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by aiharatomohiko
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Iniparibのミステリー-ASCO2011-


ランダム化第II相試験で全生存期間の改善が報告されたため、ラッシュ

で第III相試験が行われたIniparibでしたが、販売元のサノフィから

今年1月27日付で主要エンドポイントが達成できなかったとのプレス

リリースがありました。

詳細な結果がASCOで発表されたのですが、本論に入る前に驚いたこと

を一つ。そもそもiniparibはPARP1阻害薬として開発されていたはず

ですが、この発表のイントロで“Iniparib は、TNBC細胞株の細胞周期

におけるG2/M停止を誘導する。二本鎖DNA損傷のγ–H2AX

(ヒストンの一種)フォーカスを誘導する(二本鎖切断を誘導するという

事か?)ものの、生理的な濃度ではPARP 1/2の阻害をしない

(よほど高濃度にしないと阻害作用が無いという意味か)。

Iniparibおよびその代謝物の生理的な標的分子は研究中

(ということは、現時点で不明))


このスライドを見た瞬間にひっくり返りそうになった人は少なくない

のでは。IniparibにPARP1阻害効果がなく、作用機序が不明という

のです。

これじゃあ、標的治療でもなんでもないし、そもそもTNBCに的を

絞ったことの意味が薄くなります。抗腫瘍効果はあるようなので、

BRCA遺伝子の変異や蛋白の発現などと関係なく使えるのかも

しれませんが。。。

さらには、わざわざ標準治療で無いゲムシタビンとカルボプラチン

というレジメに併用した意味も不明になります。


この臨床試験がネガティブとかポジティブとかの前に、この薬剤を

使う前提があっさり否定されていたので、個人的にはとても驚き

ました。現地での反応はどうだったのでしょうか?


日経メディカルを含めいくつかのHPでは、いまだにPARP阻害薬と

書いてあるので、私が読み間違っているのでしょうか?

ご存知の方はコメントを頂ければ幸いです。


ちなみに発表のスライドには以下のように記載されています。

BSI-201(iniparib) 

A novel, investigational, anti-cancer agent in TNBC cell lines1–4

induces cell cycle arrest in the G2/M phase

induces double strand DNA damage γ–H2AX foci but

does not inhibit PARP 1 and 2 at physiologic drug concentrations


potentiates cell-cycle arrest induced by DNA damaging

agents, including platinum and gemcitabine

physiologic targets of iniparib and its metabolites are

under investigation

by aiharatomohiko | 2011-08-14 11:07 | 学会
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