excitemusic

乳がんの最新情報を紹介しています
by aiharatomohiko
ICELANDia
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
検索
タグ
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


<   2010年 03月 ( 5 )   > この月の画像一覧

サンアントニオ2009 デノスマブは骨関連事象を減少する


骨転移に対して、デノスマブとゾレドロン酸を比較した試験の結果が

発表されました(ダブルブラインド・ダブルダミー)。

1群1,000例の十分な検出力を持った試験です。

初回骨関連事象までの期間は18%のリスク低減が見られ、特に

投与期間が一年を過ぎた頃からイベント発生率がデノスマブ群でぐっと

減るような印象です。

複数回のイベントをカウントした場合には23%のリスク低減となります。

ともに統計学的有意差を持ってデノスマブが勝っていました。

無病生存期間や全生存期間は両群で変わりませんでした。


この試験から、極めて大きな差というほどではないかもしれませんが、

デノスマブの優位性が明らかになったと思います。

後は重篤な副作用(顎骨壊死の頻度など)の発現で、どちらの薬剤を

選択すべきかが決まります。

ほとんどの副作用でデノスマブが有利なようでしたが、問題の顎骨壊死が

2.0%とゾレドロン酸の1.4%よりも多かったのが気にはなります。


効果だけから言えばデノスマブを使用すべきなのでしょう。

ただ、その差が著しく大きいとまではいえず、絶対的な頻度が低いとは

いえデノスマブに顎骨壊死が多いかも知れない可能性を考えると、

現時点で結論付けるのは少し難しい気がします。

もう少し長い期間効果と副作用をモニターする必要があるかもしれません。

値段もゾレドロン酸よりも相当高いらしいので、費用対効果を考える必要

もあるでしょう。
by aiharatomohiko | 2010-03-31 20:45 | 学会

サンアントニオ2009 ビスフォスフォネートと乳がん発症リスク


骨粗鬆症の治療薬であるビスフォスフォネートを服用している人と

していない人で、乳がんの発症率が異なるかどうかを調べた研究の

発表が二つありました。


WHI(women health initiative)を対象とした研究では、ビスフォス

フォネ-トを服用している人では浸潤がんが三割ほど減りましたが

(1000人年あたり4.38人 vs 3.29人)、非浸潤がんは逆に増えて

いました(1000人年あたり 0.98人 vs 1.53人)。

ここのところが結果の解釈をややこしくしています。

なんらかのバイアスによるものが懸念されるのではないでしょうか。

非浸潤がんと浸潤がんを合計すると、1000人年あたりビスフォスフォ

ネートの服用あり4.82人 vs 服用なし5.36人となりほとんど変わらなく

なります。

この結果だけでは、ビスフォスフォネートの服用により乳がん発症が減る

とは言えないのではないでしょうか。


その一方、イスラエルからは一年以上ビスフォスフォネートを服用した

場合に三割ほど乳がん発症が減るという結果が発表されていました。


これらの結果を総合しても、ビスフォスフォネートを服用することが乳がん

発症予防につながるかどうか、結論付けることはできません。


ラロキシフェンで行われた様に、骨粗鬆症を対象として介入したランダム化

比較試験の参加者のデータを解析することによって、より明らかな結果が

分かるのではないかと思います。
by aiharatomohiko | 2010-03-29 22:24 | 学会

サンアントニオ2009 アルコール・肥満と乳がんの予後


一般に適量のアルコールは、健康に良く死亡のリスクを減少させること

が知られています。その一方で、アルコールを多量に飲用すると、

乳がん発症のリスクが上昇することが60以上の研究から示されています。

ただ、再発との関連については一定の見解はありませんでした。


今回1,897名の早期乳がんの前向きのコホートであるLACE studyから

結果が発表され、アルコールを1日6グラム以上飲むと再発の危険性が

3割ほど、乳がん死亡が5割ほどふえる可能性が示唆されました。

ただし、前述したようにアルコールは死亡のリスクを減らすためか、

全死亡には強い影響を認めませんでした。

アルコールと再発の関係は、閉経後の人と肥満の人に強く認めました。


肥満と乳がんの予後との関係は以前に報告されており

(NEJM 2003;348:1625.)、BMIが25を超えると乳がん死亡が

34%ほど増加し、BMIが増加するに伴って危険度がさらに上がります。

今回オランダのグループから、BMIが25を超える人はそれ以下の人

よりも診断後5年後以降に遠隔転移をきたす危険性が4割ほど高い

ことを示唆する発表がなされました。

乳がん死亡は診断後10年目以降に20-40%ほど高くなるとのことです。


ちなみに、BMI25とは、身長150cmで56kg、160cmで64kgです。

外来で体重をうるさく聞くのも、再発予防に効果がありそうです。

いやがらせ、ではないですよね。
by aiharatomohiko | 2010-03-28 22:24 | 学会

サンアントニオ2009 術後ホルモン療法


・TEAM試験のエキセメスタンの5年投与とタモキシフェンからエキセメスタン

への切り換えの比較が発表され、その結果DFS・OSがほぼ同等でした。

BIG1-98試験では、レトロゾール5年投与がタモキシフェンからレトロゾール

への切り換えよりも特にリンパ節転移陽性症例で良好な印象でしたが、

統計学的な差がなかったことから考えると、基本的に同じ現象を見ている

ものと考えられました。


・MA17試験のサブグループ解析が発表されました。タモキシフェン開始時

に閉経前だった人はプラセボと比較して再発抑制のハザード比が0.25と

閉経後の人のハザード比0.69よりも効果が大きかったことが報告されました。

ただ、閉経前の定義でタモキシフェン開始時に卵巣摘出術を行った人が

含まれているので、本当にタモキシフェン開始時の月経状況でレトロ

ゾール延長投与の効果が変わるのかは疑問です。

バイアスの可能性も大きいのではないでしょうか。


また、タモキシフェン終了から1~6年経過しても、レトロゾールを追加投与

することにより再発抑制効果がある可能性が報告されました(非ランダム化

の観察研究)。


MA17は早期終了した臨床試験ですが、サブセット解析など次から次へ

とデータが出てくるのは驚異的です。しかも、ほとんどがpositiveデータです。

これがいいのか悪いのかは判断つきかねます。


・アロマターゼ阻害薬を使用したMA27で、服用後早期(3ヵ月~12ヶ月)

の副作用がATAC試験とは異なり予後とは関連しないことが報告されました。

どちらが正しいのか、判断つきかねます。

最初のデータがマユツバである場合が多いですが、関連性があるけれども

程度が弱いために、データセットにより結果が異なるということもありえます。
by aiharatomohiko | 2010-03-17 19:00 | 学会

サンアントニオ09 疫学的見地からみた乳がんの原因と予防


疫学的な見地からみた乳がんの原因と予防について、plenary lecture

がありました。


西欧諸国では発展途上国よりも生涯乳がん発症率が高いが、その原因

として生活習慣が挙げられます。

ホルモン補充療法の効果が大きいとされているが、終了して3-5年も経てば

その影響は低くなります


米国の年間乳癌発症者18万人のうち、肥満・アルコール・HRTを無くす

事で4万人減ると考えられます。

しかし、もっとも影響が大きいと思われるのは、子供を産む事と授乳である

と考えられています。

子供の数が多ければ多いほど、授乳期間が長ければ長いほど乳がんに

かかる危険性が減ります。ただし、子供1人の人に対して、3人の人で

一割強、授乳無しの人に対して授乳期間3年で一割強の乳がん罹患率

の低下です。この効果は表れるまでに10年を要するが、長期間

継続します


ただ、出産や授乳を若い女性に強制することは出来ないので、成人して早い

時期に妊娠後期~授乳期に渡るホルモン環境にすることで、生涯にわたり

乳がんの発症を減らすことが出来るのではないか。

具体的な方法は理解できませんでしたが、そういった“ホルモンワクチン”

を使うことで、乳がん発症予防をすることが演者らの目的だということでした。
by aiharatomohiko | 2010-03-14 22:50 | 学会