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by aiharatomohiko
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サンアントニオ2008 TEAM試験


サンアントニオで、閉経後ホルモン感受性早期乳がんの術後療法としての

タモキシフェンとエキセメスタンの2.75年の治療を比較したTEAM試験

の結果が発表されました。

日本からの184人を含む全世界から9000人以上の登録があり、全例が

ホルモン受容体陽性です。当初はタモキシフェンとエキセメスタンの5年

投与の比較でしたが、他の試験の結果が出てきたため、標準アームの

タモキシフェン5年がタモキシフェンからエキセメスタンの順次投与に

変更された経緯があります。

その過程では喧々諤々の議論があり、結局どこかの国が国ごと試験から

抜け落ちたりしました。今回の解析は、単剤同士での比較が出来る2.75年

で全例のデータを打ち切っての解析となります。


有効性の解析は、局所再発・新規乳がん発症・非乳がん関連死亡は

両群で同様でした。遠隔転移は、エキセメスタン群で20%ほど減少して

いました。無病生存期間は、ハザード比で0.89(95%CI 0.77-1.03 p=0.12)

と11%ほどの改善が見られました。他のアロマターゼ阻害薬よりも治療効果

がやや弱く見えます。

ただし、本解析は各群50例ほど割り付けられた治療を開始していない人を

含んだ、完全なITT解析です。これらのデータを抜いた解析では、

ハザード比で0.83(95%CI 0.71-0.97 p=0.02)となり、他のアロマターゼ

阻害薬に見劣りしないデータになります。

私はこの解析の方が実際の治療効果に近いのではないかと思います。

50人といえば全体のわずか1%ですが、試験全体の結果に結構大きな

インパクトを与えるものだという印象を受けました。

タモキシフェン群がエキセメスタンに切り替えられたため、これ以上の

期間解析しても単剤同士でのデータは出てこないので、

これが最終のデータです。本解析で有意差が出なかったのですが、

エキセメスタンがタモキシフェンより勝らないというわけではありません。

IES試験の結果を鑑みると、p値<0.05にこだわる有意差原理主義に

おちいる必要はないでしょう。

現在エキセメスタンとアナストロゾールの直接比較試験が行われている

最中ですので、この結果がでれば優劣はより明らかになるでしょうが、

それまではどのアロマターゼ阻害薬もほぼ同等として扱って良いと思います。


他には、エキセメスタン群で20%、タモキシフェン群で30%の試験治療中止

が見られたことで、これが本試験の結果に影響している可能性が

言及されていました。


副作用は他のアロマターゼ阻害薬と同様で、ほてりなどの症状はエキセメ

スタンの方が少なく、関節痛や骨粗鬆症はエキセメスタンに多かったものの、

骨折のエキセメスタン群での増加は見られませんでした。個人的には懸念

していたアロマターゼ阻害薬で非乳がん死亡が増えるという現象が見られ

なかったので、安心しました。


それはそうと、近々タモキシフェン-エキセメスタンの順次投与とエキセメ

スタン単剤の比較のデータが出てくるはずなので、こちらの方にも注目です。
by aiharatomohiko | 2009-01-18 11:36 | 学会
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