タモキシフェンとアロマターゼ阻害薬の使い分け |
タモキシフェンとアロマターゼ阻害薬の使い分けはどうするのが 良いのでしょうか。 ポイントは、①再発抑制効果は、わずかながらアロマターゼ阻害薬の 方が高い ②副作用の出方が違う。 ③関連しますが、タモキシフェンには骨折予防効果がある、 というところだと考えます。 つまり、患者さんの再発リスクと併存症を考えた上で、どちらをお勧めするか 決めるわけですが、実際の薬剤の選択を私は以下のようにしています。 ①再発リスクが低く骨密度が低下している人には、基本的にタモキシフェン を勧める。 ②再発リスクが低く骨粗鬆症の心配が無い人には、基本的にどちらでも 良いというスタンスで患者さんと相談の上で決める。 ③再発リスクが高い人には、基本的にアロマターゼ阻害薬を勧める。 骨密度が低下している人には、ビスフォスフォネートの使用を考慮する。 再発リスクを考えず、誰でもかれでもアロマターゼ阻害薬を処方する人がいる としたならば、それは事前に患者さんの骨密度を測定していないからなのでは ないでしょうか。 私は基本的に薬剤選択前に骨密度をデキサ法で調べていますが、 結構低く出る人がいて、アロマターゼ阻害薬を処方するのに躊躇する場面に 結構な頻度で出くわします。 外科医は高齢の方が骨折するとかなりADLが低下するという事をあまり良く 知らないために、骨の問題を過小評価しているところがあるのかも しれません。 反対に、私は最近骨折の患者さんに接することが多いため、 骨の問題を過大評価する傾向にあるのかもしれません (内心そうは思ってはいませんけど)。 |
by aiharatomohiko
| 2007-09-22 22:23
| 医療
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