香川県乳腺研究会で気付いたこと |
3/2に先週に続いて香川県乳腺研究会で講演をしてきました。 その会で症例検討がありました。脳転移のあった患者さんで ラパチニブ+カペシタビンが奏効したが増悪し、RTを行ったが再び 増悪したため、ラパチニブ+ドセタキセルを投与したところ奏効した というケースが報告されていました。 保険的には微妙なものの、こういった投与法で効果が得られる 場合があるのかと、とても勉強になりました。 その時にフロアから質問があったのですが、”血液脳関門(BBB)が 転移によって破綻しているのであれば、ハーセプチンも効くのでは ないか”といったような質問があがりました。 ラパチニブは分子量が小さいため、BBBを通過するといわれる ことがあります。でも、分子量がどれくらいか知らなかったため、 その時に気になって調べてみました。 その分子量は 943.48。 抗体(ハーセプチン)はこの100倍超になりますので、BBBが破綻 したとしても通過は少し難しいのかもしれません。 抗癌剤の分子量も気になったので調べてみると、ドセタキセルの 分子量は807.879。 パクリタキセルの分子量は853.92。 エピルビシン塩酸塩の分子量は、579.98。 ビノレルビンの分子量は778。 分子量だけが問題ならば、これらの抗がん剤も通過するはず。 つまり単剤でも効果を発揮しても良さそうなものです。 ただ、BBBの通過は分子量だけの問題でもないということですし、 転移によりBBBが破壊されるという考えもありますし。。。 不勉強なので良く知らなかったのですが、この問題について 勉強してみたいと思います。 良くご存知の方はsuggestion頂けると幸いです。 当日研究会の時に、色々な先生方とディスカッション出来て 大変勉強になりました。 また、そのあとでご縁のあった先生にお世話になりました。 とても楽しい時間を有難うございました。 |
by aiharatomohiko
| 2011-03-06 22:39
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