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乳がんの最新情報を紹介しています
by aiharatomohiko
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<   2011年 09月 ( 5 )   > この月の画像一覧

AZURE試験の論文発表


ゾメタの再発抑制効果を検討したAZURE試験の結果が論文発表されました。

(September 25, 2011, at NEJM.org)

内容は2010年サンアントニオの結果と同じでした。

ただ、今まで行われた臨床試験の結果からは、ゾメタが有効なサブセットが

存在する可能性が否定できないため、もう一つか二つサブセットを絞った

追試験が行われることを期待したいです。

しかしながら、現実には転移乳癌でゾメタはデノスマブに負けたため、

会社が資金を出す可能性はほとんど無いのではないかとは思いますが。
by aiharatomohiko | 2011-09-27 12:59 | 論文

乳がん学会のトピックその3-胃がんと乳がんは同じですか。。。


最後になります。術前化学療法の演題を見ていました。

Dという薬が3週ごとに40mg/m2、Tという薬が80mg/m2で

2週間というレジメで、pCRが○○%だったので、標準治療と同じ

くらいの効果ですという演題でした。

この研究自体がすばらしいとかくだらないとかいう事はさておきます。

問題はDの量です。「Dの3週ごと40mg/m2という量は、再発抑制効果

が証明されているのですか?」と質問したところ、「胃がんで効果が証明

されている量なので、これを使いました。」という返事でした。


あ然としてそれ以上質問をする気が失せたのですが、ここで問題(疑問)です。

①そもそも術前術後の化学療法の目的はなんでしょうか。

②胃がんで効果が証明されたというその効果の指標はなんでしょうか。

③その効果が乳がんの再発を防ぐという効果に翻訳できるのでしょうか。

④pCRをエンドポイントとして臨床試験をするのは、適切なのでしょうか。



万一発表された方がこのブログを見る機会があったら、患者さんのためにも

以上のことを良くお考えになって下さい。
by aiharatomohiko | 2011-09-25 23:14 | 学会

乳がん学会のトピックその2-看護セッションから


当院から発表を行った看護セッションの発表を見ました。

局所進行乳がんの創部ケアの演題では、創部の状況に薬物療法や放射線

治療が影響を及ぼすにも関わらず、ケアの経過ばかりで肝心の治療経過

が抜け落ちているようでした。治療経過の提示なくして、看護の経過を

考える意味はあまり無いのでは?と感じました。


他には、比較的経験の浅い看護師を中心にして患者ケアを多職種で展開

することにより、看護師のスキルアップが見られたという報告がありま

したが、どうすればケアの質を上げることができるのかという視点で

研究する方が良かったのではないかと感じました。


また、患者さんの話をよく聞いたのが良かったという発表がありました。

意義がわかりにくかったので、医療者が話を聞くのと家族が話を聞くのと

どう違うのですかと質問したところ、家族には話がしにくいので医療者が

聞くことが意味があったというような返事が帰ってきた様な記憶があります。

本当に家族に話をしていないのか、そうであれば家族に話が出来るような

環境を整えることの方が重要なのではないかという疑問が湧いてきました。


総じてこういったことをしてみましたという発表が多いのだけれど、

それで結局患者さんにどういったメリットがあったのかという視点のものが

増えれば、看護研究の意義がより大きくなるのではないかと感じました。
by aiharatomohiko | 2011-09-10 17:45 | 学会

乳がん学会のトピックその1-ラジオ波の実力


台風の中、仙台で乳がん学会がおこなわれました。

特に記憶に残った演題を紹介します。


それは、ラジオ波で乳がんを焼くというRFA法の発表です。

平均追跡期間4-5年の時点でのデータですが、乳房内再発率は2cmまで

の腫瘍で5%程度、2-3cmで10%程度、3-4cmで13-15%程度、

4-5cm(おそらく術前化学療法後か)で35%程度と、ひどい結果に

なっています。追跡漏れの患者さんを入れたら、実際の再発率はこれよりも

高くなっている可能性があります。適格基準をきっちりしている病院では、

再発も少ないというデータも紹介されていました。

RFAをきちんと臨床試験としておこなっている病院と、標準治療ではない

のにもかかわらず実地臨床として行ってしまっている病院があるようです。

時間がすべてを運んでくるといいますが、RFAを新しい進んだ治療法と

信じた患者さんは気の毒です。


学会がきちんとしたステートメントを出すべきではないでしょうか。
by aiharatomohiko | 2011-09-07 15:46 | 学会

Iniparibの試験結果その2 ASCO2011

現時点で正解と言える解釈は無いでしょう。

ただ、この試験がおそらくFDAの認可をとるために行われた試験であろう

ことを考えると、薬剤の認可という観点からは、事前に設定した仮説を

証明できなかった=ハードルを越えることができなかったことから、

規制当局としてはネガティブであったとしか言い様がないと考えます。

つまりは、この試験単体では、乳がん治療薬として認可を受けることは

難しいのでしょう。認可という観点から言えば、事前のp値の割り振りが

0.01と0.04でなくて0.04と0.01だったら無増悪期間ではポジティブ

じゃないかなどといってみた所で始まらない話なのです。

iniparibはアバスチンと違って重篤な副作用がないようなので、

全生存期間の改善がなくても承認された可能性はあるので、製薬会社から

すれば残念だとは思いますが。


ただ、それとこの薬が乳がんに効果がないということとは同じ意味では

ありません。どのようにすればiniparibの効果が証明できるでしょうか。

この試験結果から無増悪期間が改善される可能性がありそうなので、

もう一本か二本試験を行ってみるという方法はあるでしょう。

それらの試験で有意差を持って有用という結果が出るとかメタ解析を

して有用性を確認するとかすれば良いはずです。

この試験はリクルートが簡単であったような記載がウェブにあったので、

これは困難ではないはずです。

しかしながら、製薬会社はバイオマーカーの探索でお茶を濁そうとして

います。その理由は何故なのかわかりません。


それにしても、結果が素晴らしすぎた第II相試験の結果がNEJMに

掲載され、その効果が第III相で確認できなかったわけです。

複数のがんで数多く行われたアバスチンの試験結果の論文発表で見られた

ように、結果が良すぎて眉唾なものだけがNEJMに掲載されることが

再現されたようで、やな感じですね。

ただ、そういう風にナナメに見ておかなければ、”良いデータ”に足を

すくわれるのかもしれません。


より問題なのは、この試験では標準治療群にiniparibのクロスオーバー

投与を許容しているので、iniparibが真の目的である全生存期間の改善に

貢献するかどうかが全く分からないデザインになっている点です。

クロスオーバー投与をしないと倫理的に問題があるとかないとかいう

議論はあるものの、そもそも真に効果があるかどうか、またその効果は

どれほどのものなのかが分からなくては使うべきかどうかがわかりません。

今後こういった試験デザインを取るべきかどうかを真剣に議論すべき

ではないでしょうか。
by aiharatomohiko | 2011-09-06 00:14 | 学会