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乳がんの最新情報を紹介しています
by aiharatomohiko
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BRCA1/2の遺伝子検査は受けるメリットがありそう

乳がん患者さんには、少なからず家族歴のある方がおられます。

遺伝性乳がんは、乳がん全体では5-10%を占めるといわれています。

遺伝性乳がんに関連する遺伝子では、現在までのところBRCA1遺伝子

とBRCA2遺伝子の二つが知られています。同定されてから15年ほどが

経ち、遺伝子に異常があるかどうかは検査が可能となっています。

BRCA1/BRCA2遺伝子に異常がある方は、乳がんだけでなく卵巣がん

にかかる危険性が高くなることが知られているのですが、この危険性に

ついては案外ご存じない方が多いのではないでしょうか。


これら以外にも遺伝性乳がんに関連する遺伝子がある可能性があります

が、BRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子に異常があるかどうかは、現在は検査

会社に依頼すれば、採血するだけで一か月ほどしたら結果が返ってきます。


それでは、どれほどの方が遺伝子検査を希望されるかというと、実際

にはそんなに多くないのが現状です。BRCA1/BRCA2遺伝子に異常がある

とわかった場合に、患者さんにとってどの様なメリットすなわち予防法が

あるのかが、不明確であるのがその理由のひとつかもしれません。


最近の論文では(Association of risk-reducing surgery in BRCA1 or BRCA2

mutation carriers with cancer risk and mortality. Domchek SM, et al.,

JAMA. 2010;304(9):967-75.)、遺伝子検査を受けることの具体的な

メリットが報告されています。


BRCA1遺伝子もしくはBRCA2遺伝子に異常がある2,482名の女性を対象

として前向きの観察研究が行われました。

予防的乳房切除については、3年の観察期間の間に受けた方には乳がん

の発生がみられず(0/247)、受けなかった方の7%(98/1372)に乳がん

が発生しました。

卵巣卵管切除を受けた方は、卵巣がんになる危険性が1/4-1/7ほどに

減りました。また、乳がんの発生も半分程度に減りました。乳がんが

減少する効果は、閉経後の方にはみられませんでした。また、乳がんを

発症した方に対して、反対側乳がんを減らす効果も見られていません。


特筆すべきは、卵巣卵管切除を受けた方で、閉経状況に関わらず、全ての

原因による死亡率が減少したことです(10%が3%に減少)。

乳がんによる死亡率が6%から2%に、卵巣がんによる死亡率が3%から

0.4%に減っていました。
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予防的な乳房切除術には、心理的にかなり抵抗や、健康保険でカバー

されていないことが、実際にはかなりのハードルになると思います。

この研究でも全体の15%程の方が受けているに過ぎません。

予防的な卵巣卵管切除も同様かもしれませんが、卵巣がんを発症する

年齢が乳がんを発症する年齢よりも高いので、子供さんを生んでから

でも十分間に合うことから、個人的に一考に値する予防法であると

考えますが、いかがでしょうか。

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by aiharatomohiko | 2010-11-23 13:35 | 論文
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