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by aiharatomohiko
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<   2008年 06月 ( 5 )   > この月の画像一覧

栃木県乳腺研究会で講演してきました


薬物療法のランダム化比較試験を例にとり、”エビデンスにだまされない

臨床試験のデータの読み方”という題で、栃木県の研究会で講演をさせ

て頂きました。


内容は、ファルモの術後療法における用量設定の問題点、術前化学療法

におけるpCRをエンドポイントとした臨床試験の問題点、中間解析結果の

解釈の問題点、ATAC100のデータプレゼンにおける問題点に関して

でした。内容について参加された先生方にお聞きしたところ、

”私もだまされてる”といった意見を複数頂き、おおむね好評の様でした

が、疑問点や改善点がありましたら、またご意見よろしくお願いします。

フロアから頂いたご質問のあとディスカッションになった時に、骨密度

一つとるのにも大病院では大変な手間がかかることなど、解決困難な

ことがあるのに今更ながら気がつきました。大病院ならではの良い点も

もちろんあるわけですが。

当日栃木県がんセンターの認定看護師の方の講演もあり、

印象に残った内容は、認定を取ってからも当初は病棟配属となり、

しばらくして部署横断的な活動ができるようになったという

ところで、どこかの病院でも聞いたようなお話でした。

医師よりも看護師の方が人事の面では硬直的なところがあるようで、

これも大病院ならではの弊害といえます。

幸い当院ではリエゾン専門看護師による全患者さんへの介入が出来て

いるため、ケアとキュアを高いレベルで追求できていると現時点では考え

ています。(医師の方に念のためにご説明しますと、専門と認定の違いは、

2年の修士課程と半年研修の違いです。)

きめの細かいフォローは、小さい病院ならではのメリットといえます。


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by aiharatomohiko | 2008-06-29 23:24 | 日常

閉経前:タモキシフェン vs アナストロゾール


プライマリーエンドポイントである無病生存率は、タモキシフェンと

アナストロゾールのカプランマイヤーカーブがベタベタに引っついて

いて、離れそうにありません。無再発生存率にしても同じことです。

それだけではなく、イベント数では、アナストロゾールの方が多い。

つまり、悪い。(イベント数 TAM:ANA DFS 72:65 RFS 72:64)

これでは、時間が経ってイベント数が増えても、アナストロゾールが

勝つことはなさそうです。


さらに驚いたことには、全生存率では危うく有意差をもってアナストロ

ゾールが負けかけているではありませんか。

イベント数、つまり死亡者数では、アナストロゾールがタモキシフェンの約2倍

に上っているのは、驚きを通り越してちょっと信じられないくらいです。

(イベント数 TAM:ANA 27:15 p=0.065)

死亡については発表で具体的には触れられていないので、詳細は

わかりません。


今ヨーロッパなどで行われている閉経前の人を対象にしたアロマターゼ

阻害薬の臨床試験がこの結果をもって早期に取りやめになると言う事はない

と思いますが、自分の患者さんにはお勧めしたくなくなるようなデータ

ではあります。


かえすがえす惜しいのは、この臨床試験での治療期間が3年であるという

ところですね。もし5年だったなら、かなり確定的なデータになっていた

と思います。


このデータでは製薬メーカーが販促本を作って営業に来ることはないので、

注意しておかないとしばらく経つと目に触れることさえなくなるかも

しれませんね。
by aiharatomohiko | 2008-06-26 22:08 | 論文

ゾレドロン酸(ゾメタ)は再発を予防する その2


閉経前乳がんに対して、化学閉経薬に加えて、タモキシフェン vs

アナストロゾールとゾメタありなしを比較する、ABCSG12試験の

続報です。

本試験は、術前化学療法以外の化学療法が入っていない、

治療期間が3年である、といった弱い点はあるものの、

1999-2006年まで7年掛けて1800名あまりの参加者を得て

やり遂げられた素晴らしい試験であることは間違いありません。

そういえば、ARNO/ABCSGの結果が発表された時のことです。

Jakeszに化学療法の割合は?と聞いたときに”None”と言われた

ことを思い出しました。えーっと思いましたが、オーストリアでは

化学療法をあまりしないのでしょうかね?

対象症例をみて感じたのは、T1が75%とかなり予後が良い

人たちが対象となっていること、術前化学療法が約5%と少ないことです。

n0は約2/3でした。

TAM vs ANAのカプランマイヤーを見て、驚きました。(続く)
by aiharatomohiko | 2008-06-26 00:15 | 論文

第二回市民フォーラム無事終了しました


140名あまりの参加者をお迎えして、6/21金曜日に第二回の市民フォーラム

が無事終了しました。

大阪府立成人病センターの小山先生による乳がん検診の

講演で知ったのですが、箕面市は乳がん検診による早期がんの発見率が

80%と、大阪府の平均である40%強と比べると高いのですね。

たまたまかもしれませんが、やはり勇気を出して乳がん検診に来て

頂きたいと思いました。

私は、乳がんのホルモン治療について、現状と最新知見のお話を

させていただきました。

パネルディスカッションでは、あけぼの大阪の中田さんと早川看護師も

パネリストとして参加して頂いて、いろいろな疑問に対して様々な角度から

検討できたと思います。

最後になりましたが、うまく司会して頂いて全体をまとめて下さった

牧野エミさん、ありがとうございました。
by aiharatomohiko | 2008-06-23 12:54 | お知らせ

ゾレドロン酸(ゾメタ)は再発を予防する


閉経前早期乳がん1800例を対象として、LHRHアゴニスト+タモキシフェン

vs LHRHアゴニスト+アナストロゾール ±ゾメタの投与の効果をみる試験

の結果が、ASCOで発表されました。


アナストロゾールの効果がタモキシフェンを上回らなかったことに驚き

ましたが、ゾメタの投与でイベントが36%減少しており、骨転移だけでなく

局所再発、骨以外の他臓器転移、対側乳がんも減少していたのにも

驚きました。


半年毎に一本ゾメタを使用するだけでハーセプチンに近い再発抑制

効果が得られるというのは、とても費用対効果が高いですね。

副作用はほとんどないでしょうし。

この結果を追試する結果がしばらくうちにいくつか発表されることに

なりそうです。投与間隔・投与期間などにも注意が必要です。


早晩NEJMにでも論文が発表されるのではないかと思いますので、

詳細は改めて。
by aiharatomohiko | 2008-06-03 16:00 | 論文