CYP2D6とTAMの話 |
タモキシフェンの効果とCYP2D6という遺伝子の多型が関連があるかどうか が話題になって久しいです。日常診療でも患者さんから検査を依頼される ことがありますが、現時点では関連性がはっきりしないので、当院では検査を していません。 欧米人と日本人(アジア人)では遺伝子の型がずいぶん違うのですが、 どちらの人種でも関連があるという研究結果と関連が無いという研究結果が 混在しています。昨年のサンアントニオでATACとBIG1-98のサンプルを使った 研究結果が発表されて、いずれも関連なしという結果だったために、やはり 関連が無いもしくは弱いのかなと考えていたのですが、しっかりとした デザインで前向きに検討する必要があるというのは衆目の一致する ところです。 東大医科研と四国の乳がんを専門とする医療機関が中心となって行った研究 では関連ありという結果が出ているために、ここを中心として前向き試験を 行おうという機運が高まっています。しばらくの間現実的なデザインを模索 していましたが、大体固まってきたのと先日奥道後でミーティングが開かれた ので部外者ながら参加させて頂きました。 そこでは大変熱い議論が繰り広げられ、詳細は明らかに出来ませんが、 前向き試験を行う方向での結論が出ました。結果がどうであれ最終的な 結論を導き出せるような臨床試験が組めそうですので、楽しみです。 皆様お世話になりました。 当日の参加者は、前佛先生、笹先生、杉本先生、安芸先生、 山川先生、大住先生でした。皆様車で何百キロも飛ばして来られた 熱意は素晴らしいものでした。 |
by aiharatomohiko
| 2011-10-10 09:46
| 日常
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