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by aiharatomohiko
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SABCS2010 ゾレドロン酸の再発抑制効果 その2


AZURE試験ですが、3,360例のstage II/IIIの乳がん患者さんが登録

された試験で、標準薬物療法±ゾレドロン酸(5年)の比較になって

います。

この試験では、ゾレドロン酸が6 doses (q 3-4 wk)、8 doses (q 3 mo)、

5 doses (q 6 mo)とかなりインテンシブになっていることが特徴です。

主要評価項目はDFSです。


患者背景は、98%が腋窩リンパ節転移陽性で、95%に化学療法が行われ

ており、98%にアンスラサイクリンが、24%にタキサンが使用されて

いました。ER陽性が78%、閉経前が45%でした。観察期間の中央値が

5年でのデータが今回発表されました。


DFSは752イベントと解析には十分なパワーを持っています。

結果はHR = 0.98(95% CI [0.85-1.13])とほぼ同等という結果で、

カプランマイヤーもほぼ重なっていました。今までの二つの試験の結果

と異なり、この試験ではゾレドロン酸を追加することによるDFSの改善

が見られないという、かなり予想外の結果に終わってしまいました。

2008年に演題取り下げがあったときには治療効果が他の試験と比べて

低いのではないかと懸念していましたが、まさかここまでとは思って

いませんでした。なお、この傾向は今後イベント数が増えても変わること

は考えにくいとのコメントがありました。まあ、それはそうでしょう。。。


主要評価項目がネガティブな場合には、もれなく面妖なサブセット解析

の結果が出てくることになります。この試験の場合でも出てきました。

閉経前と閉経後 < 5 年および 閉経状況が不明な <60才をまとめた群

ではむしろゾレドロン酸群で予後が悪く、閉経後5年経過および60才

以上の群ではゾレドロン酸群で予後が良くなっており、治療効果に

heterogeneityがあると言う解析がそれです。

閉経状況によりE2レベルなどが変わることが、骨芽細胞や破骨細胞の

機能に影響するというデータがあり、これが閉経状況によってゾレドロン

酸の効果が違うという結果をサポートするというのですが、

ホントでしょうか。

そもそも95%の患者さんに化学療法が行われているので、例え閉経前

でもこれにより閉経する人が相当の割合で出てくるはずです。

それなのにこんなに差が出るのはおかしいと思いますね。

偶然の偏りだと考えますが、大胆すぎるでしょうか。

発表では化学閉経に関しては触れられていないようでしたが、一流の

ジャーナルに投稿することになるとかならず突っ込まれることでしょう

から、その時にはもう少し詳しいことがわかるかもしれません。


一方注目したいデータとして、OSがあります。イベント数が519あり、

ハザード比が0.85(95% CI [0.72-1.01])とゾレドロン酸による

改善傾向が見られています。再発が改善しないのに、OSが伸びると

いうのは、乳がんに関係ないゾレドロン酸の効果?なんて、

よくわからないですね。閉経状況との関係はOSもDFSと似た傾向でした。


副作用に関しては、ONJの疑いも含めてゾレドロン酸群で1.5%

(コントロール群 0%)と、ゾレドロン酸に不利な状況です。

ONJはQOLを著しく下げる合併症である事を考えると、結構厳しい

データです。


今後に結果が出ると思われるゾレドロン酸の追加効果が検討されている

試験は、654例のNa Tan試験だけのようです。症例数から考えると、

この試験の結果で決着がつくようには思えません。

SUCCESS試験はゾレドロン酸3年と5年の比較。

NSABP B-34はクロドロン酸ありなしの比較。


ゾレドロン酸が再発を抑制するという期待は、このままでは残念ながら

つぼみのまま開花することはなさそうな状況になってしまいました。
by aiharatomohiko | 2011-03-09 22:34 | 学会
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