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by aiharatomohiko
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エキセメスタンの乳がん予防効果


ゲイルモデルにより五年間の乳癌発症リスクが1.66%以上の女性4560名

を対象として、エキセメスタン5年内服の乳癌発症予防効果をプラセボと

比較したランダム化比較試験の結果が発表されました。

結果は、エキセメスタンの5年内服はプラセボと比較して、浸潤がんを

65%減少させるという、一見SERMよりもよさそうなデータで、ASCO

での発表と同時にNEJMに掲載されました。


しかしながら、その研究の内容はいまひとつ感心できないものでした。

イベント数が少ないために95%信頼区間が広いこと、SERMとの直接

比較ではないために、効果・副作用ともに優劣がわからないことが

その理由です。

具体的には、追跡期間が35ヶ月と短いこともあり、イベント数がエキ

セメスタンとプラセボ群あわせてわずか43、エキセメスタンの浸潤がんの

ハザード比が0.35といっても、95%信頼区間は 0.18 - 0.70とかなり

広くなっています。

浸潤がんと非浸潤がんをあわせたハザード比は 0.47、95%信頼区間は

0.27 - 0.79とこちらも広いものでした。


これらのデータをNSABPのP1試験と比べてみましょう。

P1試験では、13000名以上の被験者を登録。浸潤がんのイベント数が

両群合わせて264で、タモキシフェンのプラセボとのハザード比が

0.51(95%信頼区間が 0.39-0.66)。非浸潤がんもハザード比が0.5

ですから、浸潤がんと非浸潤がんをあわせたハザード比はエキセメスタン

と変わらなくなります。


次に行われたSTAR試験では19000名以上の被験者を登録。浸潤がんの

イベント数がタモキシフェンとラロキシフェン両群合わせて330と、

十分なパワーを持っているといえるでしょう。


本試験は通常であればラロキシフェンとの比較試験となるべきだと考えます。

優越性を検証するとなると膨大な症例数が必要だとか、SERMの試験結果

から少ない症例数でプラセボに勝ちそうというのは研究者側や製薬会社の

論理で、現状これで良いとは個人的には思えません。


デザインもいま一つだし、パワーも十分といえないような研究結果が

NEJMに載るというのは、某先生の意見では製薬企業の力ではないかと

いうことですが、私には筆頭著者がハーバードの教授だからだとしか

思えませんでした。なんだかね。
by aiharatomohiko | 2011-07-11 00:39 | 論文
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