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乳がんの最新情報を紹介しています
by aiharatomohiko
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<   2009年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧

サンアントニオ2008 NSABP B30 ちょっとがっかり


AC60/600 4サイクル-DTX100 4サイクルとAT60/60 4サイクル

(→1/3症例集積時点で50/75に変更)とTAC60/60/600

(→同時期に75/50/500に変更)を比較した術後化学療法のランダム化

比較試験で、5000例以上という多数の登録があったNSABP B30の73ヶ月

のデータが発表されました。


AC-DTXに対してATは非劣性、TACは優越性をみた試験です。


1次評価項目が全生存率、2次評価項目が無再発生存率と、術後療法の王道

を行くエンドポイントの取り方で、これはさすがNSABPといった感じです。


結果は、AC-DTX>AT=TACでした。

つまり、試験の仮説は二つとも棄却されたということです。


途中で用量変更されことはATの効果には響いてなさそうだというデータの提示

がありましたが、TACにはそういったデータの提示がないうえにサイクル数が

ウェストコースとでデータのある6回でなく4回だったため、日常臨床に与える

インパクトは残念ながら低いといわざるを得ません。


術後化学療法については、以前発表のあったE1199のデータと今回の

BCIRG005のデータを見れば必要なレジメ選択が可能になると思います。
by aiharatomohiko | 2009-02-22 21:09 | 学会

サンアントニオ2008 ネラチニブ、真打登場か?


ネラチニブは、HRE-1,2 ,4の細胞質内のチロシンリン酸化領域に共有結合

し、自己リン酸化を妨げることで、下流の細胞増殖パスウェイをブロックする

経口の分子標的治療薬だそうです。


HER2 FISH陽性の転移・進行乳がんが対象の、16週の無増悪期間を

一次評価項目とした単剤の第II相試験の結果が発表されました。

ハーセプチン既使用群(n=61)の奏効率が26%、ハーセプチン未使用群

(n=66)の奏効率はなんと56%でclinical benefit rateが88%と、とてつも

ない数字でした。

無増悪期間の中央値もそれぞれ23週と40週と、驚くほど良好な結果でした。

無増悪期間が40週というのは、ホルモン感受性転移性乳がんに対する

レトロゾールのそれと同じなので、どれだけすごいかがよく分かると思います。

ちなみに、ハーセプチンとラパチニブの一次療法での奏効率が25-35%くらい、

無増悪期間が16-20週くらいというところを考えると、段違いの効果です。

副作用は消化器症状、特に下痢が中心ですが、十分に対応可能と思われ

ました。


PIIの結果しかないので時期尚早なのは百も承知ですが、思いもよらない

副作用が出ない限りハーセプチンとラパチニブは近い将来ネラチニブに

置き換わるのではないか、そう思わせるような結果でした。
by aiharatomohiko | 2009-02-11 23:09 | 学会

サンアントニオ2008 レトロゾール vs レトロゾール+ラパチニブ


ホルモン感受性閉経後進行再発乳がんに対して、一次治療としての

レトロゾール vs レトロゾール+ラパチニブを比較したRCTの結果が

発表されました。

全症例はn=1,286で、HER2+はn=219でした。

HER2-が含まれている理由は、ラパチニブのEGFRを抑制する効果を

期待してのことだったと思います。


HER2+での無増悪期間は、レトロゾール+ラパチニブで30%ほど改善

されており、統計学的にも有意な差でした。

全生存期間の中央値は32.3ヶ月vs33.3ヶ月と有意な差を認めず、

生存曲線はレトロゾール+ラパチニブで25%ほど改善されているものの、

有意差はありませんでした。

ただ、生存曲線自体はイベント数が増えるか症例数を増やすかすれば、

差が出そうな感じなので、解釈が悩ましいです。

このデータを見て、積極的にレトロゾール+ラパチニブを一次療法で使用

するかどうかは、微妙です。


HER2-では両群間で無増悪期間の差を認めませんでしたが、cox比例

ハザード分析による多変量解析を探索的に行うと、ハザード比が0.77と

有意にレトロゾール+ラパチニブが勝っていたという結果も出ていました。

結局ラパチニブはHER2-に効果があるのでしょうか?

通常の解析では差が出ないのに、多変量解析をしたら差が出るって

どういうことなのか?


いくら思案しても分からなかったので、CSPORの年会で統計家のProf.大橋

にお伺いしてみました。この辺りかなりややこしく理解できているか自信が

ないのですが、共変量がきれいにランダム化出来ていないためこう言う

事がおこっており、データの精度が高いと言えないとおっしゃったと記憶して

います。


タモキシフェンの以前の使用が有意な共変量であったと書いてあるので、

この因子がランダム化時点でバイアスがかかっていたと言う事でしょうか。

岩井さん、解釈を教えて下さい。
by aiharatomohiko | 2009-02-08 23:15 | 学会

ホルモン治療の影響を周囲が理解することの難しさ


ホルモン治療は、抗がん剤治療と比較すると副作用が軽いとみなされて

います。もちろん、髪が抜けたりとか吐き気が強いといった、誰が

見ても分かるような副作用はあまりありません。

しかしながら、ホルモン治療には副作用が全く無い訳ではないどころか、

人によっては日常生活に大きな影響を与えます。


悪いことには、ホルモン治療の副作用は、周囲からは分かりにくいもの

です。治療期間が5年以上という長期に渡るため、しばらくはケア

してくれていたご家族も時間が経つに連れて、ご家族はそう思い込みたい

こともあってだと思いますが、”もう治ったんじゃないか”という態度で

接することも少なくないようです。

ご本人は副作用でしんどい上に再発の恐れを抱えたままの状態でいる

のにもかかわらず、です。


どうやったらご家族に分かって頂けるのか、しばらく思案していました。


”私はこんなにしんどいのに!”といって頂くのが直接的なのですが、

なかなかそうは言えない方のために、武田薬品のご協力で小冊子を

作りました。

そっと食卓の上に置いて見てください。

きっと、“こんなことくらいわかってるよ。”といった顔で読んで

くれることでしょう。

そして、治療のしんどさを再認識してもらえれば良いですね。


ブログにはpdfはアップできないようですので、ホームページに近日中に

アップする予定です。一度ご覧になって下さい。

お役に立ちそうであれば、冊子を受付の前に置いていますので、

お持ち帰り下さい。

他院に通院されている方は、担当医に取り寄せて頂くよう頼んでみて

頂ければ、国内の方は入手できると思います。
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by aiharatomohiko | 2009-02-01 22:18 | お知らせ