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by aiharatomohiko
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アロマターゼ阻害薬とビスフォスフォネート


タモキシフェンと比較して、アロマターゼ阻害薬を服用することにより

骨塩量が減少し、骨折が増えることが良く知られています。

ビスフォスフォネートは、破骨細胞を傷害することにより、骨吸収を妨げます。

その結果骨塩量が増加し、閉経後女性における骨粗鬆症による骨折を減少

させることが分かっています。そのため、アロマターゼ阻害薬を処方する

場合に骨粗鬆症があればビスフォスフォネートを同時に処方することは、

ガイドラインにもあるように正しいことだと思います。


一方で、ビスフォスフォネートには、服用方法が面倒である、食道潰瘍など

の副作用がある、といった問題点があります。また、非常にまれですが、

抜歯などをした場合に下顎骨の壊死を引き起こすことも知られています。


ビスフォスフォネートの最適な投与期間は決まっていないようですが、

臨床試験では3年や5年の投与期間が設定されているようです。

アレンドロネート5年と10年の比較試験(JAMA Vol. 296 No. 24,

December 27, 2006)では、5年でプラセボに変更した群で骨塩量の

減少が見られるものの、非椎体骨折骨折には差がありませんでした(19%)。

臨床的な椎体骨折はアレンドロネートを継続した群の方が少なかった

(5.3% vs 2.4%)のですが、形態的な椎体骨折はアレンドロネートで

やや少なかったものの有意差はありませんでした(11.3% vs 9.8%)。

骨折が特に心配される場合には、ビスフォスフォネートの治療を5年間を

超えて継続するが、それ以外は5年間で良いということでしょうか。


ただ、長期間のビスフォスフォネート投与により骨の正常な代謝を妨げる

ことが、骨自体に悪い影響が無いかという懸念があります。

実際、最近気になるデータも出てきています。ビスフォスフォネートの長期間

投与により、非典型的な小さな衝撃による大腿骨骨折が引き起こされる

危険性があるというのです(n engl j med 358;12:1304 march 20, 2008)。

前向きの臨床試験で検討されたデータではなく、JAMAのデータから

考えると現時点で心配する程ではないとは思いますが、注意を払う必要は

ありそうです。


最近閉経前女性に対して、術後療法としてLHRHIとアロマターゼ阻害薬を

投与する臨床試験が行われており、その際にビスフォスフォネートを併用

している試験もあります。閉経前の人は乳がん治療終了後の期間がかなり

長くなるので、ビスフォスフォネートが骨に与える長期的な影響がより

重要視されるようになるでしょう。
by aiharatomohiko | 2008-05-04 10:28 | 医療
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