SABCS2015 CREATE-X |
今年のサンアントニオの一番の発表はJBCRGからのCREATE-Xでしょう。 本研究は、術前化学療法でpCRにならなかったHER2陰性乳がんを対象に、ゼローダ2500mg/m2を8サイクル追加投与する意義を検討した研究です。 日韓の共同研究で、日本から600名、韓国から300名ほどの登録がありました。 もともとの仮説はDFSのHR0.74を352イベントで検出するというものでした。(両側α 5%、検出率80%)が、最終登録二年後に予定されていた中間解析でOBrien Flemming boundaryを超えたために、早期終了となり発表されたものです。 ゼローダのコンプライアンスは、8サイクル完遂は40%ほどでしたが、RDIは80%と良好でした。 この点について欧米人ではもっと悪いようで、フロアから質問が飛んでいました。 一時評価項目のDFSは3年で82.8%vs74.0%、HR0.70(95%CI 0.53-0.93)、OSはHR0.60(95%CI 0.40-0.92)と有意にゼローダ群で良好でした。 今までのPIII試験ではゼローダは芳しくない成績だったため、いささか驚きをもって受け止められたようで、会場からは多くの質問が飛んでいましたが、戸井先生の受け答えは横綱相撲でした。 今までのPIIIでは、標準治療に上乗せの形が多かったのに対し、本試験は無治療vsゼローダの比較なので、DFSがある程度改善されることは納得いくと思います。特筆すべきはOSの改善でしょう。 保険承認の問題はありますが、再発リスクが高いケースでは選択肢の一つとなるのではないでしょうか。 |
by aiharatomohiko
| 2016-01-20 23:38
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