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by aiharatomohiko
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<   2009年 05月 ( 3 )   > この月の画像一覧

ゼローダ vs AC/CMF:その2


2.4年の期間の観察において、再発と死亡ともにゼローダが標準化学療法

の約二倍に上っており、ホルモン受容体陰性と腫瘍径が大きな場合には

さらに悪くなることが示され、試験は600例あまり登録された時点で中止

されました。

ハザード比が2倍と言うことは、ゼローダは無治療よりも悪いのではないか

というくらいの勢いです。なぜ、こんなに悪いのでしょうか?


6サイクルつまり18週間という期間が短いのではないかという説。

大腸がんでは8サイクルで十分な効果がありますので、乳がんでももし

効果があるとすると8サイクルを6サイクルにしただけで効果が全く台無し

になるようなことは考えにくいのではないでしょうか。

もちろん、CMFとUFTの2年の効果がほぼ同等であったN-SAS BC01試験

の結果を考えると、治療期間を伸ばす事により効果が改善される可能性が

皆無ではないですが、ER陰性症例のカプランマイヤー曲線を見ると、

試験開始早期からゼローダ群でガンガン再発していることが分かるので、

治療期間を長くしても標準化学療法と同じ効果が出るかどうか疑問に

思います。大腸がんとの比較で考えると、途中で用量を下げることが

しかたが無いにしても、まず2500mgから開始することが重要なのかも

しれません。もしくは、乳がんではFUの役割が大腸がんのように重要では

ないのかもしれません。

ただ、N-SASBC01の結果を考えるとそうは言えなさそうですし、進行

再発症例のデータではそれなりの有用性が示されていますし。。。


ゼローダの術後療法での有用性を結論づけるのには、AC-T vs AC-XT

の試験結果が出るまでは確定的な事はいえませんが、少なくともこの

スケジュールでゼローダを使うのはできません。

70才以上の方が6割ほど含まれているにもかかわらず、AC/CMFが

良好な忍容性と有用な効果を示したことが推測されたのは良かったの

ですが、ゼローダの効果がありえないくらいに悪い説明するよい理由は

思い浮かびません。消化不良でした。
by aiharatomohiko | 2009-05-23 00:13 | 論文

ゼローダ vs AC/CMF:何でこんなにゼローダが悪いのか?


65才以上の高齢者乳がんの術後化学療法として、ゼローダと標準的な

化学療法であるACもしくはCMFを比較した試験の結果が、

NEJMにのりました。

この試験はTACTと同様に標準療法が二種類どちらでも良いことになって

いますが、TACTと異なりこの二種類の試験はどちらも効果において同等

であることが証明されています。


試験の方法は一風変わっていて、統計学的な検証方法が流行りといっては

オーバーかもしれませんが、“adaptive Bayesian”デザインをとっています。

イベント数を途中でモニターすることにより、仮説が検証できるかどうかを

経時的に見ながら、試験を行う方法と理解していますが、正直正しいかどうか

分かりません。

必要症例数を事前に適当に見積もっておくだけでよいのが特徴です。

詳しいことは”Mr. adaptive” 大橋靖男先生の近著をご覧になるのがよろしい

かと。


研究仮説は、ゼローダの標準的化学療法に対する無再発生存期間(RFS)に

ついての非劣性です。RFSはDFSとイベントの取り方が異なっており、

差がある場合に検出しやすいエンドポイントです。


この試験のゼローダの用量は、まず2000mgの二週投与一週休薬を

一サイクル行った後に、2500mg/日に上げて全6サイクルですが、

2500mgでの毒性が強く途中で量が2000mgに固定されました。

当初のデザイン自体も“へえー”という感じですが、2500mgで毒性が

強すぎてプロトコールが改変になったというのは、印象深いです。

大腸がんの術後療法でも2500mgでゼローダの8サイクルが使用され、

ロイコボリン+5FUを上回るくらいの成績を残しているにもかかわらず、

毒性が強く完遂が難しいことが報告されているからです。

大腸がんにおけるFU系の薬剤としては、ゼローダが標準と考えても

よい結果を残しているのですが、乳がんでは違いました。
by aiharatomohiko | 2009-05-20 22:17 | 論文

TACT試験:よくわからない結果


4162例の早期乳がんに対する術後療法試験として、FE60Cx4+DTX100x4

を標準レジメ(FE60Cx8(n=1200)またはE100x4-CMFx4(n=800))

と比較したTACT試験の結果がLANCETにのりました。


結果は、タキソテールの追加投与による生存期間延長効果が

認められませんでした。


その主な理由は、試験デザインがまずいことが原因だと思います。

E60は術後療法として使用するには、量が足りず効果があまり望めません。

標準レジメがFE60Cx8だけであれば、かなりはっきりとした差が出た可能性

がありますが、E100x4-CMFx4は、FE60Cx4+DTX100x4を効果として

上回る可能性があります。

効果に差があると思われる二つの治療法を標準レジメに含んだことが

この結果につながったのではないでしょうか。


バイオマーカーによりタキサンの効果を予測できるのではないかという

おまけの部分が評価されて、このようなデザインがまずくしかもnegative

な結果の試験でもLANCETにのるというのは、正に今風ですね。

研究者がイギリス人であるというのもかなり効いているようにも思いますが、

うがちすぎでしょうか。
by aiharatomohiko | 2009-05-17 20:10 | 論文