑誌の7月号で、”無症状の乳がんにCT・PET・骨シンチ

はすべきでない”という件がTOP5リストとして表紙になっているくらい

ですので、検査料が日本の数倍にも上るアメリカでも定期検査を行う

医療機関が少なくないことがわかります。



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# by aiharatomohiko | 2012-09-02 11:16 | 医療

ASCO2012 EMILIA試験その3

それでは、副作用はどうでしょうか。

Grade3以上の副作用は、57% vs 40.8%とT-DM1で少なかった。

嘔吐は29.3% vs 19.0%でT-DM1で少なかったのですが、

制吐剤の使用状況は詳細が分かりません。

他の毒性は、肝機能異常が約20%、血小板減少が28%(>G3 約13%)

とあります。血小板減少は気になりますね。

脱毛はあまりないという話ですが、この発表からは良く分かりません。

トラスツズマブから外れたDM1の毒性でもこれですから、全身投与

なんかはとても出来ないのがわかります。

全体としては、嘔気のコントロールをうまく行うことができれば、

比較的使用しやすい薬剤のように思えます。


さて、T-DM1は20年以上前から言われていたいわゆるミサイル療法です。

何だか懐かしいですね。ミサイル療法は、適切な細胞表面上のマーカー

が今までなかったため理論だけのものだったのですが、HER2タンパク

というがん特異的標的が得られたため、現実のものとなったわけです。

がん免疫療法でもよい標的になるはずですが、HER2タンパクの免疫原性

にも左右される訳ですから、そう簡単なものではないのかもしれません。

現状がどうなのか調べてみようと思います。


先に述べたように、T-DM1の治療効果に抗HER2効果がどの程度寄与して

いるか分かりませんので、ペルツズマブを追加する意義があるのかどうか

現時点ではわかりませんが、MARIANNE試験がこれを検証する為に

行われています。

ハ―セプテスト2+/FISH陰性のものに効果があるかどうかも気になる

ところです。


それにしても、アバスチンと違って治療効果の差が大きいので、

きれいな結果ですね。早々の認可が望まれます。
# by aiharatomohiko | 2012-08-28 16:58 | 学会

ASCO2012 EMILIA試験その2

試験の結果は明快で、抗腫瘍効果並びに毒性でT-DM1が優れるという

ものでした。

トラスツズマブとタキサンで既治療例での標準治療はT-DM1に

なるのでしょう。


フォローアップの中央値は約12ヶ月。

Median dose intensityは、カペシタビン77.2%、ラパチニブ93.4%、

T-DM1は99.9%でした。

PFS(569イベント)は、6.4ヶ月 vs 9.6ヶ月 

層別化HR=0.650 (95% CI, 0.55, 0.77) P<0.0001で、T-DM1の勝ち。

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OS(223イベント)は、23.3ヶ月 vs 到達せず 

層別化HR=0.621 (95% CI, 0.48, 0.81) P=0.0005で、T-DM1の勝ち。

OSのEfficacy stopping boundaryが、P=0.0003 もしくは

HR=0.617に事前に設定されていたために、わずか数イベントの違い

とは思いますが、試験中止になりませんでした。

ただ、最終解析でもOSでT-DM1が優ることはまず間違いないでしょう。

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きれいな結果です。
# by aiharatomohiko | 2012-08-27 18:52 | 学会

ASCO2012 EMILIA試験その1


トラスツズマブとタキサンで既治療のHER2陽性局所進行乳がんもしくは

転移乳がん980例を対象として、トラスツズマブにemtansineという

抗がん剤をリンカーでくっつけたT-DM1という抗体とラパチニブ・

カペシタビンの併用療法を比較したランダム化比較試験の結果が

ASCO2012で発表されました。


T-DM1は細胞表面のHER2タンパクと結合した後に細胞内に取り込まれ、

ライソゾームで分解された時にemtansineが放出されることによって、

微小管の多分子結合を阻害し、細胞死を引き起こします。

同様な対象でのPII試験の結果が二つあり、奏効率: 25.9% (N=112)と

34.5% (N=110)でした。

前治療なしの方を対象としたランダム化PII試験では、T-DM1 (n=67)群

のPFSの中央値がtrastuzumab + docetaxel (n=70)群よりも有意に

改善した14.2 vs. 9.2 months (HR=0.59; P=0.035)という有望な結果

が報告されています。


さて、本試験は、T-DM1(3.6 mg/kg q3w IV)とCapecitabine

1000 mg/m2 orally bid, days 1–14, q3w+Lapatinib 1250 mg/day

orally qdの1:1での比較試験です。

T-DM1の3.6 mg/kg q3w IVという量は、トラスツズマブの6mg/kgよりも

少ない量になります。トラスツズマブがこの量で抗腫瘍効果があるかどうかは

定かではありませんので、T-DM1の抗腫瘍効果に抗HER2効果がどの程度

寄与するのかは分かりません。
# by aiharatomohiko | 2012-08-26 22:50 | 学会

pCRと予後:定義とサブタイプ


von Minckwitzらのアンスラサイクリン-タキサンベースのPSTを行った

臨床試験6,377名のデータを集めて抗腫瘍効果と予後の関連を検討した

貴重な論文を読んでみました。

Definition and Impact of Pathologic Complete Response on Prognosis

After Neoadjuvant Chemotherapy in Various Intrinsic Breast Cancer

Subtypes  J Clin Oncol. 2012;30(15):1796-804


pCRの定義において、腫瘍残量が最も少ない定義の予後予測力が最も強い。

これは当たり前とはいえます。Table2

f0123083_21431750.jpg



OSのイベント数が少ないために決定的なことは言えないものの、

OSのハザード比がDFSと同じかそれよりも高い傾向があるようにも

見えます。Table2。

pCRになったケースは、化学療法感受性が高く、再発後の化学療法にも

反応する可能性が高いためでしょうか?


サブタイプ別でみると、luminal A(この論文の定義では、ER/PR陽性

でNG1か2)の場合には、pCRとnonPCRでDFS,OSは差がありません

でした。ER/PR陽性でHER2陽性の場合にも、同様な結果でした。

注意すべき点は、ハーセプチンを使用した場合には、DFSは変わらない

もののOSでpCR になったケースの方が良い傾向にあったことでしょう。

ただ、イベント数が11のため、未成熟なデータではあります。Table3

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ER/PR陽性/NG3の場合、ER陰性/PR陰性/HER2陽性もしくは

HER2陰性の場合には、DFSでハザード比が4から8程度、OSで5から14

程度と著明な改善を得ています。


この論文からわかったことは、pCRがよい予後因子となるのは主にER陰性

のケースであることです。ただ、このことはER陽性で化学療法の効果が

ないということを意味しない
(EBCTCG 2012, Lancet)

ことに留意する必要があります。念のため。

f0123083_21484769.jpg



余談ですが、この論文のcommentaryで、ミシガンのD.Hayesらは

化学療法が必要になるケースのほとんどで術後化学療法が標準である

と述べていました。NACは標準治療ではないということですが、

個人的には全く同感です。


さて、本論文に関して、ルミナルAの予後が悪すぎるのではないか

(5年DFSが80%強)、というご指摘を頂きました。

その時には即答できませんでしたが、論文を振り返ってみると、対象

となっているのがcN0とcN1以上が半々で、neo-adjuvantが必要な

ケースであることを考慮すると、悪すぎるとまでは言えないのではないか

とも思えました。いかがでしょうか。
# by aiharatomohiko | 2012-08-01 00:00 | 論文

CSPOR-BC乳癌学会サテライトシンポ企画


ゆるきゃら全国一位になったくまもんが住んでいる熊本で、

6月に第20回乳癌学会総会が開かれました。

相原病院からは今年も2題の演題発表を行いました。

今は豪雨で災害が生じているようで、お見舞いを申し上げます。


昨年の乳癌学会からCSPOR-BCでサテライトシンポを持つことに

なり、今年の企画を私が担当しました。

テーマは、臨床試験の結果を吟味する-このデータはどう読むべきか-

としました。

臨床試験で使用される代用エンドポイントの妥当性に関して、実際の

臨床試験を取りあげて、ディスカッションを行うというものでした。


話題の提供を私が行い、統計学的な解説を国立がん研究センターの

山本精一郎先生にお願いしました。

司会はがんセンター東病院の向井先生と東京大学の大橋先生に、

ディスカッサントは、東邦大学の朴先生、名古屋市立大学の遠山先生、

虎ノ門病院の高野先生にお願いしました。


内容は、進行再発乳癌におけるPFSの妥当性をベバシズマブの

第III相試験結果を例にとり、また術前化学療法におけるpCRの妥当性を

NSABP-B27を例にとり、検討を行いました。


代用エンドポイントとは、新規治療の治療効果をいち早く評価するため、

RCTでプライマリーエンドポイントとして使用されることが多い指標です。

代用エンドポイントが改善されるならば、真のエンドポイントも改善される



ことが前提になりますが、臨床試験の結果が統計学的に有意かどうか

という議論は盛んになされるものの、そもそもその代用エンドポイントは、

真のエンドポイントを反映しているのか?ということが話題として取り上げ

られることはあまりなかったように思いましたので、このような

構成にしました。


内容をかいつまんで説明します。

最初のパートでは、ベバジズマブの転移乳がんに対する一次療法の

臨床試験では、プライマリーエンドポイントであるPFSは改善されるものの、

真のエンドポイントである全生存期間の改善は見られないことを提示し、

次いで山本先生の解説によりPFSは進行再発乳癌の真のエンドポイント

である全生存期間を反映するものではないことが示されました。

こうなってくると、PFSをエンドポイントとした臨床試験を行うことの

意義が問われることになりますし、ベバシズマブの臨床での使い方に

ついても疑問が生じます。

実臨床でのベバシズマブのポジショニングについては、各ディスカッサント

によって立ち居地が異なることが鮮明になりました。

ディスカッションに熱が入りすぎたために、時間がかなり超過してしまい、

次のお題の時間があまり無くなってしまうほどでした。


次のテーマでは、ACにDTXを追加することで、pCR率は2倍になるにも

かかわらず、DFSやOSの改善効果はそれよりもかなり低いものであること

を示し、山本先生の解説でもpCRはあまり良い代用エンドポイントではなく、

これを指標として臨床試験を行うことに疑問が呈されました。

一方で、最近の論文では、サブタイプによってはpCRが良い代用エンドポイ

ントになる可能性が示唆されています。


FDAから出された声明では、トリプルネガティブなどに関しては、pCRを

エンドポイントとした術前化学療法の結果によって新薬が迅速承認の対象に

なるようですが、後に真のエンドポイントが改善されることの証明が必要

とされるようです。

アバスチンのケースと同じで、当たり前といえば当たり前の話ですが、

今後迅速審査の話だけを取り上げて話をする人も出てくると思いますので、

要注意です。

この問題に関しては、今後どのように発展していくのか、興味深いところです。


さて、当日は350名ほどの参加で立ち見が出る程の盛況でした。

来年の浜松でも行われる予定です。

誰が担当するかはまだ決まっていませんが、興味深いセッションになると

思います。ぜひご参加下さい。
# by aiharatomohiko | 2012-07-22 21:50 | 学会

第1回長州Breast Cancer Conferenceでの講演


同じく2月には、山口での栄えある第1回の長州Breast Cancer

Conferenceで“最新のエビデンスを臨床へ生かすために考える”

という演題で講演させて頂きました。

この講演の内容は、前半は東京での講演と同様に代用エンドポイント

の問題点と解釈の仕方についてお話をさせて頂きました。

後半は、最新の臨床試験の結果の解釈を、ということでiniparib の

PII/PIII試験の結果とその解釈、BOLERO-2とCLEOPATRAの結果

とその解釈について活発なディスカッションを行いました。

会の後も久しぶりにお会いした先生も一緒にといろいろな話題に

花が咲いて、大変楽しい一日でした。

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# by aiharatomohiko | 2012-07-17 22:54 | 講演

第12回西東京乳癌フォーラムでの講演


忙しさにかまけてブログをアップしていないと、学会で最近ブログ

どうしたのと聞かれることが多くなります。

いかんいかん、で梅雨も明けそうというのに2月の話題に戻ります。

すみません。

2月に、第12回西東京乳癌フォーラムで“なぜエビデンスは我々を

騙そうとするのか”という、ちょっとキャッチーな演題名で講演を

させて頂きました。

内容をかいつまんで紹介すると、エビデンスは一つしかなくても、

解釈はその立場(研究者・製薬企業・プレス・臨床医など)によって

異なること、われわれは臨床医としてエビデンスをどのように解釈する

のが患者さんにとって最善であるのかといった観点でお話をさせて

頂きました。


特に代用エンドポイントの問題点をATAC、ベバシズマブ、NSABP 

B28試験(術前化学療法のpCRの解釈)を例にとってお話させて頂きました。

この講演の内容が乳癌学会でのサテライトシンポへと続いていく訳ですが、

そのお話は後ほど。

加えて、中間解析結果をどのように解釈すればいいのか、というお話し

もさせて頂きました。

会場にはI理事長もお運び頂いたたうえにコメントまで頂戴しまして

光栄でした。

懇親会でもディスカッションが弾み、大変勉強になりました。
# by aiharatomohiko | 2012-07-14 22:54 | 講演