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乳がんの最新情報を紹介しています
by aiharatomohiko
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カテゴリ:医療( 49 )

妊娠と乳がん

英語でディスカッションをしようという目的で毎年行われているBCFMという研究会でDr.Swainが妊娠と乳がんというテーマで講演をされました。
内容で印象に残ったのは以下の通りです。

①妊娠時にMMGを行ってもX線量はわずかなので奇形などの心配はない
②妊娠期に乳がんと診断されると妊娠を中断するように勧める医師が少なくないが、時期によっては妊娠時に化学療法を行うことで出産まで持っていくことが出来るので、安易に堕胎を勧めるべきではない
③妊娠時にはPKが変化し、Cmaxが下がりクリアランスが上がるので、抗がん剤の量を計算するときには妊娠前の体重でなく、妊娠時の体重を使って対表面積を計算する
④出産3週間前からは出生時に好中球減少をきたすために化学療法は避ける
⑤妊娠期のハーセプチンは胎児にとって悪影響があるので行ってはならない
⑥半減期から考えてタモキシフェンを服用終了後妊娠までは2か月はあける
⑦乳がんの手術後に妊娠しても予後に悪影響はない
by aiharatomohiko | 2013-11-04 20:48 | 医療

米国で乳がん手術時に反対側の乳房切除が増えている件


 アメリカでの話です。乳がん患者さんが乳房切除時をする際に、家族歴のないような発症リスクの低い方でも反対側の予防的乳房切除を行う例が増えています。2008年には乳房切除術の20%!にも上るという事です。徐々に増えているという事は聞いていましたが、以前からなぜ?と大変疑問に思っていましたし、これ程に上るとは思っていませんでした。

 これに関して、米国臨床腫瘍学会(ASCO)からやりすぎじゃないのかという注意喚起をする記事が最近配信されました。この記事を読んでも、やはりなぜ?というのはわかりませんが、ASCOが警告を出すほどに深刻な状況であることは理解できます。

 アメリカの病院や外科医が利益を上げるために患者さんに手術を勧めているなどとは思いたくもないですが、実際に手術件数が激増しているだけにその懸念は拭い去れないし、結果はそうなっているといわれても仕方がないように思えます。患者さんの希望が強いからという見方があるのかもしれませんが、プロフェッショナルならばそんなことを言い訳にして患者さんにとって意義の低い手術を行うことは、有りえないと考えます。

 患者さんにとって侵襲の少ないセンチネルリンパ節生検などを推進する一方で、意義がほとんどないと思われる侵襲の大きい予防的乳房切除(と再建術)を勧めるようなことは外科医として正直いって理解できません。

 ちなみに日本ではほとんどこのようなことは行われていないはずです。この件は、アメリカの病院や乳腺外科医の程度を表しているのか、一体真実はどこにあるのでしょうか。
by aiharatomohiko | 2013-08-04 22:12 | 医療

無症状の乳がんにCT・PET・骨シンチはすべきでない


患者さんやご家族から、”術後定期的にPETは受けた方がよいのでしょうか?”

と聞かれることが良くあります。


一般の方の常識では検査する方が安心ということだと思います。

これは、無理ないことでしょう。


ただ、乳癌学会のガイドラインでも、どの国のガイドラインでも、

検査をすることで生存率が改善されるというデータが無いので、

検査は推奨されていないとお話しすると、納得される方がほとんどです。

ASCOの会員向けの雑誌の7月号で、”無症状の乳がんにCT・PET・骨シンチ

はすべきでない”という件がTOP5リストとして表紙になっているくらい

ですので、検査料が日本の数倍にも上るアメリカでも定期検査を行う

医療機関が少なくないことがわかります。



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by aiharatomohiko | 2012-09-02 11:16 | 医療

ビスフォスフォネートの星取表


術後再発予防の星取表一覧

ABCSG12 (n 1800) ゾレドロン酸 閉経前内分泌感受性 ○
ZOFAST  (n 1000) ゾレドロン酸 閉経後内分泌感受性 ○
AZURE   (n 3300) ゾレドロン酸 閉経前・後 ×
NASBP B34 (n 3300) クロドロン酸 閉経後が2/3 ×
GAIN試験 (n 3000)  イバンドロン酸 閉経前後 ×

こうしてみると、効果がある対象を絞ったうえでランダム化

比較試験を行って、そこでポジティブな結果を出さないと、

やっぱり厳しいかも。
by aiharatomohiko | 2011-12-23 16:52 | 医療

アバスチンの乳がんへの適応にみる日米の差


アメリカでは2010年夏に独立委員会の評決により12-1でアバスチンの

転移乳がんへの適応取り下げが勧告され、これを受けて本年6月末にFDAが

2日間に渡る公聴会を開きました。その際に独立委員会の再評決も行われ、

6-0で取り下げを支持するという結果でした。

最終的に11/18に適応承認の取り消しが行われ、その結果が同日にHP

にアップされています。取り消しの理由は、消化管穿孔などの重篤な

副作用がみられる一方で、全生存期間の改善が見られなかったため、

リスクベネフィットを考えて承認すべきでないということのようです。

新しいデータが出たおりには再承認もあり得ると読めました。

首尾一貫した態度であると感じます。

Q&Aには薬価が高いことは考慮しなかった旨も書かれていました。

http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/ucm279485.htm


さて、これに先立つ本年8月1日に日本ではアメリカと逆方向である

アバスチンの乳がんへの適応拡大に向けた審議が行われたようです。

その際の議事録が11/14(アメリカに比べると遅いですね。)

に公開されています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uiuh.html

内容を読むと、機構が適応拡大に賛成、しかしながらその理由が”本剤

の有効性を再現するような試験をデザインするのは、現状では難しい

のではないか(使用したい人が多いため)”であるのには驚きました。

有効性を再確認するような試験ができないから承認ですか。

この理由であれば、たまたま良い結果が出たような薬剤はその効果が

疑問視されたとしても、追試が難しいという理由で全部承認するしかない

ということになりますね。正気でしょうか。

部会長もこの意見にややなびいているようです。

委員の先生方はとても全うな意見を出されていて、まともな議論が

行われていたことは伺い知れます。

委員の先生方はどちらかというと即時の適応拡大に難色を示されて

いたように読めるのですが、結局は8月25日に継続審議となり、

そこで承認されたようです。

ただ、8月25日の審議結果が未だに公開されていません。これでは、

われわれにはどういった理由で承認されたのか、承認に条件が付いた

のか否かといったことは今もってわかりません。

適応拡大の是非はともかくとして、FDAの即日公開とは比べようもなく

遅く、怠慢といわれても仕方がないのではないでしょうか。

残念ですね。


私の個人的な考えを述べると、アバスチンが有効な対象があるよう

には思えるものの、それがどういった患者さんであるかをわかる術

が現状ないために、FDAの決定の方を支持します。
by aiharatomohiko | 2011-11-26 23:42 | 医療

FDAがアバスチンの転移・進行乳がんでの適応取り消し


進行大腸がんでは標準治療となっているアバスチン。

乳がんでも、その効果について期待が大きく、いくつもの臨床試験が

行われています。

しかしながら、転移・進行乳がんについては、進行を抑制する期間は

延長するものの、全生存期間を改善する効果が証明されなかかっため、

とうとう一度認可された承認が取り消されることとなりました。


FDAからの声明を見てみると、なぜ認可したのか、そしてなぜ取り消しと

なったのかについて、理路整然とした内容が書かれていました。

個人的にはそもそもなぜ認可したのか疑問があるため、言い訳のように

感じるところもあるのですが、総じて立派な開示の仕方であると思います。

要は、どこかの国の内閣の如く仮免だったのが、本試験で落ちた

ということですね。


FDAのステートメントで目を引いた内容は以下の通りです。

・E2100および追加で行われた複数の臨床試験によっても、進行を抑制

する期間の延長は証明されたものの、全生存期間を改善する効果が証明

されなかった。

・追試験の進行抑制期間の改善効果が、E2100ほど印象的ではなかった。

・その理由として、E2100は中間解析でPFSの改善効果が高かったために

早期試験中止となったが、E2100で見られた程の効果が、他の試験では

再現されなかった。これは“random high”効果ではないかと指摘されている。

→たまたま良い結果が出たときに、試験が中止となったために、真の治療

効果よりもよく見えていた、ということです。

かねがね考えてきたことですが、やはり中間解析結果には気をつけなければ

ならないという事でしょう。

他の早期終了した臨床試験の治療効果についても、注意してみる必要

はあるでしょう。

・重篤な副作用が20%ほど増える。

・それとトレードオフするほどのQOLやclinical benefitの改善も明らか

でなかった。

・効果のあるサブセットが見当たらない。もしあるとしても、現時点では

見分ける方法がない。


個人的に最も印象的だったのは、以下に引用する文章です。

-以下引用-

No trial to date has demonstrated an improvement in OS.

Based on consultation with ODAC in 1999, FDA has recommended

that an improvement in OS be the regulatory endpoint for applications

evaluating drugs and biological agents in the first-line setting in

metastatic breast cancer.

An improvement in OS is considered direct clinical benefit.

None of the trials for initial treatment of metastatic disease

(E2100, AVADO, RIBBON1) were reviewed by the Agency under a special

protocol assessment and the Agency did not agree with the primary endpoint

(PFS) prior to trial initiation.



代替エンドポイントは、真のエンドポイントと相関してこその代替エンド

ポイントです。手っ取り早く結果を出して承認をとる目的で、代替エンド

ポイントが一次エンドポイントとして使われる臨床試験がほとんどですが、

十分な症例集積ができるようになっている現状を考えると、今後は真の

エンドポイントを一次エンドポイントとすべきでしょう。

少なくとも代替エンドポイントだけでFDAの承認を取ることは簡単では

なくなっているように感じます。


保守的といわれるでしょうが、日常臨床においては、新しい治療法に

飛びつくのではなく、真の治療効果を見極めてから新しい治療を取り入れる

ことが、結局は患者さんのためになるのだと、考えています。


転移・進行乳がんでアバスチン時代が来るのは、効果予測因子が

見出されてからでしょう。
by aiharatomohiko | 2010-12-25 14:39 | 医療

乳がん勉強会-乳がん個別化医療の現状-


大阪府立成人病センター所長の加藤菊也先生にお願いして、

乳がん個別化医療の現状に関する最新の乳がん研究事情の

講演をして頂きました。

先生はマンマプリントに代表される遺伝子発現プロファイル

による予後因子の研究の草分け的存在で、当初RT-PCRにより

乳がん、大腸がん、胃がん、肝がん、食道がん、神経膠腫、

肺がんといった多くのがんで研究を行って来られました。

肺がん以外は、遺伝子発現プロファイルと予後との相関が見られた

ものの、多くのがんではTNM分類などの方が予後との相関が強く、

遺伝子発現プロファイルが独立した予後因子として残ったがんは、

乳がんと神経膠腫だけだったようです。

このことから乳がんはとりわけ遺伝子発現プロファイルと予後との

相関が強いがんである事が示唆されます。

乳がんで複数の遺伝子発現プロファイルと予後との相関が報告されて

いるのは、乳がんにこういった特性があると考えれば納得できます。


何度聞いても印象深いのは、遺伝子発現プロファイルに使用される遺伝子

そのものが重要なのではなく、遺伝子発現を分類するアルゴリズムが重要

であるということです。

このことは、“予後予測に使える遺伝子セットはいくらでもある”ということから

も明らかで、例えばマンマプリントに使用している70の遺伝子だけでなく、

当初検討した1番から数100番目までのどの70の遺伝子セットを使用

しても同じような結果を得ることが出来ることからも分かります。


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遺伝子発現プロファイルは有用な方法と思われるが、従来の病理学的

因子をはるかに凌駕するとは言えないかも知れません。

例えば、大阪府立成人病センターが同院のコホートを使用して昨年の

乳癌学会で発表していたデータによれば、マンマプリントでGood

prognosis群に分類されたケースには核異形度が低いものが多く、

NG3は15%ほどでした。一方、Poor prognosis群では60%でした。

また後日触れるかもしれませんが、2009年のサンアントニオのポスター

ディスカッションセッションでの発表によれば、NG3では検討したほとんどの

遺伝子発現プロファイルで予後予測の精度が落ちており、使い物になりそう

にありませんでした(#103)。


全ゲノム相関解析によるSNPsと乳がん発症リスクの予測に関する内容も

興味深いものでした。

簡単に言えば、全ゲノム相関解析により7SNPsが乳がん発症リスクと相関

することが報告されたものの、ゲイルモデルよりも予測力が劣っており大して

使えないというものです(Gail MH. JNCI, 14, 1037-1041, 2008.)。

さらに、ゲイルモデルと併用しても大して精度が向上せず、現時点ではSNPs

は乳がんの発症予測には使えないようです

(Gail MH. J Natl Cancer Inst. 2009 Jul 1;101(13):959-63)。


著者名を見ると、どうもGail本人が止めを刺しに来ているようですね。

深いなあー。
by aiharatomohiko | 2010-01-11 23:55 | 医療

HER2陽性ER陽性転移性乳がんの治療


昨年のサンアントニオで発表された、HER2陽性ER陽性転移性

乳がんを対象とした、一次療法におけるラパチニブ vs 

ラパチニブ+レトロゾールのランダム化比較試験の結果が

JCO(J Clin Oncol 27. © 2009)にのりました。

内容はサンアントニオの時と同じです。

つまり、HER2陰性乳がんではラパチニブの効果がなく、HER2陽性では

無増悪進行期間は30%改善されるが、全生存期間に有意な改善は無い、

ということです。


また、同様の対象で行われた、ハーセプチン+アナストロゾール 

vs アナストロゾールの試験結果もJCO(J Clin Oncol 27. © 2009)

にのりました。

無増悪進行期間は40%改善されるが、全生存期間に有意な改善は無い、

ということです。


HER2陽性ER陽性転移性乳がんの治療においては、ホルモン治療単独を

優先とし、進行してから化学療法と抗HER2療法を行えばよいという結果です。

ハーセプチンとホルモン剤を同時併用する意義は、毎週点滴を行わなければ

ならないわずらわしさや医療費を考えると、患者さんにメリットがあるとは

思いがたいです。

ラパチニブとホルモン剤の併用は、医療費を考えなければ点滴をする

わずらわしさがないため、少しましだと思いますが、下痢などの副作用による

QOLの低下が懸念されます。


結論として、全生存期間の改善が見られないので、ホルモン剤と抗HER2療法

の併用は、個人的にはお勧めしません。
by aiharatomohiko | 2009-11-08 20:55 | 医療

民族間差と個人差


 何かにつけ、民族間差あるいは人種差に言及すると、必ず

”大阪人は~”といわれる先生がおられますが(見てるかな?)、

実際に子宮内膜がんや血栓症の発症率には民族間差があります。

しかしながら、前回のブログに述べたミーティングで勉強になった

のは、”病気の発症率や治療効果は民族間における差よりも

個人間における差のほうが大きい”のではないか、という事実

も含めた考え方です。


例えばある病気の発症率は、民族間での違いがでるというよりも

同じような行動を取る様な人に多く出やすいとか、

”太った白人に対して行われた臨床試験のデータで、日本人全般

に外挿しにくい”場合でも、”太った日本人には外挿しやすい”という

ことらしいです。(文章力が不足していて分かりにくいかも)


子宮内膜がんについてはともかく、血栓症の発症率に関しては、

遺伝的背景よりも日本人が白人よりやせている人(≒BMIが小さい人)

が多いためかも知れず、なるほどなと思いました。



 
by aiharatomohiko | 2009-09-27 23:36 | 医療

目からうろこもトホホな気分


 先日某メーカーの会で、EBMの紹介・実践で著名な先生とお会

いする機会がありました。


その際に教わったことで、目からうろこというか、そんな事も知らなかった

のかといわれても仕方ない事がわかりました。個人的には僥倖です。

それは、”二つの治療方法の効果を比較する時に、推定値を見ては

いけない”、”95%信頼区間だけで考えなさい”ということです。


どういうことかというと、例えばAという治療に対してBの再発抑制効果が

ハザード比0.70(95%信頼区間 0.40-0.95)だった時には、

0.70で考えるのではなく、”治療効果は0.40から0.95の間のどこか

に95%の確率で存在する”と考えて治療方針を立てなくてはならない

ということです。


そんなの当たり前じゃないかといわれそうですが、目からうろこが

落ちたのは、その理由が、”真の値は推定値付近に分布するの

ではなく、95%信頼区間のどの辺りにあるのか全く分からない”

ということなのです。


ガーン、真の値はてっきり推定値近辺に分布するもんだとばかり

思っていたのは、私ばかりでしょうか。

しばらく落ち込みましたが、知らなかったよりは知った方が良かった

と思って気を取り直すことにしました。


(以上は私の理解であり、当日何回か聞き直したのですが、理解が悪く

間違っている可能性があります。その場合、お気づきの方はご指摘

頂ければ幸いです。)
by aiharatomohiko | 2009-09-27 23:03 | 医療