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by aiharatomohiko
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カテゴリ:日常( 31 )

統計の話 BOLERO2について

 最近医療統計の勉強を少ししていることもあり、論文を読むと統計学的事項が結構いい加減に記載されているように見えることに気付く。たとえば、BOLERO-2試験。これは、エキセメスタンにmTOR阻害薬を併用する効果を調べるRCTで、一次評価項目はPFS、二次評価項目はOS。論文化されているのはPFSだけであるためか、NEJMの文中に統計学的事項はPFSに関してしか記載されていない。この試験は予定された中間解析でPFSでの有益性が証明されために早期終了となっているのだけれど、中間解析で止める条件が論文には記載されておらず、appendixを取り寄せないとわからない。

 Appendixを読むと、PFSは片側の累積有意水準がp<0.025(これはさすがに本文中にも記載あり)、Lan–DeMetsのα消費関数によるO’Brien–Flemingタイプの有益性による中止限界がp<0.0038(これが記載なし)に設定されていること、全イベントの約60%時に中間解析が予定されていたことがわかる。論文中に記載されているのは、p<0.0001と何とも大雑把。そもそも中間解析で止めるべきp値0.0038が記載されていないとはいえ、こんなんで良いのだろうか。

 OSについては、appendix にgate-keeping designでPFSが有意になった時にだけ片側の累積有意水準をp<0.025で検定することが書かれている。これで、全体のαが片側2.5%に保たれることはわかる。しかし、OSは中間解析を含めてどこにどのようにαが分配されているのかがわからない。そればかりか、肝心の最終解析時にαがどれだけ残っているのかもわからない。論文化を待つしかないのかも。プロトコールには中間解析含めて最大3回まで検定することと、中間解析でストップするとしたらこんな場合なんてことが書かれているが、OSは実際には4回検定されているようだ。何でか?

 アップしたテーブルには、最終解析のp=0.1426と書いてあるので、何となく惜しいみたいにも感じるが、そもそもの有意水準が大きくても0.025なので、どうなんだろう。OSについてはわからないことだらけなので、論文が出てからまたよく考えてみるとしよう。

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by aiharatomohiko | 2014-07-20 23:58 | 日常

ゆずるピンクリボンバッジで表彰を受けました


今月はピンクリボン月間ですが、これに合わせて当院で箕面市のキャラクターである瀧の道ゆずるのピンクリボンバッジを作成して、市役所と保健センターに寄贈したところ、市長から表彰を受けました。
箕面市の市長は若くて有能な方で、がん検診にも関心を持っておられます。
今月あと少しですが、乳がん検診にも頑張ります。

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by aiharatomohiko | 2013-10-26 23:07 | 日常

琉球乳腺倶楽部での遺伝子発現プロファイルの話 その2


もう一つの話題は、マンマプリントやオンコタイプDXに代表される

予後予測因子としての遺伝子発現プロファイルです。

これに関して私は当初懐疑的な見方をしていました。その理由の

一つは、検査の再現性に疑問があったからです。特にオンコタイプは

パラフィン切片からRT-PCRを行うので、基礎の先生の評判が悪いこと

もあって、この結果って大丈夫かいなという気持ちがぬぐい難かったの

です。しかしながら、いろいろと論文も出てきた中で、相当昔の症例

でもアッセイが高い確率で成功していることが報告されてきたので、

この考え方は改めました。

オンコタイプについていえば、開発の過程でHER2陽性の症例が含まれ

ているのがやや残念なところです。ER陽性HER2陰性だけを対象として

系を開発すれば、うまくいけばオンコタイプよりも正確に予後予測や

化学療法の予測ができるかもしれません。


さて講演では、病理学的因子により遺伝子発現プロファイルの有用性

が左右されること、すなわち、NG3では低リスクと判定されても

再発リスクは高い。むしろNG1・2の高リスクの拾い上げに有用

であること。

オンコタイプでも、核異型度や腫瘍径といった病理学的因子が異なると

リカレンス・スコアが同じでも再発率が異なることをお話してきました。


オンコタイプなどでは細胞増殖因子関連遺伝子の発現が重要ではないか

と考えられていますが、Ki67との比較はどうでしょうか。

2010年のサンアントニオでは、Ki67が低い症例でオンコタイプが

高リスクになるケースはほとんどありませんでしたが、Ki67が高い症例

の約40%がオンコタイプで低リスクになることが発表されていました。

すなわち、Ki67だけではリスクを高く見積もる事になりそうです。

その理由は、Ki67はG1-M期で広く発現を認めるが、細胞周期に入った

細胞全てが分裂するわけではないからなのでしょう。

繰り返しになりますが、Ki67が低い症例はオンコタイプでは約6割が

低リスク、約4割が中リスクになることは、化学療法の適応を考える

上で有用な情報ではないかと思います。


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by aiharatomohiko | 2011-11-24 23:02 | 日常

琉球乳腺倶楽部での遺伝子発現プロファイルの話

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第41回琉球乳腺倶楽部で遺伝子発現プロファイルによるサブタイプ分類と

予後予測について話をしてきました。


概要を紹介します。

サブタイプ分類に用いることのできる遺伝子発現プロファイルは複数

あります。以前ブログに書いたようにある特定の個人が分類される

サブタイプは用いる方法によってかなり異なる(ある方法では

ルミナルAに分類される人が別の方法ではルミナルBやHER2などに

分類される)こと、そしてこれは近々ブログにアップしますが、

特定の方法を用いたとしても検査を行う人によってある特定の個人が

ルミナルAに分類されたりルミナルBやHER2タイプに分類されたり

するということが頻繁に起こります。一番の関心事である、ある特定

の個人をルミナルAかBかにきちんと分類することは、残念ながら

出来ません。


もしサブタイプ分類が”intrinsic”(本来備わっている,固有の,

本質的な,本源的な )なら、複数あるどの遺伝子発現プロファイル

を使っても、ある特定個人のサブタイプは一致するはずですが、実際

はそうではありません。つまり、遺伝子発現プロファイルによるサブ

タイプ分類は主観的な方法であるため、分類されたサブタイプはとても

intrinsicとはいえないのです。



乳がんをサブタイプに分類するのであれば、遺伝子発現プロファイルを

使った分類よりも、現状ならばERやHER2といった治療標的を免疫染色

することによる分類の方が実用的ではないでしょうか。

ただ免疫染色による分類でも、いわゆるルミナルAとBをきれいに分ける

ことは困難です。なぜならば、例えばKi67をマーカーとしてカットオフ値

を設けることにより分類するとしても、そもそも連続したものを恣意的に

分けることになるため、検査方法が標準化すらされていない現状で誰もが

納得するカットオフポイントを設けることはできません。

ルミナルAとBで治療方針を変えるという考えは、概念的には理解できても

個別化医療に応用することは出来なさそうです。

“この患者はルミナルBっぽいですね”というような内容のうすい議論が

これからも続くことになるのはいかがなものでしょうか。

建設的に考えるのであれば、Ki67が相当程度に低い症例と高い症例に

絞って予後や抗がん剤の感受性などを検討することは有用なのかもしれ

ませんが。
by aiharatomohiko | 2011-11-19 22:00 | 日常

先進医療というファンタジー


世の中には先進医療というカテゴリーがあります。

名前は、”先進“ですから、とんでもなく効果の高い先進的な治療法

が出てきたかのように思えます。患者さんも新しい治療法はないか、

ということは常に気にかけておられるので、診察時にどのようなものか

と聞かれることがあります。


しかしこれは名前倒れなんですね。


このカテゴリーに入る治療法や検査法は、新しく開発されたひよっこ

の段階で、リストを見てみても標準的な治療法や検査法と比べて良いか

悪いか見当が付かないものがほとんどです

(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html)。

つまり将来的に標準治療となるような優れた治療法が含まれている

可能性があるものの、しばらくすると消えているような治療法も多く

含まれていると考えるのが理性的です。


しかしながら、“先進医療”という名前からそういった事を専門家

でない人間が伺い知るのは難しいでしょう。内容を正確に表すと、

”新規実験医療“という名前になりますが、それではカッコが悪い

ということなのでしょうか。


個人的には、こういった名前をつけてよく恥ずかしくないものだと

思います。四文字熟語では、羊頭狗肉。こういった素人を騙すような

ネーミングは止めて頂きたいのですが、効果が確立されていなくても

新しければ”先進“という“ノイエス病”に取り付かれているかのようです。


患者さんには医療の詳しい内容は分かりにくいので、大きな病院で

先進医療が行われていると聞けば、それを頼りにしてしまうのは

仕方がないことです。


ただ、これに振り回されて貴重な時間を浪費させられては、

堪ったものではありません。良いものではなく良く見えるものが売れる

という法則がありますが、標準治療が現時点での最善の治療法である

ということをよく理解して、あやしい先進医療に惑わされない様にしたい

ものです。
by aiharatomohiko | 2011-10-26 22:29 | 日常

CYP2D6とTAMの話


タモキシフェンの効果とCYP2D6という遺伝子の多型が関連があるかどうか

が話題になって久しいです。日常診療でも患者さんから検査を依頼される

ことがありますが、現時点では関連性がはっきりしないので、当院では検査を

していません。

欧米人と日本人(アジア人)では遺伝子の型がずいぶん違うのですが、

どちらの人種でも関連があるという研究結果と関連が無いという研究結果が

混在しています。昨年のサンアントニオでATACとBIG1-98のサンプルを使った

研究結果が発表されて、いずれも関連なしという結果だったために、やはり

関連が無いもしくは弱いのかなと考えていたのですが、しっかりとした

デザインで前向きに検討する必要があるというのは衆目の一致する

ところです。


東大医科研と四国の乳がんを専門とする医療機関が中心となって行った研究

では関連ありという結果が出ているために、ここを中心として前向き試験を

行おうという機運が高まっています。しばらくの間現実的なデザインを模索

していましたが、大体固まってきたのと先日奥道後でミーティングが開かれた

ので部外者ながら参加させて頂きました。


そこでは大変熱い議論が繰り広げられ、詳細は明らかに出来ませんが、

前向き試験を行う方向での結論が出ました。結果がどうであれ最終的な

結論を導き出せるような臨床試験が組めそうですので、楽しみです。

皆様お世話になりました。



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当日の参加者は、前佛先生、笹先生、杉本先生、安芸先生、

山川先生、大住先生でした。皆様車で何百キロも飛ばして来られた

熱意は素晴らしいものでした。
by aiharatomohiko | 2011-10-10 09:46 | 日常

”標準治療”について-毎日新聞「ご近所のお医者さん」から-

8/2付けの毎日新聞の「ご近所のお医者さん」というコーナーに”標準治療”

について書いた文章が掲載されたので、最近の記事とかぶりますが、

ブログに転載します。


皆さんは「標準治療」という言葉をご存知でしょうか。まだ、あまり耳慣れ

ない言葉かもしれません。私は乳腺専門医として、専門看護師や薬剤師

とともに、乳がん検診から手術、抗がん剤治療、内分泌治療、緩和医療

まで幅広く乳がん診療に携わっています。

今回は、最善の乳がん治療を選択する際に重要な、「標準治療」について

お伝えしたいと思います。


「標準」治療というと「並」な治療法であり、どこか特別な病院に行くと「上」

の治療法が出てくるのではないか、と考えられがちなのではないでしょうか。

しかしながら、現実は違います。過去にあまたある治療法と戦って勝ち抜い

てきた、いわゆる現役のチャンピオンとして君臨している治療法、それが

「標準治療」なのです。つまり、「標準治療」よりも上はありません。


最近、「先端医療」という耳当たりの良い言葉が取り上げられることが多く、

何か画期的な治療法が出てきたのかと惑わされる方が多いのではないか

と危惧します。

実際には「先端医療」といわれるものの中には、「実験的な医療」と大差

ないものも多いのです。「ひよっこ」段階の治療法と言い換えても良い

でしょう。タイトルマッチを挑んだ結果、「標準治療」に敗れ去り消えていく

ものもありますので、あまり大きな期待をかけすぎるのは考え物です。


また、どこかに誰も知らないようないいお薬がないかと考えてインターネット

をさ迷い歩いた揚句に、効果がない高価な「不」健康食品に引っかかる

ことがあってはいけません。

もし、そんないいお薬があるのならば、製薬会社が厚生労働省の認可

をとった後に販売すれば、全世界で何千億円という売り上げになるでしょう。

それをしないでチマチマ売っているような物は、効果が期待できないと

考えるのが理性的です。


「標準治療」こそが王道であり、信頼のおける担当医と相談しながら治療法

を選択していく事が最善の医療につながるということを、是非知っておいて下さい。
by aiharatomohiko | 2011-08-06 22:15 | 日常

免疫療法は効果がありますか?


免疫療法についても、健康食品と同じようなことがいえます。

それは、患者さんを免疫療法をした人たちとしていない人たちとに

ランダムに分けて、免疫療法をした人たちの再発が少なかったり

死亡がすくなかったりした、というデータが有ればその免疫療法は

有効でしょうし、データが無ければ有効だと言う根拠が無いと言う

ことです。

効いた効いたという宣伝は多いですが、そもそも効いたというのは

どういうことかと考えなければなりません。

副作用が少ないとか、体に優しいとかの訳のわからない宣伝文句に

引っかからないようにしましょう。
by aiharatomohiko | 2011-07-30 13:20 | 日常

健康食品は摂っても良いですか?


乳がん患者さんは、健康食品を周りの人から勧められることが多いようです。

健康食品を勧める人は大きく分けて次の二通りです。患者さん本人のことを

気にかけて勧める人と商売をしようと思って勧める人です。

どちらなのかを患者さんが見分けることは難しいようです。

また、健康食品を使用したくない患者さんにとっては、どちらも迷惑

なことに変わりはないようです。


健康食品を、私はお勧めはしません。なぜならば、健康食品の中でもキノコ

の一種には劇症肝炎を起こして死亡した例が報告されているからです。

もう一つの理由として、乳がんの再発抑制や生存期間延長に効果が証明

された健康食品はないという事実もあります。

この場合の証明というのは、患者さんを二群に分けて、片方には健康食品を

使用してもらい、もう片方には健康食品を使用しないでもらう。そうした上

で健康食品を使用した方で再発が少なかったり生存期間が延長したりという

データがあるという事を指します。

そういえば、サメ軟骨や別の健康食品でデータが捏造されていたり、

事例をでっち上げて本にしていたこともありました。

もしある健康食品にがんを治す効果があるのならば、製薬会社が売り出

せば全世界で何千億円の売り上げが上がるのに、なぜそうなっていない

のでしょうか。

なぜちまちまと厚生労働省の認可をとらずに販売しているのでしょうか。


さらには、抗がん剤治療や内分泌治療をしている時に健康食品を摂った

場合、健康食品が原因で例えば肝障害を来たしても、乳がんの治療薬が

原因なのか健康食品が原因なのかが判別できないので、どちらも止め

なければなりません。

効果があるかないかがわからない健康食品のために、治療薬までやめ

なければならないかの可能性も考える必要がありそうです。

そういった不利益がある可能性を考えて、それでもなお使いたいので

あれば無理に止めることは難しいとも思いますが。

どうしても断りにくい筋から勧められている場合には、医者から止められ

ている、と言われたらどうでしょうか、とお話しています。
by aiharatomohiko | 2011-07-25 22:39 | 日常

これは標準治療でしょうか

標準治療という言葉、一般の方はあまりご存じないかもしれません。

確立された治療法で、現時点で最高の治療法のことです。

私が自分で乳腺科を始める時に、”きちんとした治療法を行います!”

と宣言するつもりで”「標準治療」をお約束します”とHPに書きました。

一般の方ならば、専門医であれば誰でも標準治療ができるんじゃないの?

と考えるかもしれません。

が、世の中本当にそうなっているのでしょうか?

きちんとした教育が出来ない教師がいたり、まともな政治ができない

政治家がいるような状況を考えると、専門医でも標準治療が出来ない人

がいるんじゃないの?と考える方が健全なような気がします。

まあ、そういった医師と違いますよ、という意味で”「標準治療」

をお約束します”と書いた訳ですが、たまたまあるクリニックのHPを

みて愕然としました。そこは手術件数は多いものの標準とはかけ離れた

治療をするのではないかと目されている所でしたが、

”ガイドラインに則った治療をしています”と明記してあったのです。

言ったもん勝ちかいな。。。

これにめげずに頑張ります。


さて、ここから本題。以下は標準治療でしょうか。

①手術待ちが長く、その間何もしないのは気兼ねするので、とりあえず

タモキシフェンなどを処方する

②副作用が出ると気の毒なので、抗がん剤は少量(微量)使う

③手術が終わって退院までに時間があるので、抗がん剤を少量点滴して

から帰ってもらう

④腫瘍径1cm少しの患者さんに、命が危ないから術前化学療法をしないと

大変な事になると恫喝する


恫喝は治療じゃないですね。また、珍しい治療を目にしたら、アップするかも

しれません。
by aiharatomohiko | 2011-07-15 23:04 | 日常