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by aiharatomohiko
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HER2とタキソールの有用性との関係-その2-


感心したのは、この論文がNEJMに掲載されて2週間も経たないうちに、

ASCOからこの論文を解説するメールが来たことです。


その内容は、“非常に興味深い研究結果であるが、臨床応用するには

時期尚早である。”という、まあ当たり前の事なのですが、その内容にでは

なく、論文発表からメールが来るまでの早さに感心しました。

さすが、プロフェッショナルな学会だなあと思いましたね。

日本乳癌学会でも、このような重要な研究結果が出たら、すぐにその内容を

検討して会員に情報を流すような態勢がとれるといいんですけどね。


渡辺理事、どうですか?


もちろん、この研究結果(仮説)が確かなものであると証明するためには

前向きに検討する必要があります。ただ、例えば同様の試験デザインが

とられたNSABP B28でもこの結果が再現できるのであれば、HER2陰性

ER陽性リンパ節転移陽性乳がんでACの後のPTXの追加効果が無い

(もしくは低い)という蓋然性が高くなるでしょう。

さらには、その他のアンスラサイクリン vs アンスラサイクリン+タキサン

の試験でも同様な結果が得られれば、後ろ向きの研究結果とはいえ、

さらに蓋然性が高くなると思います。


しかしながら、この仮説に反する試験結果もあります。

タキソテールを使用したBCIRG001(TAC vs FAC) とPACS01

(FEC vs FEC-DTX)の統合解析において、タキソテールはERの状況で

再発抑制効果が変わらないという結果がASCO2007で発表されています。

HER2でのサブセットはどうかというと、BCIRG001の論文では、HER2陽性

の方が効果が高い(HR 0.76 vs 0.60)。

PACS01は、HER2ではサブセットを分けていませんでした。


タキソールとタキソテールでは違う傾向があるのか。

同時併用と逐次併用という投与スケジュールによって異なるのか、

この点も気になります。

臨床的に非常に興味深い=重要な問題なので、今後常にデータを

フォローする必要がありますね。


さて、当院治療中の方でこのブログを読まれた方は、タキソールどうしよう

かなと思われる方がおられるかもしれません。当院では、ASCOの

レターに書かれているように、新たなデータが出るまでは、HER2陰性

ER陽性の方もリンパ節転移が陽性であれば、タキソールをお勧めするのを

今までどおりスタンダードとします。
by aiharatomohiko | 2007-11-07 23:55 | 論文
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