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by aiharatomohiko
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<   2007年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧

タモキシフェンとアロマターゼ阻害薬の使い分け


タモキシフェンとアロマターゼ阻害薬の使い分けはどうするのが

良いのでしょうか。

ポイントは、①再発抑制効果は、わずかながらアロマターゼ阻害薬の

方が高い ②副作用の出方が違う。

③関連しますが、タモキシフェンには骨折予防効果がある、

というところだと考えます。

つまり、患者さんの再発リスクと併存症を考えた上で、どちらをお勧めするか

決めるわけですが、実際の薬剤の選択を私は以下のようにしています。

①再発リスクが低く骨密度が低下している人には、基本的にタモキシフェン

を勧める。

②再発リスクが低く骨粗鬆症の心配が無い人には、基本的にどちらでも

良いというスタンスで患者さんと相談の上で決める。

③再発リスクが高い人には、基本的にアロマターゼ阻害薬を勧める。

骨密度が低下している人には、ビスフォスフォネートの使用を考慮する。

再発リスクを考えず、誰でもかれでもアロマターゼ阻害薬を処方する人がいる

としたならば、それは事前に患者さんの骨密度を測定していないからなのでは

ないでしょうか。

私は基本的に薬剤選択前に骨密度をデキサ法で調べていますが、

結構低く出る人がいて、アロマターゼ阻害薬を処方するのに躊躇する場面に

結構な頻度で出くわします。

外科医は高齢の方が骨折するとかなりADLが低下するという事をあまり良く

知らないために、骨の問題を過小評価しているところがあるのかも

しれません。

反対に、私は最近骨折の患者さんに接することが多いため、

骨の問題を過大評価する傾向にあるのかもしれません

(内心そうは思ってはいませんけど)。
by aiharatomohiko | 2007-09-22 22:23 | 医療

アロマターゼ阻害薬とタモキシフェン(TAM) その3 TAMの弱点


アロマターゼ阻害薬にネガティブな事ばかり書きましたが、

よく知られているようにタモキシフェンに不利な副作用も多いのが現実です。

最も懸念されるのは、子宮体がんの増加でしょう。

しかしながら、頻度がかなり低いため、臨床上あまり大きな問題とはならない

はずです。

もう一つは、深部静脈血栓症が増えるという問題です。

ただ、エビスタという骨粗鬆症の治療薬があり、深部静脈血栓症の頻度は

タモキシフェンと同等ですが、骨粗鬆症の標準薬として使用されていることから、

副作用として忍容される範囲の頻度と考えてよいのではないでしょうか。

以上のことから、どちらの薬も一長一短あることがわかります。

ということは、患者さんの状態によって薬を使い分ける必要があるという当然

の結論に至ります。

こういった事をよく考えたのであれば、以前企業の研究会のボーティングで

見られたように、なんでもかんでもアロマターゼ阻害薬一辺倒といった事

にはならないと思います。

それでは、どう使い分けるのが良いのでしょうか。
by aiharatomohiko | 2007-09-06 21:29 | 医療

アロマターゼ阻害薬(AI)とタモキシフェン その2 AIの弱点


アロマターゼ阻害薬の問題点とは、主には骨と関節の問題です。

タモキシフェンと比較した臨床試験では、どの試験でもアロマターゼ阻害薬を

使用した群で全骨折率が40%強増えています。絶対値の差は患者背景に

よって異なりますが、1%~3%ほどです。一方、アロマターゼ阻害薬のメリット

である無再発生存率の改善は、アリミデックスとフェマーラの臨床試験では

2.5%ほどで、骨折率の増加で相殺されてしまいます。

”再発したら命が危なくなるが、骨折は手術すれば治るだろう”というスタンス

には問題があります。大腿骨頸部骨折を経験した人は、QOLが低下する

ばかりでなく、その後の生存率がかなり落ちるからです。

椎骨骨折でもQOLは低下します。

ビスフォスフォネートを服用すればよいだろう、というのも安易な意見です。

というのは、ビスフォスフォネートは服用方法がやっかいなため長期の服薬

持続率はかなり低く、食道潰瘍などの重大な副作用もあるからです。

注射剤が使用できるようになれば、この問題は解決します。

しかし、ビスフォスフォネートは正常な骨の代謝を妨げることにより、骨塩量を

増やすので、ごく長期の安全性がわからないのは、いささか不安です。

最適な投与期間もわかっていません。

また、“アロマターゼ阻害薬は、通常の人と比べて骨折を増やすのではない。

タモキシフェンに骨折予防効果があるので、これと比較すると骨折が多いよう

に見えるのだ”という意見がありますが、こんなことを論じてみても、

意味がありません。なぜなら、対象となる人には無治療という選択肢は無い

からです。タモキシフェンと比較するのが当然です。

関節のこわばりも厄介な副作用です。

時間の経過で改善する場合がありますが、かなりな不快感となる場合も

あります。消炎鎮痛剤で改善が期待できますが、仮に消炎鎮痛剤を数年間

処方しなければならないとなると、消化性潰瘍や心臓への影響も無視できなく

なります。
by aiharatomohiko | 2007-09-06 21:18 | 医療