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by aiharatomohiko
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カテゴリ:学会( 99 )

SABCS2016 AI長期投与の総括

AIが入った後の治療でAIを追加投与する試験は、TAMからAIに切り替える試験に比較すると、治療効果が高くないと思われるため、また差が出るのが遅れて出てくるため、精度よく差を検出するにはイベント数と観察期間が足りないと思われる。

再発リスクが高いケースに限っては、AI10年投与を考慮してよいと思われる。


by aiharatomohiko | 2016-12-12 14:20 | 学会

SABCS2016 NSABP B42

TAM/AIもしくはAI5yで無病だった閉経後ホルモン感受性乳がんをLET5yかプラセボにランダム化した試験。DFSがエンドポイントで、中間解析でアルファを消費したため、p=0.0418が有意水準での解析。 n=3923名。4割がn陽性。

60月フォローで631イベント時点で解析が行われ、HR0.85(0.73-0.999)p=0・048 NSであった。

累積遠隔転移は7年で5.8%と3.9%でHR0.72。7年で2%の差。

At risk の数を見ると、これから差が開いていく可能性が高いと思われ、精度高く治療効果を見るためには、やはり長期観察が必要。気になるのはOSのHRが1.15とLETの方に死亡数がやや多いこと。骨折はHR1.2とLETで多い。


by aiharatomohiko | 2016-12-12 14:18 | 学会

SABCS2016 IDEAL試験

閉経後ER陽性、5TAMAIによるホルモン治療後にレトロゾール(LET2.5y vs LET5yのランダム化比較試験。DFSがエンドポイントでn=1821の規模。スライドが手に入らなかったので、結果の解釈はややあやしい。

ランダム化時点からの5年DFSは、HR0.96(0.76-1.20)p=0.70と変わらず。2.5年後を起点にしたDFSは、HR0.88と、2.5年で十分という結論ではあるが、カプランマイヤーをみるとこれも5年以降から開き始めている印象あり。MA17では、LETを長く投与すればするほど治療効果が高いという研究結果もあったように記憶しているので、これもやはりこの時点で結論付けるのは時期尚早で、治療効果の推定にはもう暫くのフォローアップを待ちたい。


by aiharatomohiko | 2016-12-12 14:16 | 学会

SABCS2016 DATA試験

DATA試験はTAM-ANAへスイッチして5年治療ののちにランダム化して、3年のアナストロゾール(ANA)と6年のANAを比較する試験。ただ、解析はランダム化して3年時点を起点とした3DFSadapted DFSと記載)を検定するというデザインで、これではITTによる検定とはならず、せっかくRCTをしたにもかかわらず、研究の質が観察研究レベルになってしまうとのこと。

α5%、β20%HR0.60の研究仮説で、n=1860がランダム化されたものの、両群ともに同じ治療が行われている3年のうちに、3年群で91のイベント発生と5件のフォローアップロスト、6年群で103のイベント発生と1件のフォローアップロストが生じたため、解析からは除外された。解析は1660例で、2/3n陽性とリスクの高いポピュレーションが対象となっている。

Adaptedフォローアップ4.1年、261イベント発生時でaDFSの解析がなされた。HR0.79(0.62-1.02)p=0.07 OSHR1くらいであり、ネガティブな結果ということになった。しかしながら、カプランマイヤーは3年から開いてきており、イベント数も6年群で少ない。長期の観察をすることでより精度の高い知見が得られるように思えた。いつものことながら、筋骨格系の副作用が問題となる。


by aiharatomohiko | 2016-12-11 12:18 | 学会

ASCO2016の個人的な目玉:EBCTCG

ホルモン受容体陽性乳がんは、ホルモン受容体陰性乳がんと比較して晩期再発を起こす危険性が高いとされ、5年を超えるホルモン治療の有用性が報告されているため、どのようなケースで晩期再発が起きやすいのかを知ることが重要である。この目的で遺伝子発現プロファイルの有用性が報告されているものの、コストや実用性の点から実臨床で応用されるには至っていない。

EBCTCGでは、4.6万人を超えるホルモン治療を5年行った後に無病かつ生存しているER陽性乳がんについて、予後因子を調べた。

評価項目は、遠隔、局所、対側乳がんを含めた全乳がんイベント(非乳がん死亡は除く)と遠隔再発(局所と対側乳がんは除く)

重要な知見として、5年のホルモン治療後でも再発リスクは術後20年まで着実に上昇しており、T1N0でも5-20年の絶対再発リスクは顕著であることが分かったこととしている。

ステージが高くなるにつれて、再発のリスクが上がる。
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Grade3はgrade1より再発の危険性が倍くらい高い。
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gradeやKi67が低ければ、高い場合と比較して再発リスクが30%ほど減る。意外にも、PRが遠隔期に予後因子とならなかった。
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40才未満で予後が悪い。
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例えば、再発リスクが20%あるとして、LET5年で再発が半分になるとしたら、絶対値で10%のゲインとなる。これを基準に10年のホルモン治療を行うとすると、閉経後乳癌ならば対象はT1N0ならばgrade3、T2N0とT1N1-3ならばgrade2かgrade3となる。もしくは、T1N0のgrade1と2、T2N0とT1N1-3のgrade1を除く全症例が対象と考えてよい。
閉経前はTAMの治療効果がこれより落ちるので、T2N1-3以上が対象となるか。いずれにせよ、患者さんに十分この辺りを理解して頂く事が前提になります。
by aiharatomohiko | 2016-09-11 23:33 | 学会

ASCO2016 TCの実力は、、、

TC4サイクルがAC4サイクルと比較して、5年で33%、7年で26%再発リスクを減少させるという、個人的にはにわかには信じがたいほどにTCの治療効果が高かったのですが、それではTCを世界最強レジメのTACと比較してやろうじゃないかという統合解析の結果が報告されました。

注意点としては、TCは6サイクル。TAC群も6サイクル。一つの試験でAC f/bタキサンを許容していますが少数の模様です。症例数は4000例ですが、うちn0が1600例以上含まれています。主要評価項目はinvasive DFSです。中間解析でfutility解析が行われ、ハザード比上限の1.18を超えたため報告に至ったようです。TCのTACに対する4年IDFSのハザード比は1.23(95%信頼区間 1.01-1.50 p=0.04)と、TACに有意に劣っているという結果でした。ただ、ハザード比だけを見ると、TC6はAC4よりも良さそうな結果ではありますな。うーん。

サブセット解析では、ER-ではn0,n1-3,n>3のいずれでもほぼ同様なハザード比を示す(ただし、絶対値ではこの順に治療効果が大きくなる)ものの、ER+ではn0,n1-3ではTCもTACもほぼ変わらず、n>3で効果の差が大きくなるという結果で、実臨床での使い分けに際してヒントになりそうな結果でした。

さて、個人的に注目していたのはTCの急性白血病の発生率です。TACでは5/2000例に対して、TCでは0/2000例でした。TCがACと治療効果が同等以上で、致命的な副作用が低いのであれば、4サイクルレジメで行う人には、ACをやめてTCにするのが是でしょうか。それにしても、いまだにFEC100 6サイクルを使っている人がいるようですが何故か、NSABP B-36の結果がパブリッシュされていないようなのは何故か、など術後化学療法では蛇足な疑問もつきません。
by aiharatomohiko | 2016-07-02 00:22 | 学会

ASCO2016 対象症例の設定を誤ったMA17.R試験

 4.5〜6年間のレトロゾールによる術後治療を受けたホルモン受容体陽性閉経後早期乳がん患者1,918例を、LET群もしくはプラセボ群に割り付けたランダム化比較試験の結果が報告された。うち約60%が化学療法を受けていた。T1が55%、N0が45%程度と必ずしもごくごく早期のケースが入っていたという訳ではないようだ。また、70%程度が4.5年以上タモキシフェンの治療をLETの前に受けており、都合15年という長い治療を受けていた。

 結果は、主要評価項目の5年DFSはLET群95%、プラセボ群91%(HR=0.66、p=0.01)であり、LET群で34%の再発リスク低下が認められた。二次評価項目のOSは差が無かった。

さて、再発における34%のリスク低下は治療効果として大きいのだが、全イベント数はLET群67例、プラセボ群98例であったものの、対側乳癌はLET群13例、プラセボ群31例とこれに引っ張られているところが大きく、遠隔転移ではLET群42例、プラセボ群53例と大雑把にいって約20%のリスク低下に留まっている。一群1000例で10例の遠隔転移抑制なので、100例治療して1例(1%)の遠隔転移減少効果というのは、骨折が14%vs9%と5%のロスと比べると、そう大きなものとは言えないだろう。

 もっと治療効果の絶対値が大きくなるような対象、例えばn+症例に限って試験を行っていれば、リスク/ベネフィット比が大きなものになったと思われるが、この試験の結果を持って積極的にAIを10年投与しようという人は多くはないのではないか。個人の再発リスク判定が重要なのは言うまでもないが、病理学的因子が5年のホルモン治療後に予後因子となることがEBCTCGにより発表されているので、遺伝子プロファイルではなく、それを参考にすれば良いと思う。個人的には、Tが大きく腋窩リンパ節転移個数が多い方は10年AIもしくは15年ホルモン治療の対象になると考えるが、ホルモン陽性乳がんの方全員にデノスマブを投与してまでもAIを長期間継続したいとは思わない。
by aiharatomohiko | 2016-06-28 23:03 | 学会

SABCS2015 Denosumabの再発抑制効果

閉経後ホルモン受容体陽性乳がんでアロマターゼ阻害薬による術後療法を受けている3000名余りの患者さんにデノスマブもしくはプラセボを投与したABCSG-18試験で、二次評価項目である無再発生存期間に関する発表が行われた。

なお、主要評価項目の骨折率は、デノスマブ投与群で半分に減っていたことが報告されたため、IDMCより盲検解除とクロスオーバーの許容を勧告されたため、クロスオーバーが発生する前に解析がなされた模様。

明記されていなかったが、DFSにはαが割り当てられて無さそうなので、この結果は仮説提示に留まる。

結果は、ハザード比0.82(0.66-1.00)であり、発表者自身も触れたように、EBCTCGによるメタ解析で示されたビスフォスフォネートの閉経後乳がんにおける再発抑制効果とほぼ同等でした。

ONJなど重篤な副作用もなかったので、日常臨床での使用も検討にあがるが、試験の対象症例では絶対値の改善が5年で2%(NNT50)なので、再発予防目的でルーティンに使うにはちょっとという印象。骨折予防効果も含めて考えたいので、もう一度元のLancetの論文を読みなおさないと。

無骨転移生存(BMFS)を主要評価項目としたD-CARE試験は、中間解析が二回予定されているものの結果が発表されていないので、おそらく転移抑制効果は似たようなものだろうと予想。

おまけ。ABCSG12の結果は、たまたま再発抑制効果が大きく出た(30%のハザード比改善)のではないかと推測。
by aiharatomohiko | 2016-03-09 22:32 | 学会

SABCS2015 CREATE-X


今年のサンアントニオの一番の発表はJBCRGからのCREATE-Xでしょう。

本研究は、術前化学療法でpCRにならなかったHER2陰性乳がんを対象に、ゼローダ2500mg/m2を8サイクル追加投与する意義を検討した研究です。
日韓の共同研究で、日本から600名、韓国から300名ほどの登録がありました。

もともとの仮説はDFSのHR0.74を352イベントで検出するというものでした。(両側α 5%、検出率80%)が、最終登録二年後に予定されていた中間解析でOBrien Flemming boundaryを超えたために、早期終了となり発表されたものです。

ゼローダのコンプライアンスは、8サイクル完遂は40%ほどでしたが、RDIは80%と良好でした。
この点について欧米人ではもっと悪いようで、フロアから質問が飛んでいました。

一時評価項目のDFSは3年で82.8%vs74.0%、HR0.70(95%CI 0.53-0.93)、OSはHR0.60(95%CI 0.40-0.92)と有意にゼローダ群で良好でした。

今までのPIII試験ではゼローダは芳しくない成績だったため、いささか驚きをもって受け止められたようで、会場からは多くの質問が飛んでいましたが、戸井先生の受け答えは横綱相撲でした。

今までのPIIIでは、標準治療に上乗せの形が多かったのに対し、本試験は無治療vsゼローダの比較なので、DFSがある程度改善されることは納得いくと思います。特筆すべきはOSの改善でしょう。

保険承認の問題はありますが、再発リスクが高いケースでは選択肢の一つとなるのではないでしょうか。
by aiharatomohiko | 2016-01-20 23:38 | 学会

ASCO2015:DCISでANAはTAMより良いものの。 

乳房温存術後の薬物療法としてTAM5yとANA5yをダブルブラインド・ダブルダミーで比較したNSABP B-35(n=3000、観察期間中央値9年)の結果が報告された。

DCISは遠隔転移がほとんどないので、局所再発と対側乳がんの発症を抑えることが薬物療法の主な目的になると思われる。この試験では、エンドポイントが局所再発・領域再発・遠隔再発・対側乳がん発症を合算した複合エンドポイント(breast cancer free intervalと称す)が採用されている。

カプランマイヤーをみると、96か月くらいまでは両者変わらないのだが、120か月でガクッと開き、絶対値で93.5%vs89.2%ハザードは0.73(p=0.03)であった。ちなみに120か月でのアトリスクは18%と少ない中での結果である。観察期間中央値が108か月ということだから、もう1-2年くらい辛抱すればもっと精度が高く治療効果が推定できるのではないかと思うけれども、時間も大事ということでしょう。

イベント数はTAM 114 vs ANA 84であった。エンドポイントごとのイベント数は全ては明記されていないが、同側乳房再発は TAM 53 vs ANA 43(HR0.80)、対側乳房再発は TAM 55 vs ANA 37(HR0.67)であった。これらを合算するとTAM 108 vs ANA 80なので、遠隔再発と領域再発はTAM 6 vs ANA 4ということになります。

重篤な副作用は、子宮内膜がんのイベント数がTAM 17 vs ANA 8、骨折がTAM 50 vs ANA 69、血栓症がTAM 41 vs ANA 13であった。

ちなみにOSはTAM 92.1% vs ANA 92.5%とNSであったので、害の部分を含めても真のエンドポイントにおいて両者あまり差が無いとは言える。

60才で分けた時に、年齢と治療効果に質的交互作用があったことが示唆されている(p=0.04)。60才で乳がんやホストに生物学的な変化が起こるのでないだろうから、これを説明する仮説とそれを裏付けるデータが取れているのかが気になる。そうでなければ偶然か。

さて、無治療と比較するとどうなるだろうか。
同側乳房再発の危険性と対側乳房再発の危険性をいずれも年率0.5%と仮定した場合には10年で、
無治療 5% 5%
TAM 3.5% 2.5%(無治療と4%の差 NNT25)
ANA 2.8% 1.7% (無治療と5.5%の差 NNT18)
実際に観察された差よりもかなり小さくなるが、そもそもアトリスクが少なくなる120か月付近で差が大きく開いている事を考えると、この推定もあながち的外れでもないように思える。

実臨床ではどうすべきか。血栓症が気になる欧米人にはANA、骨粗鬆症が気になる日本人にはTAMということになるかもしれないが、治療効果と害のバランスを考えるとDCIS温存術後には無治療という選択肢が、個人的には変わらず一番のお勧めではあります。
by aiharatomohiko | 2015-06-28 10:32 | 学会