サンアントニオ2009 転移乳がんでのアバスチン |
転移再発の一次療法としてドセタキセル vs ベバシツマブ+ドセタキセル を比較したAVADO試験の結果が発表されました (ダブルブラインド・プラセボコントロール)。 結果は、併用群で無増悪期間が改善され、7.5mg群(打ち切り解析 ハザード比 0.80)より15mg群(打ち切り解析ハザード比 0.67) がさらに良好でした。 といっても、それぞれ中央値でたかだか1ヵ月と2ヶ月の改善でしか ありません。一年生存率はベバシツマブ15mg群で良好だったものの、 18ヶ月くらいでプラセボと同じになり、全生存期間に有意差はありません でした。 転移再発の二次療法として化学療法 vs ベバシツマブ+化学療法 を比較したRIBBON2試験の中間解析結果も発表されました (プラセボコントロール)。 併用群で無増悪期間が改善されましたが(ハザード比0.78 中央値7.2月 vs 5.1月)、全生存期間は改善されませんでした。 転移乳がんでは、一次治療でも二次治療以降でも、やっぱりしょぼかった アバスチン(ベバシツマブ)。 この結果を見て、他の臨床医はアバスチンを使いたいと思うのでしょうか。 以前のエントリーにも書きましたように、私は個人的にはアバスチンを 積極的に使用する気にはなりません。言うまでもなく、転移性乳がんの主たる 治療目的である全生存期間の延長が認められていないからです。 無増悪期間は代替指標であるため、これだけが改善されてもあまり意味が ありません。治療費は1年間で360万円もかかるらしいですし。 アメリカでの薬価の7掛けと言われてもお得感はなさそうですが、 いかがでしょう。 |
by aiharatomohiko
| 2010-04-28 23:19
| 学会
|
<< 無増悪期間を一次評価項目とする問題点 | サンアントニオ2009 後で使... >> |