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by aiharatomohiko
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カテゴリ:論文( 46 )

なかなかご機嫌な結果-TACT2試験

デザイン:4391名のリンパ節転移陽性もしくはリンパ節転移陰性高リスク乳がんを対象として、epirubicin 100mg/m2 2週毎(dose dense)が3週毎(標準)より優れるか、 classical CMFより capecitabine(four 3-week cycles of 2500 mg/m² capecitabine per day)が劣っていないか(非劣性)をみた、2x2 factorial design。

結果:閉経前が40%、n0がほぼ半数。追跡期間中央値85.6か月での解析。

①Epirucibin q2wk vs q3wk は、[HR] 0・94, 95% CI 0・81–1・09;stratified p=0・42)であり、DD epirubicinは優越性を示せずかつ毒性が高いため、脱落。

②CMFに対する capecitabineの非劣性に関しては、書きぶりから仮説を理解するのが困難でした。

結果に、“There was also no significant difference”と書いているので混乱しますが、 “in TTR between the CMF and capecitabine groups (362 [17%] of 2178 patients in the CMF group had TTR events compared with 354 [16%] of 2180 patients in the capecitabine alone group, overall HR 0·98, upper 95·78% CI limit 1·12; 95% CI 0·85–1·14, p=0·00092 for non-inferiority and stratified log-rank test p=0·81 for superiority of capecitabine compared with CMF;figure 2).”と続きますので、非劣性は証明されたが優越性は証明されなかったといっているのが分かります。

95%信頼区間は上下とも15%ほどなので、同等と言ってよいでしょう。QOLは、24か月まではcapecitabineが優れていましたので、CMFに代わり得ることが示されました。なお、いずれの治療法間でもサブグループ間でのheterogeneityはありませんでした。

考察:E100単独にDDが無意味なことが分かった意義は大きい。しかしながら、E単独でCが入っていないために、AC60/600の場合にDDが無効とは言えない。当院ではACを使用しているために、個人的にはあまりinformativeでない試験結果となったのは致し方ありません。

Lancet Oncol. 2017 Jul;18(7):929-945.
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by aiharatomohiko | 2017-07-23 21:53 | 論文

ペルツズマブの術後療法での有用性


ペルツズマブの術後療法での有用性を検討したAPHYNITY試験の結果がASCO2017で発表されると同時にNEJMDOI: 10.1056/NEJMoa1703643)に掲載されました。

【デザイン】

4805名の術後乳がん患者を対象。40%弱がn0。実薬とプラセボにランダム化。

・主要評価項目:invasive-diseasefree survivalrecurrence of ipsilateral invasivebreast tumor, recurrence of ipsilateral locoregional invasive disease, adistant disease recurrence, contralateral invasive breast cancer, or death fromany cause)。

・統計学的事項:IDFS:ハザード比0.75、検出力80%、αエラー両側5%OSはセカンダリーとされているものの、全体でαエラーが5%に保たれるように三回の中間解析が計画されている。ただ、co-primaryという記載でないことや、有意でなかったにもかかわらず中間解析結果が報告されていることから、IDFSOSというゲートキーピングの手法で解析が計画されていないのではないか、と思われた。

【結果】

IDFS(hazard ratio, 0.81; 95% confidence interval [CI], 0.66 to 1.00; P =0.045)と、ギリギリながらペルツズマブ群で有意に改善をみた。n+では23%の改善。イベント数が少なかったこともありn0では差を認めなかった。

・サブグループで交互作用はなかった。

OSは、hazard ratio, 0.89; 95% CI,0.66 to 1.21; P = 0.47) と有意ではなかった(この解析での有意水準は、p=0.00001)。

・心毒性は1%以下であるが、ペルツズマブ群で倍に増えている。

【考察】

20%のリスク低減は、ACに対するAC-PTX(三週毎)と同程度。つまり、modestくらい。

・観察期間が長くなれば差が出てくる可能性はあるものの、n0には直ちに使うほどの効果ではない。

・反対に観察期間が長くなれば、全体での推定値のハザード比が小さくなってくる恐れもある。

【感想】

進行再発での治療効果を考えると、事前にはもっと高い効果を期待しているものと思っていたので、事前の効果の見積もりがかなり低かったのと、それが正確であったのには驚いた。加えて中間解析がプランされていなかったことから、やはりあまり期待されていなかったことがわかるが、それならば試験の対象をハイリスクに絞った方が良かったのではないかと思えた。

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ご覧の様にこの試験の対象では、絶対値の差がほとんどありません。便益が1.7%の差でNYHA class III or IV heart failure and substantial decrease in LVEFが0.4%増える。うーん。




by aiharatomohiko | 2017-06-14 00:56 | 論文

OncotypeDXの有用性

TAILORx試験でスクリーニングされた10,253名の原発乳がんの患者さんのうち、オンコタイプDxのリカレンススコア(RS)が10以下の1,626 名 (全体の15.9%)の患者さんの前向きコホート研究の追跡期間中央値69か月時点での結果が、NEJMに報告されています(データは、N Engl J Med. 2015 Sep 27. [Epub ahead of print]PMID: 26412349より引用)。

結果は、the rate of invasive disease–free survival was 93.8% (95% confidence interval [CI], 92.4 to 94.9), the rate of freedom from recurrence of breast cancer at a distant site was 99.3% (95% CI, 98.7 to 99.6), the rate of freedom from recurrence of breast cancer at a distant or local–regional site was 98.7% (95% CI, 97.9 to 99.2), and the rate of overall survival was 98.0% (95% CI, 97.1 to 98.6).でした。遠隔転移がほぼゼロ(0.7%)なので、RS10以下はホルモン治療だけで十分であろうことが前向きの研究でも確認されました。(通常のオンコタイプではRS17以下が低リスクなのに注意。)
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それなのに、一次評価項目のIDFSが93.8%とはどういうことかと本文をみてみました。具体的なイベントは以下の通りです。In the cohort of patients with a recurrence score of 0 to 10, there were 88 events of either invasive cancer or death and 30 deaths reported within 5 years after study entry. The first event in the analysis of survival free from invasive disease was local or regional recurrence (or both) in 8 patients, distant recurrence in 10, invasive cancer of the opposite breast in 15, other invasive new primary cancer in 43, and death without another event in 12.
イベント数は88でしたが、そのうち二次がんが43で乳がん以外の死因が12(計55)と乳がんと関係のないイベントが半数以上でしたので、結果から考えるとこの研究のエンドポイントとしてIDFSがあまり適当ではなかったことがわかります。比較試験ではないので、二次評価項目であるfreedom from recurrence of breast cancer at a distant siteで研究結果を評価するのが妥当であるように感じました。

重要なのはこの結果が患者背景によって大きな影響を受けていないかという点です。RS11-25の人と比べると多少予後が良い背景を持っているようですが、顕著な差はないように思えました。
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さて、この結果を臨床に応用する際の悩ましい点は、RSが10以下の患者さんは16%しかいないということです。通常のオンコタイプではRS17以下が低リスクと判定されるのですが、TAILORx試験ではRSが11-17の人は化学療法有りと無しにランダム化されています。うーむ。TAILORx試験の結果が出ればモデルにより化学療法が無い時のRSと再発率の関係がRS25までは分かるはずですし、中間リスクでの化学療法の効果が今あるデータよりも良い精度で推測できるようになるでしょうが、もうしばらく待つ必要がありそうです。
by aiharatomohiko | 2015-10-04 23:09 | 論文

ビスフォスフォネートとGTB


術後にビスフォスフォネートを使用したグループで予後が改善しているかどうかというのは乳がん治療における大きなトピックの一つですが、これもGTBがその結果に大きな影響を与えている事例として挙げられています。

BIG1-98試験が例に挙げられています。この試験では、約12%の被験者が試験開始時点かそれ以降にビスフォスフォネートを使用しており、なおかつその半数以上がランダム化の3年以降にビスフォスフォネートを開始していました。つまり、半数以上が3年以上のDFSの下駄を履いているという事になるようです。さて、GTBを考慮しないナイーブな解析結果では、ビスフォスフォネートの使用によりDFSのハザード比が0.50(95%CI 0.43-0.60)と著しく再発を抑制するという結果が出ています。ところが、GTBの影響を打ち消すような解析方法が3種類あるようなのですが、何と3種類全ての解析方法でビスフォスフォネートの効果が確認できなくなっていたということです。

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ランダム化比較試験の結果でも、ビスフォスフォネートの再発抑制効果は厳しい結果なのですが、近々行われるEBCTCGのミーティングではどのような扱いになるのでしょうか。

ところで、GTBの影響はメトホルミンとかの再発抑制効果の知見にも関わっているかもしれませんので、ランダム化比較試験の結果が楽しみです。
by aiharatomohiko | 2013-10-07 09:58 | 論文

Guarantee-Time Biasおそるべし!


Guarantee-Time Bias(GTB)っていうのがどういったバイアスであるのか、この論文を読むまで有ることすら知りませんでした。あまりに難しそうな内容に思えたので手に取ってみたものの、読む気にならずゴミ箱行きになっていたのですが、原先生のFBをみてゴミ箱から拾い上げることが出来ました。感謝です。読んでみると結構乳がんの臨床研究でも問題になっているバイアスである事が理解できたので、興味のある方は一読をお勧めします。(JCO 2013年 8/10号)

このバイアスは、ランダム化していない2グループ間の生存時間の比較をするときにおこり得ます。この論文では、臓器移植をしたグループと臓器移植をしなかったグループを比較すると、臓器移植をしたグループではそもそもドナーが見つかって移植をするまで生存する必要があるので、その時間の分臓器移植を受けなかったグループよりも生存時間に下駄をはくことになり、仮に臓器移植による生存期間延長効果がなかったとしても、臓器移植によって生存時間が長くなったように見えるということが例として挙げられていました。説明が下手なので、引用した図を見て下さい。

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この論文では、乳がんの臨床試験もいくつか引用しています。
一つは、抗がん剤治療によって化学閉経したグループの方がしなかったグループよりも生存期間が長いという知見についての考察です。当初NASBP B30試験では、ER陽性・陰性に関わらず化学閉経したケースの生存率が良かったと報告されていたものの、研究者はその後このバイアスがあることに気づいたため再度解析を行い、予後改善効果はER陽性だけに限定されていたと報告しなおしたとのことです。IBCSG13-93で同様にGTBを考慮した解析を行ったところ、同様の結果になったとのことです。この場合には、閉経になったケースはランダム化から閉経が確認されるまでの期間は無再発でいることが保証されるために、その分生存時間に下駄をはいていたからGTBを考慮しない解析を行ったために、当初はER陰性でも閉経したケースの予後が良かったようにみえたという事らしいです。たぶん。

化学閉経になったケースの予後が良いからといって、化学閉経しなかったケースにLH-RHを使うことが予後を改善するかどうかわからないのですが、さてどうしましょうか?

おそらく、続く。。。
by aiharatomohiko | 2013-10-06 22:04 | 論文

B38の論文化 Gemcitabineの追加効果は無さそう

術後化学療法として、TAC6サイクルおよびDose dense (DD)AC-PaclitaxelとDD AC-Pにgemcitabineを追加したレジメ(DD AC-PG)を比較したNSABP B38試験の結果がJCOの9/10号に発表されました。
初めの2レジメに対してDD AC-PGがDFSを25%改善するというのが研究仮説で、片側α0.025で90%の検出力が担保される、4894名のn+の乳がん患者さんが参加して行われました。
結果は、DFSもOSもDD AC-PGによるTACならびにDD AC-Pに対する改善はみられませんでした。
DD AC-PとTACの比較もなされており、DD AC-Pが何となく良さそうなデータ(DFS HR0.87 95%CI 0.74 to 1.01)ではありましたが、有意差はありませんでした。そもそもこのペアを比較検定してよいのかどうかわかりませんが。
年齢、ホルモン受容体、転移リンパ節数などでheterogeneityは認めなかったため、DD AC-PGが優れていると思われるサブセットを見つけることもできませんでした。
遺伝子発現解析などの研究が裏でなされているのかもしれませんが、今までのところアンスラサイクリンとタキサンを含むレジメにカペシタビンもしくはジェムシタビンを追加することで、明らかな生存期間の改善を認めていません。今後の術後化学療法の研究は、効果予測因子を見つけるか、わずかなハザードの改善が臨床的に意義の有る生存率の改善に結びつくような予後の極端に悪いサブセットでの研究を進めるか、予後は変わらないがより副作用が少ない治療法を開発するか、という方向になるのでしょうか。
ところで、TACとDD AC-Pで副作用の差があるので、それによってどちらかを選んでくださいねみたいなことが本文中に記載されていますが(図)、ぱっと見ただけではどちらがよさそうなのかわかりません。神経毒性が少ない分、TACが良いのでしょうか。長期間の毒性はどうなのでしょうか。PEG-GCSFの値段は安くはないでしょうから、治療期間は長くなるものの、同等の効果があるAC-Pwを加えて検討する必要がありそうです。それはそうと、アンスラサイクリン3サイクル→タキサン3サイクルなら18週なので、案外これが一番良いのかも。

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by aiharatomohiko | 2013-10-05 15:17 | 論文

β-Blockerと乳がんの再発


乳がんの再発リスクが乳がん治療以外の薬を使用すること

によって下がるという知見がいくつかあります。

代表的なものは骨粗鬆症に使用するビスフォスフォネート

ですが、他にも糖尿病のくすり(メトホルミン)や高血圧のくすり

(β-Blocker)があります。

メトホルミンは、現在ランダム化比較試験が行われている

はずです。

今回はJCOにβ-Blockerは再発リスクを下げないという研究結果が

発表されました。

確定的なことはまだ言えませんが、やや残念な結果ですね。

Use of β-Blockers, Angiotensin-Converting Enzyme

Inhibitors, Angiotensin II Receptor Blockers, and

Risk of Breast Cancer Recurrence: A Danish Nationwide

Prospective Cohort Study

Gitte Vrelits Sørensen, et al.

J Clin Oncol 31:2265-2272, 2013
by aiharatomohiko | 2013-06-16 22:57 | 論文

Pertuzumabはいい薬。CLEOPATRA OSデータから

えー、これだけ間が空くとまたお会いした際に何してたんだといわれるのは

間違いないのですが、何をしていたのかというと、えー、乳癌学会の

ガイドラインの仕事が忙しかったということで、ご理解よろしくお願いします。

今はまた患者さん向けのガイドラインの仕事が始まりましたのと、山口での

講演準備・浜松での乳癌学会がらみ・臨床腫瘍学会でのお仕事などで今後も

滞ると懸念されます(汗)。


さて、HER2陽性転移乳がんの一次治療として、ドセタキセル+トラスツズマブ

±ペルツズマブを検討したRCT(n=800)の全生存期間(OS)の結果が

発表されました。

Lancet Oncol(http://dx.doi.org/10.1016/S1470-2045(13)70130-X)。


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イベント数267、追跡期間の中央値約30か月で、プラセボ群のOS中央値

37.6か月、ペルツズマブ群のOS中央値(未達)、ハザード比

(0.66, 95% CI 0.52−0.84; p=0.0008)と、ペルツズマブの圧勝ながら、

もっと長く追いかけたデータを見てみたい感じです。


しかしながら、ペルツズマブで副作用が増えるわけではないことを考えると、

ペルツズマブが上市されたら基本的に使用する方向になりそうです。


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ただ、フォレストプロットでは、臓器転移がない場合にはペルツズマブの

明らかなメリットが認められていないので、リンパ節転移や骨転移だけの場合

には、積極的に使用しないだろうと考えています。


本文中でもこの点にはホンの一行ですがきっちりと触れられていて、研究者の

良心を感じさせます

(引用:The analysis of overall survival in predefined subgroups

accorded with the analysis in the whole intention-to-treat 

population, indicating a consistent eff ect on survival with 

pertuzumab, trastuzumab, and docetaxel compared with placebo,

trastuzumab, and docetaxel for all patients except those with non-visceral

disease)。


通常フォレストプロットは参考程度にしか見ないのですが、このデータは

日常臨床で使用する際に注目してよいと考えます。

治療効果が大きく副作用が少ない薬剤は、試験結果の解釈や使用方針が

ややこしくなくてよいですね。
by aiharatomohiko | 2013-05-05 13:41 | 論文

EMILIA試験:二回目の中間解析がNEJMで論文化

T-DM1のOSでの有効性が二回目の中間解析で確認されたので、

本日付のNEJMで論文発表となりました。

結果は、全生存期間の中央値 (331 イベント)で、 T-DM1 が

ラパチニブ+カペシタビンを統計学的に有意に凌駕しました。

データは、30.9 months, vs. 25.1 months、 

ハザード比 0.68; 95% CI, 0.55 to 0.85;P<0.001。

2年OSで13%の差が有り、重篤な副作用もTDM1の方が少なかった

ことを考えると、この結果にコメントは不要です。

論文でもディスカッションがとても短い。

すぐにでも承認してもらいたいものです。
by aiharatomohiko | 2012-10-01 22:58 | 論文

pCRと予後:定義とサブタイプ


von Minckwitzらのアンスラサイクリン-タキサンベースのPSTを行った

臨床試験6,377名のデータを集めて抗腫瘍効果と予後の関連を検討した

貴重な論文を読んでみました。

Definition and Impact of Pathologic Complete Response on Prognosis

After Neoadjuvant Chemotherapy in Various Intrinsic Breast Cancer

Subtypes  J Clin Oncol. 2012;30(15):1796-804


pCRの定義において、腫瘍残量が最も少ない定義の予後予測力が最も強い。

これは当たり前とはいえます。Table2

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OSのイベント数が少ないために決定的なことは言えないものの、

OSのハザード比がDFSと同じかそれよりも高い傾向があるようにも

見えます。Table2。

pCRになったケースは、化学療法感受性が高く、再発後の化学療法にも

反応する可能性が高いためでしょうか?


サブタイプ別でみると、luminal A(この論文の定義では、ER/PR陽性

でNG1か2)の場合には、pCRとnonPCRでDFS,OSは差がありません

でした。ER/PR陽性でHER2陽性の場合にも、同様な結果でした。

注意すべき点は、ハーセプチンを使用した場合には、DFSは変わらない

もののOSでpCR になったケースの方が良い傾向にあったことでしょう。

ただ、イベント数が11のため、未成熟なデータではあります。Table3

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ER/PR陽性/NG3の場合、ER陰性/PR陰性/HER2陽性もしくは

HER2陰性の場合には、DFSでハザード比が4から8程度、OSで5から14

程度と著明な改善を得ています。


この論文からわかったことは、pCRがよい予後因子となるのは主にER陰性

のケースであることです。ただ、このことはER陽性で化学療法の効果が

ないということを意味しない
(EBCTCG 2012, Lancet)

ことに留意する必要があります。念のため。

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余談ですが、この論文のcommentaryで、ミシガンのD.Hayesらは

化学療法が必要になるケースのほとんどで術後化学療法が標準である

と述べていました。NACは標準治療ではないということですが、

個人的には全く同感です。


さて、本論文に関して、ルミナルAの予後が悪すぎるのではないか

(5年DFSが80%強)、というご指摘を頂きました。

その時には即答できませんでしたが、論文を振り返ってみると、対象

となっているのがcN0とcN1以上が半々で、neo-adjuvantが必要な

ケースであることを考慮すると、悪すぎるとまでは言えないのではないか

とも思えました。いかがでしょうか。
by aiharatomohiko | 2012-08-01 00:00 | 論文