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乳がんの最新情報を紹介しています
by aiharatomohiko
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B38の論文化 Gemcitabineの追加効果は無さそう

術後化学療法として、TAC6サイクルおよびDose dense (DD)AC-PaclitaxelとDD AC-Pにgemcitabineを追加したレジメ(DD AC-PG)を比較したNSABP B38試験の結果がJCOの9/10号に発表されました。
初めの2レジメに対してDD AC-PGがDFSを25%改善するというのが研究仮説で、片側α0.025で90%の検出力が担保される、4894名のn+の乳がん患者さんが参加して行われました。
結果は、DFSもOSもDD AC-PGによるTACならびにDD AC-Pに対する改善はみられませんでした。
DD AC-PとTACの比較もなされており、DD AC-Pが何となく良さそうなデータ(DFS HR0.87 95%CI 0.74 to 1.01)ではありましたが、有意差はありませんでした。そもそもこのペアを比較検定してよいのかどうかわかりませんが。
年齢、ホルモン受容体、転移リンパ節数などでheterogeneityは認めなかったため、DD AC-PGが優れていると思われるサブセットを見つけることもできませんでした。
遺伝子発現解析などの研究が裏でなされているのかもしれませんが、今までのところアンスラサイクリンとタキサンを含むレジメにカペシタビンもしくはジェムシタビンを追加することで、明らかな生存期間の改善を認めていません。今後の術後化学療法の研究は、効果予測因子を見つけるか、わずかなハザードの改善が臨床的に意義の有る生存率の改善に結びつくような予後の極端に悪いサブセットでの研究を進めるか、予後は変わらないがより副作用が少ない治療法を開発するか、という方向になるのでしょうか。
ところで、TACとDD AC-Pで副作用の差があるので、それによってどちらかを選んでくださいねみたいなことが本文中に記載されていますが(図)、ぱっと見ただけではどちらがよさそうなのかわかりません。神経毒性が少ない分、TACが良いのでしょうか。長期間の毒性はどうなのでしょうか。PEG-GCSFの値段は安くはないでしょうから、治療期間は長くなるものの、同等の効果があるAC-Pwを加えて検討する必要がありそうです。それはそうと、アンスラサイクリン3サイクル→タキサン3サイクルなら18週なので、案外これが一番良いのかも。

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# by aiharatomohiko | 2013-10-05 15:17 | 論文

米国で乳がん手術時に反対側の乳房切除が増えている件


 アメリカでの話です。乳がん患者さんが乳房切除時をする際に、家族歴のないような発症リスクの低い方でも反対側の予防的乳房切除を行う例が増えています。2008年には乳房切除術の20%!にも上るという事です。徐々に増えているという事は聞いていましたが、以前からなぜ?と大変疑問に思っていましたし、これ程に上るとは思っていませんでした。

 これに関して、米国臨床腫瘍学会(ASCO)からやりすぎじゃないのかという注意喚起をする記事が最近配信されました。この記事を読んでも、やはりなぜ?というのはわかりませんが、ASCOが警告を出すほどに深刻な状況であることは理解できます。

 アメリカの病院や外科医が利益を上げるために患者さんに手術を勧めているなどとは思いたくもないですが、実際に手術件数が激増しているだけにその懸念は拭い去れないし、結果はそうなっているといわれても仕方がないように思えます。患者さんの希望が強いからという見方があるのかもしれませんが、プロフェッショナルならばそんなことを言い訳にして患者さんにとって意義の低い手術を行うことは、有りえないと考えます。

 患者さんにとって侵襲の少ないセンチネルリンパ節生検などを推進する一方で、意義がほとんどないと思われる侵襲の大きい予防的乳房切除(と再建術)を勧めるようなことは外科医として正直いって理解できません。

 ちなみに日本ではほとんどこのようなことは行われていないはずです。この件は、アメリカの病院や乳腺外科医の程度を表しているのか、一体真実はどこにあるのでしょうか。
# by aiharatomohiko | 2013-08-04 22:12 | 医療

フォン・ミンクビッツとのミートザエキスパート 2013.6.29@乳癌学会浜松


先日浜松で行われた乳癌学会総会は、渡辺亨会長と実行委員の先生方が時間をかけて練りあげられただけあって、とても素晴らしい学会に仕上がったと評判です。その最後に行われたセッションが、フォン・ミンクビッツとのミートザエキスパートです。GBGで行われた臨床試験の紹介なのかと思い参加したところ、大半が組織の紹介に当てられていましたので、紹介したいと思います。

組織:GBGはGmbHなので、有限責任の会社組織とのこと。
アカデミックリサーチの組織であり、契約ベースの試験はしていない。
80-100名のスタッフが常駐しているが、予定していた試験が走らなかったり、経済環境のために人数を減らすことがある。
PST、アジュバント、MBC、loco-regional、TRの5つのグループがあり、それぞれにエキスパートの研究者が5-10名ほど属している。
450サイトの600名の研究者が参加しているが、NASBPのようなかっちりとした組織でなく、CSPORやJBCRGのような感じ。興味のある試験に登録するシステムになっている。
プロトコール起案からキックオフまで約9か月で、遅れるとしたらファンディングのため。
登録状況:ドイツでの年間乳癌罹患者数は5万5千人とのことで、日本と似ている。
年間登録数は年々伸びており、2012年は2700名ほど。ドイツでは、国家基準(?)でブレストセンターのランク付けがあり、Aの認証を取るには患者数の10-15%を臨床試験に入れる必要があるため、臨床試験登録が盛ん。
資金面:臨床試験の主なスポンサーは製薬企業の様子。
臨床試験を遂行する際に得た副作用情報などを製薬企業に売っている。
TRは主にパブリックなグラントを取ってきている。
臨床試験にかかる費用は一試験30万ユーロから900万ユーロくらいまで様々。
登録に際し研究費は一例あたり0ユーロとか、50ユーロ、2000ユーロまで試験により様々。
ブロック送付につき一例あたり25ユーロ、これはハンドリングフィーにあてられる。
# by aiharatomohiko | 2013-07-28 20:57 | 学会

β-Blockerと乳がんの再発


乳がんの再発リスクが乳がん治療以外の薬を使用すること

によって下がるという知見がいくつかあります。

代表的なものは骨粗鬆症に使用するビスフォスフォネート

ですが、他にも糖尿病のくすり(メトホルミン)や高血圧のくすり

(β-Blocker)があります。

メトホルミンは、現在ランダム化比較試験が行われている

はずです。

今回はJCOにβ-Blockerは再発リスクを下げないという研究結果が

発表されました。

確定的なことはまだ言えませんが、やや残念な結果ですね。

Use of β-Blockers, Angiotensin-Converting Enzyme

Inhibitors, Angiotensin II Receptor Blockers, and

Risk of Breast Cancer Recurrence: A Danish Nationwide

Prospective Cohort Study

Gitte Vrelits Sørensen, et al.

J Clin Oncol 31:2265-2272, 2013
# by aiharatomohiko | 2013-06-16 22:57 | 論文

第2回長州Breast Cancer Conference


6/1に山口で行われた第2回長州Breast Cancer Conferenceで講演を

行いました。


昨年の第1回に引き続いて座長の山口大学の山本先生に呼んで

頂けたのは、昨年の講演の出来が悪くなかったものと思われます。

お題は“複雑化する臨床試験のデータを単純に理解するために”

というもので、第III相試験の結果をどのように理解すると臨床の役に

立つのか、という観点での講演でした。


内容は、

・ベバシズマブの一次療法における意義

・術前化学療法におけるpCRの意義

を代用エンドポイントと真のエンドポイントの関連性という視点から

解説しました。


お伝えしたかったことを搔い摘んでいうと、代用エンドポイントだけで

結果を考えるととんでもない解釈になることがあるので、RCTの結果は

真のエンドポイントで考えましょう、ということです。


ところで、ベバシズマブの併用がPFSで差が出たのにOSで差が出ない

理由に関して、涙ぐましいへ理屈がこねられる場合があります。

・試験終了後、標準治療群にベバシズマブがクロスオーバーで使用されて

いるので、OSの改善効果が検出し難くなっているのでは?

→クロスオーバーしなくても効果が検出されないかもしれないのに、なんて

楽観的かつ無意味な考え方なのか。ため息がでます。そもそも、

クロスオーバーしたから、みたいな言い訳を許容せずに優越性を示す

試験デザインを組まなければなりません。

最近の臨床試験はほとんどそういうデザインになっているはずです。


・試験終了後、二次治療以降に使用する薬剤の影響で、OSの改善効果

が検出し難いのでは?

→その程度で消える治療効果ならば、そもそも効果が有るとはいえません。


要は、ある治療が有効であると主張するのであれば、有効性が

検出されない言い訳を考えるのではなく、その結果を目に見える形で

出しましょうね、ということです。


この話題に関しては、今年の臨床腫瘍学会のシンポジウムで癌研の

腫瘍内科の先生を相手にしてのディベートが、また、pCRに関しては、

乳癌学会で杏林大学の先生を相手にしてのディベートが予定されて

いますので、もう一段理論武装して臨むことにします。


また、非劣性試験の考え方をトラスツズマブの術後療法のRCTから

説明しましたが、時間が無くて端折りながらだったので少し分かりにくかった

かもしれません。

質疑応答しながらでしたが、いつのまにかノンストップで2時間が

過ぎ、私も大変勉強になりました。


山口は毎回雨なのですが、会の後も楽しいディスカッションが出来た

ので、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。


有難うございました。


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# by aiharatomohiko | 2013-06-02 23:50 | 講演

Pertuzumabはいい薬。CLEOPATRA OSデータから

えー、これだけ間が空くとまたお会いした際に何してたんだといわれるのは

間違いないのですが、何をしていたのかというと、えー、乳癌学会の

ガイドラインの仕事が忙しかったということで、ご理解よろしくお願いします。

今はまた患者さん向けのガイドラインの仕事が始まりましたのと、山口での

講演準備・浜松での乳癌学会がらみ・臨床腫瘍学会でのお仕事などで今後も

滞ると懸念されます(汗)。


さて、HER2陽性転移乳がんの一次治療として、ドセタキセル+トラスツズマブ

±ペルツズマブを検討したRCT(n=800)の全生存期間(OS)の結果が

発表されました。

Lancet Oncol(http://dx.doi.org/10.1016/S1470-2045(13)70130-X)。


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イベント数267、追跡期間の中央値約30か月で、プラセボ群のOS中央値

37.6か月、ペルツズマブ群のOS中央値(未達)、ハザード比

(0.66, 95% CI 0.52−0.84; p=0.0008)と、ペルツズマブの圧勝ながら、

もっと長く追いかけたデータを見てみたい感じです。


しかしながら、ペルツズマブで副作用が増えるわけではないことを考えると、

ペルツズマブが上市されたら基本的に使用する方向になりそうです。


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ただ、フォレストプロットでは、臓器転移がない場合にはペルツズマブの

明らかなメリットが認められていないので、リンパ節転移や骨転移だけの場合

には、積極的に使用しないだろうと考えています。


本文中でもこの点にはホンの一行ですがきっちりと触れられていて、研究者の

良心を感じさせます

(引用:The analysis of overall survival in predefined subgroups

accorded with the analysis in the whole intention-to-treat 

population, indicating a consistent eff ect on survival with 

pertuzumab, trastuzumab, and docetaxel compared with placebo,

trastuzumab, and docetaxel for all patients except those with non-visceral

disease)。


通常フォレストプロットは参考程度にしか見ないのですが、このデータは

日常臨床で使用する際に注目してよいと考えます。

治療効果が大きく副作用が少ない薬剤は、試験結果の解釈や使用方針が

ややこしくなくてよいですね。
# by aiharatomohiko | 2013-05-05 13:41 | 論文

SABCS2012 pCRは代用エンドポイントとして失格その2

CTNeoBCを更に続けます。


CTNeoBCでは、pCRがどの程度改善されたらEFSやOSがどの程度

改善されるのかについて、RCTをメタ解析することにより調べており、

具体的には、各試験で新規治療によって改善されたpCR率(説明変数)と

改善されたEFSやOSの程度(目的変数)との関係を統計学的に調べた

というところまでいきました。


うまく説明できるかどうかはわからないのですが、肝心のデータを

見てみましょう。


サブタイプ別に分けないで全症例で検討した場合には、pCRの改善と

予後の改善の関係は以下の通りでした。

EFS:R2=0.01

OS:R2=0.18 

ちょっと意訳になりますが、pCR の改善によってEFSが改善されて

いるということを説明できるのは、全体の1%でしかなく、OSでは18%

でしかなかったということです。

pCRの改善で予後の改善は説明できない=代用エンドポイントとしては失格
という訳です。


サブタイプ別に見ても同様です。

予後因子としての意義が低いHR+G1/2をのぞいても、

EFS R2=0.07

OS R2=0.21

と全く相関は見られず。


Triple negativeは予後因子としての意義は大きかったのですが、それでも、

EFS R2=0.01

OS R2=0.003

と全く相関は見られず。


Her2+ subgroupではかろうじて、

EFS R2=0.33

OS R2=0.03

とEFSのみ弱い相関が見られましたが、これはNOAH試験で新規治療群

のみにトラズツズマブが入っていたためで、これが無いと相関はもっと

弱まっていると思います。

ちなみにR2は相関係数Rの自乗なので、EFSの場合には0.5-0.6の間となり、

中等度か弱い相関という事になります。

(Rが±1に近くなると相関が強いという判断。)

OSに至っては、これも全く相関がなしです。


NSABP B27試験の結果をみて、pCRの改善をエンドポイントにした

臨床試験は意味ないよ、というようなことを2006年くらいから

個人的には言い続けてきた訳ですが、残念ながら現状も変わらないですね。


サブタイプ別にみてもその代用エンドポイントとしての意義が否定された

pCR。


まだ、これにこだわって臨床的意義の低い臨床試験を継続するのでしょうかね。

患者さんのためになりそうにないことは、ここらできっぱりと止めるべきだと

思います。
# by aiharatomohiko | 2013-01-18 15:25 | 学会

SABCS2012 CTNeoBC pCRは代用エンドポイントとして失格

CTNeoBCを更に続けます。


今まではおまけのようなもので、ここからが本題なのですが、

内容がおかしいと思われた方は、統計学に詳しい先生に確認を取って

おかしければ連絡ください。


さて、何が本題にはいる前に、話が長くなりますが、しばらくお付き合い

下さい。


pCRが代用エンドポイントとして臨床試験で使用されるということは、

すなわち新規治療でpCRが改善されたら真のアウトカムである再発や

死亡が減りますよ、ということを前提としていることを意味します。


これが担保されていないのであれば、代用エンドポイント

として成り立たず、新規治療でpCRを改善することの意義がなくなります。


つまり、新規治療でpCRになる人が増えてよかったよかったということは、

その結果として再発や死亡が減るということが前提になっている訳で、

再発や死亡が減らなければpCRが増えても意味がないということなのです。


pCRが増えることがダイレクトに患者さんにとって意味があるというので

あれば、その根拠を示すことが必要です。


さて、CTNeoBCでは、pCRがどの程度改善されたらEFSやOSがどの程度

改善されるのかについて、RCTをメタ解析することにより調べています。

具体的には、各試験で新規治療によって改善されたpCR率(説明変数)と

改善されたEFSやOSの程度(目的変数)との関係を統計学的に調べた

ということです。


この方法が代用エンドポイントが真のエンドポンとをどの程度反映して

いるのかを調べる上で最も優れた方法なのではないかと思いますが、

RCTが複数(それもかなりたくさん)必要なので、そう簡単にはできない

手法であるといえます。
# by aiharatomohiko | 2013-01-17 14:58 | 学会

SABCS2012 CTNeoBC サブタイプ別のpCRの意義

CTNeoBCを進めます。

サブタイプとNeoadjuvantによるpCRの関係は以下の通りで、

いままでわかっている知見を確認するものとなりました。

HR+(ホルモン受容体陽性) : Grade 1-2 7%, Grade 3 16%
HER2+ HR+ : No Tras18%, Yes Tras30%
HER2+ HR- : No Tras 31%, Yes Tras 50%
TRIPLE NEG: 34%


さて、HR+HER2-での、pCRの予後因子としての強さをグレード別に見た結果は、

全体:HR=0.49, P* < 0.001
G1/2:HR=0.63, P* = 0.07
G3:HR=0.27, P* < 0.001

と、G1/2では予後因子としてあまり強くないことが示されました。

GBGの解析では予後因子にならなかったという結果だったと思いますが、

今回は症例数が増えたために、弱い相関が検出できたのでしょう。


HER2+では、

全体:HR=0.39, P* < 0.001
HR+:HR=0.58, P* = 0.001
HR-:HR=0.25, P* < 0.001

と、本研究ではHR+でも相関がみられましたが、強い相関が

みられたのはやはりHR-でした。また、HRの状況によらず

トラスツズマブを使用した方がより予後因子としての意義は強い

という結果も報告されています。


Triple Negativeでは、HR=0.24, P* < 0.001と予後因子としては

強いという結果ですが、5年EFSが80%とpCRになっても治癒したと

いえるほどのデータではありません。CTNeoBCでは5年以上の追跡症例数が

まだ少ないために確実なことはいえませんが、5年を超しても再発が増えている

ことが気になりました。以前のデータでは5年を超したらあまり再発が

なかったように思えましたので。
# by aiharatomohiko | 2013-01-16 14:54 | 学会

SABCS2012CTNeoBC pCRは予後因子としては良いものの

pCRの改善は予後の改善に結びつかないので、pCRをエンドポイント

にした意味のない術前化学療法のPII試験はいい加減やめるべきだと

いい続けてはや何年も経ちました。


この考え方を強力にサポートするメタ解析の結果が今回のサンアントニオで

発表されましたので、ご紹介します。


この発表は私的には今年一番の発表でした。


研究名は、”Meta-analysis Results from the Collaborative Trials in

Neoadjuvant Breast Cancer (CTNeoBC)”といいます。


術前化学療法で得られたpCRと臨床的に意義のあるアウトカムであるEFSやOS

との関係をNeoadjuvantのランダム化比較試験のメタ解析で検討した研究です。

12RCT の12993という大規模なデータです。

うちGBGが半分も占めるのですね。


TRIALS  Patients (n)
GBG/AGO: 7  6377
NSABP: 2  3171
EORTC/BIG: 1   1856
ITA: 2   1589
Total # patients   12993


pCRが予後因子になるかどうかですが、pCR=ypT0/is ypN0とした時に、

EFSがHR=0.48, P* < 0.001

OSがHR=0.36, P* < 0.001

といずれのアウトカムとも相関することが確認されました。


まあ、これはもともとn0がpCR 群に含まれてしまう、別の言い方をすると

n0は絶対にnonPCRには含まれない、つまりpCR群の方がステージが早い

ケースが多く含まれているに違いないので、当然といえば当然の結果ですかね。


さて、この種のデータを見ると、EFSよりもOSのハザード比がいつも小さく

なっている様に思います。


その理由を考察すると、例え再発してもpCRになった症例は化学療法が

良く効くために予後が良いと言うことなのかと思いますが、実際には

どうなのでしょうか。
# by aiharatomohiko | 2013-01-15 14:00 | 学会

SABCS2012 LEAstudy

ホルモン受容体陽性の進行乳がんで内分泌療法としてレトロゾール

もしくはフルベストラント±ベバシズマブのランダム化比較試験。

n=380とOSを見るにはあまり大きな規模とは言えない試験である。

PFSは、13.8月vs18.4月、p=0.14とBEV群で良い傾向にあった。

OSは41月vs42か月で差はない。


進行再発乳がんでは、アバスチンは化学療法との併用に加えて

ホルモン療法併用でもアウト。

合計で5アウトか6アウトくらいかなあ。もう数えられん。


さすがに、アバスチン大好きの○○先生も、内分泌療法との併用では

使うとはいわないでしょうね。

浜松の先生はこれでも値段が安ければ使うというんだろうか?

まさかね。


今のところ、乳がん患者さんにはほとんどの場合にメリットのない

薬剤のお話でした。
# by aiharatomohiko | 2013-01-14 13:54 | 学会

SABCS2012 その5

LET±選択的CDK4/6阻害薬のランダム化PII試験の結果が発表された。

ホルモン受容体陽性かつHER2陰性のn=165例が対象である。

奏効率が34%vs26%、PFSが 26.1月 vs 7.5か月と、この時点では

かなり有望な結果である。

主な副作用は、neutropenia,leukopenia, anemia, fatigueで、

マネージメントが難しそうなものは無さそう。日本でもPI試験が進められて

いるが、世界では今年PIIIが開始予定とのこと。

この手の薬剤は、内分泌治療単独の副作用があまり強くないだけに、効果の

増強と副作用の増悪のバランスをどう考えるかが、ポイント。


エベロリムスはOSが改善しそうではあるものの、副作用が強そうなので、

バランスをどう考えるかが難しい。
# by aiharatomohiko | 2013-01-13 13:53 | 学会

SABCS2012その4

TEAMstudyの検体を使用して、 6 遺伝子の25変異を (PIK3CAx10, Akt1x1, KRASx5, HRASx3, NRASx2 &BRAFx4)検討した研究の発表。
Sequenom法というMultiplexPCRと98%~以上の一致率を示す方法で変異を調べた。
この一致率が十分であるのかどうか、ちょっと個人的に判断は難しい。

結果:PI3KAの遺伝子変異を1700/4500=40%に認めた。
ほとんど(35%)がE9かE20の変異であった。PgRの発現が高い方が、NG1>3,HER2->+で変異が多い傾向にあった。
PI3KAに変異のあったものの方が転移をきたす危険性が低かったが、多変量解析では独立した因子ではなかった。

以下遺伝子変異の見つかった割合。
AKT 13.2%
BRAF 0.2%
HRAS 0%
KRAS 0.4%
NRAS 0%

ほとんどの症例でRAS/RAFの変異を認めなかった。

この研究から分かったことは、ホルモン受容体陽性乳がんで、PI3KAの遺伝子変異を約40%と高頻度に認めたことと、変異のあった症例はPgR、核異型度、HER2といった予後因子と相関を認めたが、独立した因子ではなかったことです。

つまり、現時点では変異には臨床的な意義はありません。

今後、もし変異の有無がPIK3CA/mTORパスウェイにおける標的治療の効果予測因子として有用であれば、利用価値が出て来るのだと思います。
# by aiharatomohiko | 2013-01-02 23:58 | 学会

SABCS2012 その3

Faslodex 500mg と250mgを比較したCONFIRM試験のOSの

アップデートの結果。n=736。

(PFS HR0.80。中央値で一か月の違いのみ。)

前回は全体の50%でイベントが起こった時にOSは0.84(NS)であった。

今回は、75%のイベントでの解析。解析の多重性は無視している。

HR0.81(95%CI 0.69-0.96)。中央値で4か月の改善があった。

500㎎を使用した方が良さそうな気がするデータではありました。
# by aiharatomohiko | 2012-12-10 16:07 | 学会

SABCS2012 その2

TAM5yvs10yを比較したATLASの結果。8yのフォローアップ。

当初の5年間はTAMのcarryover効果により差を認めなかったが、

5年を過ぎたところから効果に差が表れた。DFSで4%、OSで3%。

5年でのコンプライアンスが60%、全体では80%くらいだったため、

実際の差はもっと大きいと思われ、10年のTAMは無治療と比べると

30%ほど乳癌死亡を減らすことができる。リンパ節転移陽性や腫瘍径

が大きいとか再発リスクの高いケースは、10年の治療を検討する

必要がある。
# by aiharatomohiko | 2012-12-10 15:47 | 学会

SABCS2012 その1

S1-1BIG1-98でのILC(invasive lobular carcinoma)での

治療効果を検討した研究の発表。遺伝子発現プロファイルでは、

ILCの77%がルミナルAに分類される。切り替え群を含まない4922例

での解析。4922例中3200例が解析対象。324例がILCで、2599例が

IDC。

サブタイプは、Ki67 14%をカットオフとしてルミナルAとBを分類したところ、

IDCよりもILCでルミナルAの割合が高かった。DFS OS IPCWを

エンドポイントとして検討した。

LET群はTAM群と比較すると、IDCのHR0.8に対してILCではHR0.48

と差が大きくなっている。その理由は、LET群のILCのDFSはIDCと変わら

ないが、TAM群での予後が不良なためのように思われた。

ルミナルAでは、IDCでTAMとAIでDFSに差がなく、これらはILCのLET群

とDFSがほぼ同等であった一方、ILCではTAM群の予後が不良であった。

ルミナルBでは、IDCもILCもLETが良好。OSも同様の傾向であった。

この結果はその理由があまり明確ではなく、他の試験でも同様であるか

どうかの検討が望まれた。
# by aiharatomohiko | 2012-12-09 15:45 | 学会

SABCS2012 概要

今年のサンアントニオは、例年になく暖かく最高温度は25℃を超える日

もありましたが、朝夕は涼しく、会場の冷房は効き過ぎるくらいでした。

時差ボケは例年のごとくで、特に午後昼食をとってからひどくなります。

今回もPIIIの試験結果がいくつも発表されています。また、N-SAS BC03

の長期フォローアップのデータを愛知県がんの岩田先生と杏林大学の

井本先生にご発表頂き、意義深い学会となりました。
# by aiharatomohiko | 2012-12-08 07:11 | 学会

第10回 兵庫乳癌薬物療法研究会で講演しました

11/9に行われた第10回 兵庫乳癌薬物療法研究会で講演を

行ってきました。


題は、”真のエンドポイントでエビデンスを洗い直す”という

もので、本年2月の東京と山口の研究会から始まって、

乳癌学会のサテライトを経ての流れを汲んだものでした。

いずれの研究会でも聴衆の先生方の反応に手ごたえがあった

内容でしたが、今回が最も練られた内容になったためもあり、

それなりに好評だったと思います。


それは良かったのですが、最後にフロアの先生とのやり取りで

チョイ熱になってしまったところを今回ご一緒させて頂いた

渡辺亨先生に止めて頂いたのには感謝しています。

が、渡辺先生も大人になられたなと。まあ、冗談ですけど。

師匠の高塚先生もお出でになられていたので、久しぶりにお話が

出来てよかったです。懇親会でもお世話になっている

兵庫の先生方ともお話ができ、いろいろと勉強になりました。


主催者の小西先生によると10回の開催で私は今回で4回目の出演

だったとのことで、いつもご贔屓に有難うございます(笑)。


ところで、この次の週の11/15に行われた第13回ホルモンと癌研究会

のランチョンで講演をさせて頂く機会を頂いたのですが、焦点の

定まらない話になってしまい、ちょっと申し訳なかったです。


後はサンアントニオが待っていますが、 いずれにせよ、これで今年の

講演関係は終了しました。

今年はサテライト準備も入れると6回と例年になく多かったのですが、

上手く行ったことも上手く行かなかったこともいろいろと勉強に

なりました。


それはそうと、ガイドラインの改訂を頑張らなければ年が越せない

のでした。
# by aiharatomohiko | 2012-11-25 22:55 | 講演

EBCTCG その他

化学療法の比較

AC4=6CMF

乳癌死亡:4ACはHR0.80くらい 

治療効果はER、分化度や年齢で変わらない。


TransOX Hayes

バイオマーカーの研究を行うという話

ICH4の問題はKi67の測定方法だけでなく、ERの測定も

標準化が難しい

カットオフをどうするか とにかく標準化が問題

をHayesがしていた。

Ki67は測定誤差が大きすぎて話にならん。

SABCSで人によってばらばらというデータを出すから、

というような話だった。

OncotypeDxでなくてIHC4で良いのではないか、という質問

が出た。

Dowsettに振られていたが、実際にはあれはあれで再現性が難しい。

実臨床で使うには問題があるような話をしていた。


高齢者

欧州では、乳癌の半数が65才以上

70以上はタキサン試験の1.5% 効果は同様にある

他の化学療法や内分泌療法の試験でも70才以上で効果は変わらない

可能性が高い

臨床試験のinclusion criteriaに年齢のみを考慮する必要はない




ビスフォスフォネート

2012.6にEBCTCGでワーキンググループを持った

10Septにテレカンファレンスを持った

Sept2013に解析結果が出る予定。

DFS IDFS OS DDFS などを評価項目とする予定。

標準群で経口のビスが入っている可能性をどうするのかという

Qあり。NSABPでも10%前後のコントロール群で骨塩量減少のため

にBis服用がなされていたと指摘あり。

皆がかなり興味を持っていると思われた。


Sensible guidelines for RCT

2007 2009 2012に国際的な会合が持たれた

承認:複雑高価時間がかかる

試験開始前に複数の機関から承認を得寝ければならないので、

試験開始までに時間がかかる

複数の国で行うとなると、より大変

ICH GCP 試験参加者の権利や安全性のために重要であるが、

柔軟でない しばしば中断される 重要でない事柄に煩わされる

モニタリングも大変

そのためリスクベースのアプローチをとるようになった。

有害事象全て報告ではなく、薬剤の副作用であるという合理的な

理由があるときに報告するようにした。

臨床試験が速やかに進むような方向で検討が進んでいると感じた。
# by aiharatomohiko | 2012-11-24 22:41 | 学会

EBCTCG 2日目

AIOG2012

TAMからAIの選択的切りかえは、ITTは効果を低く打ち切りは効果を

高く見積もってしまう。

DFSはHR0.8(絶対値で3%くらい) 

BC死亡は0.85(絶対値で2%くらい)

OSは2-3%くらい

AIがTAMよりも優れる。

5年過ぎてからは、AIとTAMは変わらないので、同程度のキャリーオーバー

効果があると思われる。

選択的切り替えの問題点に関して、IPCW関連の発表があった。


RTの合併症について

76試験 1951^2000年に開始した試験。

RTvsnoRT

20年で非乳癌死亡が3%増加する。

その理由は、主に心疾患(IHD,心不全、弁膜疾患いすれも L 1.48 

R1.19特に若年で左右差が大きい)、ほかにPE肺がん、食道がん

心疾患による死亡は、心臓への線量に比例する。4.7%/Gy。


MMGスクリーニングの研究

新しい研究がUKで行われることの紹介

通常は、50-70才の3年間隔でのスクリーニング

①47-50才に一回MMGスクリーニングをすることの意義 200万人

②70才以上でスクリーニングすることの意義 100万人

UKでは50-64才のRCTを行うことを70/80年代に失敗した。

65-70才のRCTを2000年代に失敗した。

結果が出るのは2020年代以降になると思われるが、新しいスクリーニング

方法や現代の機器を使用するので、無いよりも遅い方が良い

もし25%の乳癌死亡の低下が得られるのであれば、0.6%の絶対値の

ゲインとなり、他の原因の死亡がなければUKでは費用対効果がある

とされる。


タキサンの試験

2012年Lancet

ERやHER2で効果の違いはない

タキサンvsノンタキサンの研究を次回2013年に行う



アンスラサイクリンの心毒性

どの程度の危険性があるのか

心疾患による死亡は、1.5倍になる。

どの程度の期間危険性が残るのか

白血病は?SEERでは過大評価しているという話あり。
# by aiharatomohiko | 2012-11-23 22:41 | 学会